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蓮華 🍒ྀི🦋
1012〇〇〇〇🍀🌸❄️
102
任務が終わったすぐ後、先ほどまでのうるささは嘘のように消え去り、その場には四季だけが残っていた。
身体中が痛む。
重い足を無理やり動かしながら屋上のフェンスへ辿り着き、腰を下ろす。
空を見上げると、星は一つも見当たらなく、ただ、暗い。
穏やかな風が四季の頬を掠めた。
「四季、」
どこからか、聞き覚えのある声が自分を呼んだ。
…自分でもわかっている。
無茶をした。命令を無視して。
「何をしている。」
「んー、何も?」
怪我を負っていることを少しでも誤魔化すために、にへっ、と笑ってみせる。
「逆に、ムダ先は何しに来たの?」
「………」
返事なはない。
ムダ先の顔は微動だにしない。
何を考えているのかがわからない。
ムダ先は出会った時から本当に何を考えているのかがわからなくて、たまに怖い。
考えていることを全て見透かされているような気がする。
今自分が考えていることも全て伝わっていたら、そう考えると怖くなって、咄嗟に気を紛らわそうと声を出した。
「…心配、しにきてくれたん?」
「…そうかもな」
無陀野は口を開け、小さくそう呟いた。
「えっ、マジか」
四季はそう言い、俯く。
四季が呟いたその後しばらく、2人の間に沈黙が流れた。
「……四季、今日はもう遅い。帰るぞ」
夜風が冷たくなり、無陀野はそう言った。
その言葉に四季が俯いていた顔を上げる。
「…俺はもう少しここにいるから、ムダ先は先帰ってていーよ。」
四季はまた、安心させるかのように笑ってみせる。
「だが…」
「ほんとに!先帰ってていいから。」
「…そうか、」
「うん、」
「…四季も気をつけて帰るんだ」
無陀野が屋上の扉に手をかけ出ていくところを、四季はひらひらと手を振り見送った。
「…ふー」
無陀野が屋上から出ていき、屋上は四季1人だけの場所となった。
そして、四季の緊張の糸のようなものが切れた。
四季は降ろしていた腰を上げて、すぐ後ろにある、四季の腰までの高さしかないフェンスを軽々と超える。
「ごめんなさい…」
四季の謝る声は、無陀野どころか、誰にも届かない。
「ほんとは、ムダ先が屋上に来たとき、飛び降りるのやめようって思った。」
「…けど、決めたことだから、」
下を見ようかと迷ったけど、今更怖くなっても嫌だからやめた。
「ふはっ、やっぱし、ちょっと怖いわ…」
…ずっと、俺が死ねばいいんじゃないかって、思ってた。
親父が死んだのも俺のせいだし。
鬼神の子だからって狙われて、みんなにも迷惑をかけちゃう。
俺が死ねば、みんなの笑顔も、少しは増えるかな、。
仲間の笑顔が脳裏に浮かび、四季は笑みをこぼす。
次の瞬間、覚悟したように四季は呟いた。
「ムダ先、…みんな、ばいばい、さようならって言えなくて、ごめんなさい。」
その言葉を最後に、四季は空中へ身を投げた。
そして、四季は目を瞑り、意識を手放した。
〜あとがき〜
こんにちは、主ののせと申します。
ここまで読んでくださりありがとうございました🙏
初投稿and初ノベルのため、少しおかしいところがあるかもしれませんが、多めに見ていただければ幸いです。
これからも個人的に好きなエンドや物語を勝手に書かせてもらいますが、暖かく見守ってくださると嬉しいです。
では、👋🏻
コメント
4件
とてもいい作品でした! 四季君が我慢してきたものは誰もが思う予想以上にでかかったのかもしれないなと思いました。 泣きそうになってしまいました… これからも頑張ってください!!!!
第1話、読ませていただきました。四季の「にへっ」という強がりの笑顔と、無陀野の短い「そうかもな」の距離感、すごく印象に残ってます。あの沈黙の間に二人に何があったんだろうっていうのが気になって。最後の覚悟の決め方も、自分を責める台詞も、静かで重い描写が胸にくるものがありました。「鬼神の子」という設定も、これからどう絡んでくるのか…続きが待ちきれないです。