テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
A視点
「なんなのあいつっ、、、」
勇斗さんの家を出た後むしゃくしゃしてお酒を飲みにバーに来た
芸能人が一般人を気にせず飲めるようなお店で猫被んなくていいから気楽に飲める
さっきあった事を思い出してイライラする
この私が相手なのにまったく靡かない勇斗さんもそうだし、何よりあいつ、、、吉田仁人
なにあれ?邪魔過ぎなんだけど?
確かリーダーやってるんだっけ?通りで、正義感強くて俺がメンバーを守るんだって感じ?うざ、私そーゆーの大っ嫌い
この世界で清廉潔白で生きていけるわけないから
まぁ、ここが引き際かなぁ?顔がどタイプ過ぎて仕掛けまくったけど
私に興味ない奴なんてこっちから願い下げよ
「はぁ、イライラする、、、ん?」
グラスを一気にあおって一息つくと、店に入ってきたグループがやけに騒がしくて目が行く
大手事務所の男性アイドルグループだ、6人いる中の3人が見知らぬ男2人を連れてボックス席ではしゃいでいる
「相変わらずチャラ、、、」
お酒を飲んで上機嫌な彼ら、公衆の面前というのに気にせず連れてきた男の肩を組み、引き寄せては耳元で口説いている
そう、彼らはゲイだ
むちゃくちゃ有名、こーゆーとこ来る人達限定だけど
連日数人の男を取っ替え引っ替えしてお酒を飲んでは上の階へ消えていく、しかもみんなでヤルのが好きらしい
このビルは特殊で地下がバーで上の階はホテルやサウナ、ジムまである
まぁようは、私達のような人間が羽目を外しても許される場所って事
「あれ?Aちゃん?」
ゾロゾロと上の階に上がろうとしていた1人が私に気付いて声をかけてきた
「お疲れ様です〜、相変わらずですね、元気で何より」
「ははっ何おじさんみたいな事言ってんの」
目尻の笑い皺がセクシーなんだよね、この人、あーあ、ゲイじゃなかったら私の相手してほしー
「最近は何かねーパッとしないんだよね、Aちゃん良い子いたら紹介してよ、俺その辺の女より綺麗な顔の男が好きなんだよね」
「えー、、、あ、、、」
あー!良い事思いついちゃった!
「いますいます!めっちゃオススメの人!」
「え、ほんと?」
「はい!」
私はあいつの名前を出して普段は真面目だけど本当は性欲バカで男が好きで発散させてくれる人を探しているとある事ない事吹き込んでやった
ついでにツンデレだからイヤイヤ言ってても本当は嬉しく思ってるような人だからガンガン押しちゃっても追加した
ははっ、これで何かしら困れば良いんだわ
いい気味、吉田仁人
ーーーーーーーー
🩷視点
「仁人!」
翌日はいつも通り仕事で現場に向かったら前を歩く仁人が見えた
「勇斗、おはよ」
近付いて昨夜負った傷を見る為両手で仁人の顔を掴む
「うえっ?!なにっ?!」
無理やり俺の方を向かされた仁人は怪訝に眉を寄せる
「傷どう?痛い?」
「あぁ、もう全然痛く無いよ、つか傷あんの忘れてたくらいだわ」
「かさぶたになってる、、、」
「まぁ、そりゃね、血が出てたし」
「お二人さん、朝からこんな所でイチャイチャすんのやめてくれる?」
見ると柔太郎が立っていた
「おはよ!柔」
「おはよ、なに?今からキスシーンでも撮るの?」
「お、じゃあ柔ちょっと撮って」
ちゅーっと顔を近づけると耳を赤くした仁人にはたかれた
「バカやってないで行くよ!」
と言ってさっさと行ってしまった
「わかりやすいよね、よっしー、、、勇ちゃんも」
「え?」
「あれ?2人ってくっついたんじゃないの?」
「えぇっ?!なななななに言って」
「ぬははっ!!動揺し過ぎでしょ」
「ちょちょちょちょっとこっち来て!こっち!」
楽屋への道を逸れて人気のない場所に移動する
「え?柔、どゆこと?く、くっついたってなんで?え?知ってたの?俺が仁人の事好きって?え?なんで?」
「ストップストップ!まずは落ち着いて?いや、勇ちゃん自分で思ってるより分かりやすいからね?ちょっと前から2人の雰囲気が親密な感じしたからてっきり付き合いはじめたと思ったんだけど、違うの?」
「あぁ、、えっとー、まだ、付き合ってないと言うかぁ、ちょっと手ぇ出しちゃったと言うかぁ、仁人に振り向いてほしくて頑張っちゃったというかぁ、、、?」
さすがの俺もメンバーに性事情を言うのは気が引ける
人差し指同士をつんつんしながらモジモジと答える
「全然話が見えないんだけど?」
「んーと、、、」
怪訝そうな顔の柔太郎にめっちゃかいつまんでこれまでの事を話した
柔なら信頼出来るし、俺たちの事分かってるならぜひ相談に乗ってほしいってか仁人の事もっと詳しく教えてほしい、うすうす両思いなのは分かってるけど、出来れば確固たる確信がほしいから
「なるほどねぇ、、、なんかほんと、拗らせすぎじゃない?2人とも、何してんのよ?」
「返す言葉もございません、、、」
「しかも、まさか家にまで押しかけてくるとはねぇAさん、まじストーカーじゃん」
「うん、それはほんとそう、、、」
「あ、時間やばい、取り敢えず楽屋戻ろ」
「あ、うんっ、ねっ柔、仁人は?仁人も俺の事好きって事?」
2人で歩きながら内容が内容だから小声で話す
「さぁ?本人に聞いてみたら?」
「ばっか!それが出来たら苦労しねーよ、さっき言ってたじゃんかよ、教えろよ」
「こーゆーのはね、外野が口出すもんじゃないのー」
「なんだよ!ケチ!」
楽屋の扉の前まで来たらバッと柔が俺に振り向く、え?ケチって言ったの怒ったの?おこなの?
