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𝕔𝕠𝕔𝕠
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あり
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ー逃げ道は君になった。ー
🩷佐野勇斗 攻
💛吉田仁人 受
🤍山中柔太朗
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
〜夏休み明け〜
久しぶりの目覚ましの音で、
俺は目を覚ました。
💛「……学校か。」
夏休みが終わった。
昨日までは毎日のように五人で
集まっていたのに。
今日からは、またいつもの学校。
💛「……。」
去年までなら夏休みが終わっても、
別に何とも思わなかった。
むしろまた同じ毎日が始まるだけだと、
そう思っていた…。
でも。
💛「……なんか、嫌だな。」
今年は少しだけ。
夏休みが終わることが、寂しかった。
久しぶりの教室。
💛「……。」
いつもの席に座る。聞こえてくる声。
先生の声。教室の空気。
全部。
夏休み前と、何も変わっていない。
……はずなのに。
なんか、違う…。
俺自身が変わったのかもしれない。
夏休みの間…
屋上で、夏祭りで、花火を見て、
泊まって、ゲームセンターへ行って、
映画を見た。
……そして。
💛「……。」
勇斗先輩と…手を繋いだ。
💛「……っ///」
思い出すな。
俺は慌てて、机に顔を伏せた。
そのとき。
「おーい、仁人。」
💛「……ん?」
顔を上げると、
太智が教室の前に立っていた。
💙「何してんねん笑」
💛「……別にぃ?」
💙「また顔赤いで?」
💛「赤くない。」
💙「いや、赤い笑」
その後ろから。
❤️「仁人ー!」
舜太が手を振る。
💛「舜太〜。」
❤️「久しぶりの学校やな!」
💛「昨日も会ったけどね。」
❤️「それはそうやけど笑」
そして、
🤍「……仁人くん!」
💛「柔太朗。」
💙「全員集合やな!」
……夏休みの間。
毎日のように会っていたから、
久しぶりの学校なのに
久しぶりな感じがしない。
それがなんだか少し…
嬉しかった。
💙「そういや勇斗くんは?」
💛「先輩なら、自分の教室じゃない?」
❤️「せやな。」
💙「夏休み終わったからって、もう会えへんわけちゃうしな!」
💛「……うん。」
そう。学校が始まっても、
俺たちは会える。
……それだけで少しだけ
安心した。
休み時間。
俺が廊下を歩いていると
「仁人。」
後ろから名前を呼ばれた。
💛「……先輩。」
振り返ると勇斗先輩が、
廊下に立っていた。
🩷「おはよ。」
💛「……今、何時だと思ってるんですか。」
🩷「も〜、細かいなぁ笑」
💛「もうそろそろ昼休みですよ。」
🩷「じゃあ、こんにちは?」
💛「こんにちは。」
勇斗先輩が、楽しそうに笑う。
……久しぶり。
いや。昨日も会った。
でも学校で会うのは、
なんだか久しぶりな気がした。
🩷「学校、どう?」
💛「どうって……普通です。」
🩷「そっか。」
💛「先輩は?」
🩷「普通。」
💛「……それなら良かったです。」
そう言うと勇斗先輩は
俺の顔を覗き込んだ。
🩷「……そういえば。」
💛「……何ですか!?」
🩷「もう、耳赤くなってない?」
💛「……っ!?」
……思い出した。
夏休み最後の日、
勇斗先輩が俺の耳に触れたこと。
俺はすぐに目を逸らした。
💛「……っ///」
🩷「あ。」
💛「……。」
🩷「今なった笑」
💛「……うるさいです。」
🩷「ごめんごめん笑」
全然悪いと思っていない。
💛「……先輩。」
🩷「ん?」
💛「からかわないでください。」
🩷「からかってないよ。」
💛「……絶対嘘です。」
すると、
🤍「……何してるの?」
💛「……柔太朗。」
いつの間にか柔太朗が、
