テラーノベル
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楽屋はカオス状態だった。全ての元凶は、ソファで無防備に寝転がっていた向井康二だ。
「うわっ、康二のお腹ぽよぽよ〜!気持ちいい〜!」
佐久間大介が康二のTシャツを捲り上げ、その柔らかい腹部に顔を埋めたのが始まりだった。
「ちょ、さっくん!くすぐったいって!」
「え、何それ。俺も触りたい」
「僕も!康二くんの柔らかさは僕のものだし!」
渡辺翔太とラウールが即座に参戦。
さらに、「康二、マッサージしてやるよ(という名目のボディタッチ)」と岩本照が腕を掴み、「癒やし成分摂取」と阿部亮平が抱きつく。
「わぁぁぁ!みんな一気に来んといて!重い重い!」
康二はもみくちゃにされながらも、その顔はへらへらと嬉しそうだ。
完全にメンバー全員に愛され、可愛がられるマスコット状態。
平和で、騒がしくて、幸せな光景──のはずだった。
ガタンッ!!!!
部屋の空気が、一瞬で凍りついた音がした。
入り口付近の椅子が、乱暴に蹴倒された音だ。
全員の動きがピタリと止まる。
恐る恐る視線を向けると、そこには──能面のような無表情で、けれど瞳の奥にどす黒い炎を宿した目黒蓮が立っていた。
「……あ、めめ……?」
「……撤収!!」
佐久間が叫ぶより早く、察知能力の高い深澤と阿部がメンバーを促し、蜘蛛の子を散らすように康二から離れた。
瞬く間に、ソファには康二一人が取り残される。
「え、みんな?どしたん?」
事態が飲み込めず、きょとんとしている康二。
目黒はゆっくりと、獲物を追い詰める捕食者の足取りで近づいてきた。
「…随分と…楽しそうだったね」
地を這うような低い声。
康二の背筋に冷たいものが走る。
「へ…?」
「みんなに触られて、ちやほやされて。そんなに気持ちよかった?」
「ち、ちゃうねん!みんなが勝手に…」
言い訳をしようとした康二の言葉を遮り、目黒は冷たく言い放った。
「立って。今すぐに」
「え……」
「聞こえないの?」
目黒が康二の腕を掴み、強引に立たせた。
その力は痛いほど強く、康二は顔を歪める。
「ちょっ……めめ……!痛いって!」
「行くよ」
目黒は康二を引きずり、楽屋のさらに奥、誰も使っていない倉庫兼フィッティングルームへと押し込み、鍵をかけた。
ドンッ!
康二の背中が壁に叩きつけられる。
逃げようとする康二の両脇に腕をつき、目黒が完全に逃げ道を塞いだ。
「め、めめ……?」
見上げた目黒の顔は、今まで見たことがないほど雄(オス)の色気と、危険な香りを纏っていた。
目黒の手が、さっき佐久間たちが触っていた康二のお腹を、Tシャツの上から乱暴に撫でる。
「……っ!」
「ここ、佐久間くんに触らせてたね」
「あ……」
「ここも、ここも……みんなに触らせて、へらへら笑って」
目黒の指が首筋を這い上がり、康二の顎を強く掴んで上を向かせた。
至近距離で睨みつけられる。
「なんでそんな無防備なわけ?襲われても文句言わないでよね」
「……っ!!」
康二が息を呑んだ瞬間、目黒の唇が康二の唇を塞いだ。
優しいキスではない。
噛み付くような、貪るような、所有権を主張する荒々しいキスだ。
「……んぐっ、ふ、ぁ……っ!」
酸素を奪われ、康二の足から力が抜ける。
崩れ落ちそうになる体を、目黒の大きな手が腰を抱いて支える。
「……はぁ、はぁ……め、めめ……許して……」
「許さない。…今日という今日は、絶対に許さないから」
目黒は康二の耳元に唇を寄せ、熱い吐息と共に宣告した。
「康二の全身、俺の痕だらけにして誰にも触らせないようにする」
「……ひっ……」
「覚悟して。……朝まで泣かせるからね」
ギラついた瞳。
嫉妬に狂った恋人の愛は、重く、激しく、そして甘美な痛みと共に康二に降り注ぐ。
無防備すぎた子犬は、ようやく自分専用のご主人様の本性を思い知り、その腕の中で一晩中、愛の「お仕置き」を受けることになるのだった。
これにて、向井康二編終了です!!
next…さくあべ 1/10
コメント
4件
めめの嫉妬めっちゃ怖くて好きです 😻👍 そしてみんなが可愛すぎる … 😞🫶
康二の取り合いで可愛い 目黒さんの嫉妬は怖すぎる…