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日常の裏側で、源静香の精神は劇的な変貌を遂げていた。かつての清廉な少女の面影は、剛田武という圧倒的な暴力性に身を委ねる快楽によって、内側からじりじりと焼き尽くされていった。彼女にとって、武に強引に組み伏せられる瞬間こそが、自分が「生きている」と実感できる唯一の儀式となった。放課後、誰もいない空き地の土管の影や、薄暗い裏山。静香は自らそこへ足を運び、武を挑発するように待ち構えるようになった。
「……また、やってよ」
その一言が、武を追い詰めた。かつてのガキ大将としての威勢はどこへやら、武の瞳には拭い去れない困惑と恐怖が宿っていた。自分が壊してしまったはずの少女が、今や自分を壊しにかかっている。彼は彼女の要求に応じるたび、加害者であるはずの自分が、彼女の底なしの欲望に飲み込まれていく感覚に陥った。
静香の望みはエスカレートしていく。より激しく、より無慈悲に。彼女は武の大きな拳が自分の肌を叩く衝撃や、強引に服を裂かれる音にさえ、異常なまでの昂ぶりを覚えるようになった。彼女の肌に刻まれる青あざは、もはや苦痛の象徴ではなく、武という強者を独占しているという背徳的な勲章へと変わっていた。
二人の間には、もはや会話など必要なかった。武が拳を振るい、静香がそれを受け入れ、貪り合う。その光景は、端から見れば凄惨な暴行そのものであったが、その中心にあるのは、狂気にも似た強烈な共依存だった。
静香は、武に組み敷かれている間だけ、自分を縛り付けていた「しずかちゃん」という理想の殻を脱ぎ捨てることができた。泥にまみれ、喘ぎ、蹂多されることで得られる解放感。彼女の瞳は、絶望の淵にありながら、獲物を捉えた獣のような妖しい光を放ち続けていた。
武は、自分を「ジャイアン」と呼んで慕っていたかつての日常が、あまりにも遠い過去のものになったことを悟った。彼は、自分が生み出した「怪物」である静香に、一生を捧げて蹂躙し続けるという呪縛から、もう二度と逃げ出すことはできなかった。
二人の影が夕闇に溶け合い、一つになる。それは救いのない、しかし二人だけの完結した地獄の完成だった。