俺たちの後ろに立っていた。
🩷「別に?」
💛「何でもない。」
🤍「……ふーん。」
……なんだ。
その、ふーん。
柔太朗が俺と勇斗先輩を、交互に見た。
🤍「……仲…良いね。」
🩷「そう?」
💛「普通だよ。」
🤍「……そっか。」
……。
なんだか。
柔太朗の「そっか」は
信用していない気がする。
昼休み。
俺は気づけば屋上へ向かっていた。
💛「……。」
夏休み前
俺にとって屋上は
逃げるための場所だった。
教室にいたくないとき。
誰とも話したくないとき。
一人になりたいとき。
……俺はここへ来ていた。
そしてここで勇斗先輩に出会った。
💛「……。」
屋上の扉を開ける。
すると、
🤍「……仁人くん。」
💛「柔太朗?」
そこには柔太朗がいた。
🤍「……久しぶり。」
💛「昨日も会ったじゃん。」
🤍「……それでも。」
💛「……。」
それでも
……久しぶり。
少しだけその言葉が嬉しかった。
俺は柔太朗の隣に座る。
🤍「……夏休み、終わっちゃったね〜。」
💛「うん。」
🤍「……寂しい?」
少しだけ考える。
💛「……少し。」
🤍「……俺も。」
風が吹く。
夏休みの間、何度も五人で笑った。
それがもう終わった。
……。
💛「でも、学校でも会えるよ。」
🤍「……うん。」
💛「だから、大丈夫。」
🤍「……そうだね。」
柔太朗が少しだけ笑った。
そのとき
ガチャ
屋上の扉が開いた。
🩷「二人だけ?」
💛「先輩。」
🤍「……なんで?」
🩷「いや、なんでって笑」
勇斗先輩が俺たちの近くまで来る。
🩷「二人で何してたの?」
💛「別に、何も。」
🤍「……話してただけ。」
🩷「へぇ。」
……。
なんだろう。その、へぇ。
🤍「……何?」
🩷「別に?」
💛「……。」
また始まった。この空気。
俺には二人が何を気にしているのか、
全然分からない。
放課後
授業が終わる。
💛「……。」
夏休みが終わった。
またいつもの学校生活が始まった。
……でも。
夏休み前とは少し違う、
今の俺には屋上がある。
そしてそこには
会いたいと思う人たちがいる。
だから前ほど学校が嫌じゃない。
💛「……。」
そんなことを考えながら俺は教室を出た。
……。
一人で帰るつもりだった。
そのとき
🩷「仁人。」
💛「……先輩?」
後ろから勇斗先輩の声。
振り返る。
🩷「帰るの?」
💛「はい。」
🩷「そっか。」
💛「先輩は?」
🩷「俺も。」
少しだけ沈黙。
💛「……じゃあ。」
そう言って歩き出そうとした。
そのとき。
🩷「仁人。」
💛「……はい?」
🩷「一緒に帰ろうと思って。」
💛「……俺と?」
🩷「うん。」
……。なんで。
💛「……なんで。」
俺がそう聞くと勇斗先輩は少しだけ
笑った。
そして、当たり前のことのように
🩷「一緒にいたいから。」
💛「……っ?!」
……。……は?
💛「……。」
ドキドキが…うるさい。
🩷「どうしたの?」
💛「……何でもないです。」
🩷「また顔赤い。」
💛「……暑いからです。」
🩷「もう夏終わるのに?」
💛「……うるさいです。」
勇斗先輩が楽しそうに笑う。
そして俺の隣に並んだ。
🩷「帰ろ。」
💛「……はい。」
……夏休みは終わった。
でも五人で過ごした時間が、
全部終わったわけじゃない。
学校が始まっても勇斗先輩は
俺の隣にいる。
……。
……一緒にいたい、か。
さっきの言葉が頭から離れない。
……夏休みは終わった。
でも俺の毎日は少しずつ
変わり始めていた。
コメント
1件
うわ、第19話読み終わったよ…!夏休みが終わって学校が始まる切なさと、それでも「会いたい人がいる」っていう仁人の変化がじんわり沁みた。勇斗先輩の「一緒にいたいから」は反則だわ、あれは心臓に悪いって。柔太朗の「久しぶり」とか微妙な空気感も気になるし、三人の関係性がどう動くのか続きがめちゃくちゃ気になる。夏が終わっても始まるものがあるって感じがして、すごく良い話だった。作者さん、ありがとう!