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「そうだね、さあ食べよう!」
様々なジャンルの料理がテーブルに並べられ、良い匂いが食欲をそそる。
みんな、碧の言葉で一斉に目の前に並んだ料理に手をつけた。
「う~ん! とっても美味しい~」
「このフカヒレも、オマール海老も、ステーキもすごく美味しい」
「お寿司もネタが新鮮で最高」
ここのシェフ達は、海外で修行を積んだ超一流の料理人ばかりだそう。簡単には味わえない最高のシェフ達ご自慢の料理を、こんなにたくさん堪能できるなんて幸せ過ぎる。
フランス、イタリア、中華、日本食……全てが味だけではなく見た目も鮮やかで、とにかく贅の極みともいえる食事に感動しっぱなしだ。人は美味しいものを食べると元気になるというけれど、私は今それを充分過ぎるほど実感していた。
そして、お酒も進み、ほろ酔い状態になった頃、みんなの懐かしい思い出話が始まった。
「鳳条君は、イケメンで頭が良くて、スポーツ万能で、1番の人気者だったよね~。私はクラスが違ったけど、みんなが鳳条君推しだったから」
「そんなことはない。本当に人気があったのは碧だ。碧の周りにはいつも女子がいたし」
「え~そうかなぁ? 碧君は、絵麻に対していつも口うるさいから~。昔からずっとだよ」
「そんなにうるさかった?」
「うん、とっても」
みんなで笑う。
とにかく、龍聖君と碧の人気は凄まじかった。
私はたまたま同じクラスだったけれど、あちこちから2人を見に来る女子達でいつも教室はザワザワしていた。
碧は明るくて人懐っこい性格だから、誰とでも仲良く話すし、特になぜか私とは気が合って、気がつけばよく一緒にいた。
良き相談相手で、最高の女……いや、男友達。
碧といると、男子だということをつい忘れてしまって、女子特有の悩みなんかも相談していた。それでも、当たり前みたいにちゃんとアドバイスをくれて、碧は不思議と女子の気持ちがすごく良くわかる人なんだと、いつも感心していた。