「ま、俺から言えるのは、、、お似合いだよ、お二人さん」
ポンっと俺の肩を叩いてさっさと楽屋へ入っていく柔
なんだよっ?わかんねーよ!いや、わかるか?お似合いって両思いって事?そゆ事?もー俺の都合良く考えちゃうからね!もう今日言う!絶対言う!!今日絶対俺仁人に好きって言う!!!んで絶対もうOKもらうまで離さない!!
今日は今から5人の仕事で、一旦散って、最後また5人集まるから、そん時誘うか、うん
ーーーーーーーーーー
「え?今から飲み行くの?」
仕事終わりに鼻息荒く仁人を誘ったのに断られた
ソファに座ってスマホいじってる柔が肩を震わせて笑いを堪えてる、おいそれスマホじゃなくて俺のこの惨めな姿を見て笑ってんだろ?わかるぞお前、画面見てねーもん
「ごめん勇斗、上手い事断ろうと思ったんだけど、相手のが一枚上手で、、、まぁ、同じアイドルグループの人だから、この機会に色々聞いてみるのも良いかなって」
「へぇー、、、?だ、誰と行く」
「あ、時間やばい!!ごめん、行くわ!お疲れ様!」
、、、あーあ、行っちゃったよ、、、
柔を見るとまーだ笑うの堪えてるよ
「お前、さっきから視界に入ってんだよ、笑うなら笑えや」
俺が言った途端笑い出す柔太郎
酷くない?なんなの?お前?酷くない?
「はぁー、笑った、、、ごめんって勇ちゃん、お詫びに奢るからさ、飯でも行こうよ」
「俺も行きたい!」
「うわ!びっくりした!舜太!いたの?」
「いたよ!ひどい勇ちゃん!俺もご飯行きたい!」
「お、おう、んじゃ3人で行くか?太智は?」
「俺パスー」
相変わらずの格好で太智はそのまま手を振ってお疲れ様ーと帰っていく
柔のスマホを3人で見ながらここでもないそこでもないと言い合いながら店を予約する
さっきの腹いせにクソ高い店選んでやった
時間まで少しあるからゆっくり世間話とかしながら帰る準備をして楽屋を出る
丁度俺だけ車で来てたから鍵を柔に渡した
「俺トイレ行きたいから先車で待ってて」
「オッケー、舜太行くよー」
「はーい」
廊下を左右に分かれてトイレに向かう、先に目をやると昨日の今日で会いたくない人が歩いてきた、Aさんだ
まじかよ、また!?全然懲りてないじゃん!
「お疲れ様でーす」
「っおつ、かれさま、ですー?」
挨拶だけ交わしてさっさと通り過ぎていった
あれ?、、、あ、本当にここで仕事だった感じ?うわ!俺すげー恥ずい奴やん!恥ず!!自意識過剰!恥ず!
心の中で叫びながら何食わぬ顔でトイレに入る、用を足して出ると目の前にまた彼女がいてむちゃくちゃビビる
「びっくりした!まじでビビった!なんで?あ、トイレ?」
「違うし、女子にそゆ事聞かない方がいいですよ、セクハラ」
「なっ!?」
思わず言い返そうとしたけど踏みとどまった
今までと正反対の態度に戸惑いつつも、昨日仁人が怪我してまで俺を守ってくれたんだ、ここは冷静に、冷静に
「吉田さんと一緒ですか?」
「え?あ、仁人?」
なんで急に仁人?
「いや、珍しく飲みに行ったけど、、、なんで、ですか?」
「飲みにって〇〇さん達?」
「いや、相手まではちょっと、、、確かにアイドルグループって言ってたけど、、、」
「まじか、早速?あはは、やばぁ、ご愁傷様」
そのままAさんが歩き出した
ご愁傷様ってどうゆう事??なんだ?やばいって何がだ?仁人?仁人がやばい、のか?
