TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
昼想夜夢

一覧ページ

「昼想夜夢」のメインビジュアル

昼想夜夢

13 - 第9話※

♥

1,370

2024年05月12日

シェアするシェアする
報告する

この日から定期的に莉犬の元へ立ち寄っては着実に距離を縮めて行った。



その度に俺は都合のいい言葉で莉犬のことを依存させていった。



「辛い時は俺が抱きしめてあげるよ」


「泣いてたら頭を撫でてあげる」


「俺だけは何があっても莉犬の味方だよ」



かわいい莉犬。



早く堕ちてくれたらいい。



そんなことを思いながら。




ある日莉犬が倒れていた。



いつも通り向かった保健室で苦しそうな顔をしながら。



俺の家に連れて行こうかと考えたけれどバス通のため時間もかかる。倒れた莉犬を抱えてバスに乗るのはあまりいいとは思えない



仕方ないかと俺は把握していた莉犬の住所へと向かった。



部屋は一言で言うと悲惨だった。



血の飛んだ跡。大量に積まれた薬の空き箱。部屋中に微かに広がる胃液のような匂い。



想像はしていたけれどまさかここまでとは。



莉犬をベッドへと寝かせてその間になにか軽く食べられる物を用意して、、



起きた莉犬に何があったか伝えると申し訳なさそうな顔をした。



「家の場所先生に聞いて勝手に入っちゃったけど大丈夫だったか、」


「大丈夫…さとみくんならいい、」



この日から定期的に莉犬の家へと行くようになった。



この頃になると莉犬はあまり保健室へと行かなくなった。



家でも笑顔でいることが増えた。



きっといい事なのだろう。



でもこのままだとだめだ。



このままでは莉犬は俺に堕ちてくれない。



俺だけを見てはくれない。



ストーカー行為を始めたのはこの頃だった。



正体を隠して莉犬を不安にさせる。そしてそれを俺が慰める。



バレたら終わりだけれどこれが1番手っ取り早い。



見事莉犬はどんどん弱って行ってくれた。



さとみくんしか頼れる人が居ないんだと縋り付く莉犬を見るたび嬉しくて堪らなかった。



自我を殺して着実に信用させていって莉犬が俺しか見られないように。





そして今日莉犬は言葉にしてくれた。



1番がいいと俺がいないと死んじゃうと



ずっとずっと待ち望んでた。



あの日の先生を目に写して泣いていた莉犬はどこにもいない。



俺だけを目に写して俺だけを見て俺のせいで泣いている。




俺無しでは生きられない…?


いやそもそも俺無しでなんか生きさせてあげない。



かわいいかわいい俺だけの莉犬。



死んでも離してあげない。



もう莉犬は俺の。

この作品はいかがでしたか?

1,370

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