首に当たる髪がくすぐったい。
後ろから逃がさんとばかりにお腹に回されている手は
力を緩めることを知らない。
でもそれでよかった。
彼女が何も話したくないなら
私も何も聞かない。
気を使われることを
彼女はものすごく嫌うから。
「よし、」
落ち着いたのかそう言って立ち上がる。
「めるとさんは元気になりましたか?」
ふざけてそう聞く。
「のぞみさんのおかげでね。」
そう言う彼女の顔は
少し目元が赤かった。
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