「ちょ、ちょっと待って!」
慌てて彼女の前に立つ、怪訝そうな顔で見上げてくるAさん
「何ですか?」
「いや、ご愁傷様ってどうゆう事?君何かした?急に仁人の事聞いてくるなんておかしいよ」
「どうしよっかなぁー、、、」
すごいじっと見てくる、なに?こわ、、、
「知りたいです?」
「え?あ、、はい、知りたい、です」
真顔からにっこりと笑顔になるAさん
いや、益々こわ
「こっち来て」
「えっちょっと!」
腕を引かれて近くの部屋に入る
「吉田さんは今、とあるバーにいます」
「そりゃ、飲みに行くって言ってたんだからお酒置いてあるとこでしょ?」
「そのバーはホテルつきで、吉田さんを誘った〇〇さん達は生粋のゲイなの」
「、、、は?」
「毎日男を取っ替え引っ替えでお酒を飲んで、上の階にあるホテルに連れ込むような人達よ」
「ちょ、ちょっと待って、理解が追いつかない」
〇〇さん達がゲイ?毎日取っ替え引っ替え?え?そんな人達と仁人今飲んでんの?上の階がホテル?!
「っやべーじゃん!!えっ!?ちょちょ、っ電話、、、!」
慌てて仁人に電話する
「、、、、っくそ!出ないっ」
「あちゃー、もう上に連れてかれちゃってるかもーきゃははっ!」
「っお前!笑い事じゃねーよ!なんでそんな事になってんだよ!?お前か?お前がなんか仕組んだんか?!」
「だとしたら何?」
「何って、、、なんで、こんな事」
「ムカついたから、ただそれだけ」
「それだけって、お前、、、」
どうしよう、仁人が、、、早く連れ戻さなきゃ
「っ場所!場所教えて!」
「教えてほしい?」
「だからっそう言ってんじゃん!」
「んじゃキスして」
「は?」
何言ってんの?こいつ
「濃厚なやつ1回、してくれたら場所教えるし今後一切付き纏ったりしない、簡単じゃない?」
簡単じゃねーわ!なんで好きでもない奴とプライベートでキスしなきゃなんないの?
でも早くしないと仁人が!
「、、、わかった」
Aさんの前に立つ
これは仕事、仕事だ
ドラマの撮影だと思えばいい、簡単だ
にっこりと笑うAさんが俺を見上げて目をつむる
そっと顔を近づけながら俺は仁人の事を思った
初めてキスした日の仁人、服を脱がされて真っ赤になりながら騒ぐのが可愛かった、コクンと頷く顔も、感じてる顔も
昨日心配してすぐ家に来てくれた、優しく慰めようとしてくれた、Aさんから、俺を守ってくれた
仁人、、、、
やだなぁ、、、俺
キスするなら仁人がいい、仁人じゃなきゃ嫌だ
「勇ちゃーん?」
唇が触れる手前で部屋の外から柔太郎の声がする、思わず顔を上げて扉の方を見た
「あれー?勇ちゃんどこ行ったんやろ?トイレん中おらへん」
舜太もいる、遅いから来てくれたんだ
扉を開けて外に出る
後ろからAさんの声がするけど無視だ
「柔!舜太!」
「あ!勇ちゃんおったよ柔」
「もーなんでそんなとこいんの?勇ちゃん」
「仁人が!」
2人に説明する、3人でどうにかAさんに場所を聞き出せないかと部屋に戻るとAさんがバツの悪そうな顔をして立っている
「君さぁ、まじでいいかげんにしてくんない?」
柔太郎がむちゃくちゃ怒ってる、こわ
「お願いしますAさん、こんなイジワルせんとって、みんな悲しくなるだけやから、、、」
舜太が悲しそうな、困った顔でAさんに近づくと観念したのか素直に場所を教えてくれた
「勇ちゃん行って」
柔から車の鍵を受け取って俺は走り出した
コメント
5件
いつも楽しく読ませていただいてます! 💛さんがどうか無事ですように😭めっちゃ続き楽しみです!!
コメント失礼します😌 いつも更新楽しみにさせて貰ってます! Aさんなーにしてくれちゃってんの!🩷さんがどうにか間に合いますように、、、
たまさん、第7話読ませていただきました! Aさんの悪意が想像以上でゾッとしました…。仁人が危ない!って思った瞬間、勇斗くんの焦りがすごく伝わってきて、私も息を止めて読んでました。キス迫られるシーンで「仁人じゃなきゃ嫌だ」って心で拒む勇斗くん、切ないけど仁人への想いが純粋で胸が熱くなりました。柔太郎さんと舜太さんのフォローにもほっとしました。次どうなるか気になりすぎます!
きらめきピーチ
7,589
あ
4,059