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そして、私が余命宣告を受けた夜。
いつものように私たちはベッドの上で手を繋いでいました。
いつもと違っていたのは、2人ともなかなか眠りにつけないということでした。
最初は、体を寄せ合い、体温を確かめるだけの抱擁だけでした
。
ここに生きている何よりの証拠を、互いに感じ合いたかったのです。
それから、私は自然と、彼の命の源がある彼の中心部分まで手を動かしていきました。
今こそ、あの日、図書館で覚えた知識を発揮する時だと、心の準備が整ったからでした。
「シャルロット……それは……」
普段は柔らかい、私にはないその部分を私は、布越しにそれを愛おしむかのように撫でました。
「オリバーごめんなさい……こうすることしかできなくて」
「シャルロット、そんなのどこで……」
「お願い、何も言わないで、私にあなたの全てを愛させて」
私の手は、オリバーの肉棒が徐々に固くなっていくのを感じていました。
命の種を、子宮という女の土壌に放つために必要な準備が、できておりました。
本当は、この固くなったものを、私の体の中に入れて、種を受け取りたい。
私もまた、自分の心の奥底に眠る、彼の種が欲しいという渇望と戦っておりました。
(お腹の中に入れることができないのなら、せめて……)
私の口もまた、オリバーの肉棒に近づき、そして……。
ちゅっ。
彼の唇にするような軽いキスを、肉棒の先端に落としてみました。
「んっ……」
オリバーの顔が、かすかに歪みました。
しかし、それは苦しみから歪んだのではありません。
私は、先のくぼみにそっと舌を入れてみました。
「んっ……シャル……やめ……」
震える声で私を静止する言葉を放つオリバー。
だけど、私はやめません。
ぺろりと、先っぽを舐め上げると、そのまま口にぱくりと入れました。
「んんっ……」
気持ちよさそうな声が、オリバーの口から漏れました。
私は、初めて、自分という存在がオリバーに快感を与えることができて、とても嬉しくなりました。
手で、擦り上げながら、ぐちゅぐちゅと口の中でオリバーの硬くなった肉棒を愛しました。
「んっ……愛してる……オリバー……」
「やめろ……そこでしゃべらないでくれ……気持ち良すぎてどうにかなりそうなんだ……」
「良いのよオリバー……私で気持ちよくなって……」
「んんんっ!!!」
ぴくんと、オリバーの体が震えました。
「オリバー……もう少しだから待ってて……」
私は、オリバーの種を絞り出すように、ちゅうっと肉棒の先を思いっきり吸い上げ、肉棒を擦る手の速度をあげました。
(どうか、私の中に、あなたの種を……)
そう願った時でした。
ぴゅぴゅっと、彼の先っぽから彼の体温を持つ、少し苦い種が私の舌の上に放たれました。
「はぁ……はぁ……」
オリバーは、荒い息遣いをしながら、私をぎゅっと抱きしめてくれました。
「シャルロット……どうしてこんなことを……」
私は、ごくんとオリバーの種を体内に入れながら言いました。
「あなたの種が、欲しかったの」
例え赤ちゃんが授からない方法だとしても、愛する人の細胞を体に取り入れたいと思うのは、当然のことだと私は思いました。
そして今、それを実現できたことで、私の本能は一瞬ではありますが満足することができました。
それから、私とオリバーは本能に苦しむ時の対処法を身につけ、オリバーの体の傷は徐々に癒えていきました。
ですがいざオリバーとの別れの日が近づくと考えると、やはり欲しくなってしまいました。
オリバーに良く似た可愛い赤ちゃんを。
オリバーの白く美しい種と、私のお腹の中にいる卵が結ばれた愛の結晶を、見てみたかったのです。
どうせ、赤ちゃんを産まなくても、私の命が間も無く尽きることは分かっておりました。
だから奇跡を……祈ることにしたのです。
10月31日に。