テラーノベル
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__25時すぎ。
🎈「はぁっッッ”っ、はぁッッ”っ、」
人混みが少ない路地裏。月明かりが少しだけ道を照らすだけで、ほとんど周りは見えない。暗い一本道がただ続くだけ。
その道を僕はひたすら走り続けていた。
🎈「 (逃げなきゃッッ”っ、!!) 」
どこの道に出るのかも分からない暗闇。通った記憶も無ければ、同じ景色を見ている気分で。
とにかく逃げるのに必死だった。
🎈「ここまで、…くれ、ばッッ”っ、」
体力が無ければ、どうすれば良いかの知恵もない。…..こんなに走ったのは何時ぶりだろうか。
🎈「 (もう、…..捕まりたくな、い) 」
僕は必死の思いで街灯のある公園に身を隠すことにした。公園の周辺は木に囲まれており、見つかるまで苦労するはずだろう。
公園には、長い鉄の棒に、色とりどりの棒が繋がったもの、急な坂などがある。
🎈「 (ぁ、…..あそこの丸い、洞穴、なら) 」
真っ直ぐ進んで正面には、”といれ”と書かれた四角い箱。右側には大きな洞穴らしき、半球形の遊具がある。
とりあえず、そこに身を隠すことに決めた。
🎈「……….はぁ、っ、」
その遊具は意外と中が広く、声も反響する。小窓が着いていたり、地面には丸い団子のような物が数個転がっていた。
少し砂埃が凄いが、これはまだマシな方だ。
隅っこの方に座り、壁に体を預ける。一体どのくらい走っていただろうか。一体何処に来てしまったのだろうか。
暗闇の中、首元に付けてあったチョーカーに触れる。紫色で丁度項が隠れるぐらいのサイズ。
__取ったらダメ。
確か誰かがそう言っていた気がする。バース性特有のこのチョーカーが僕は何よりも大嫌いだけど。何なら、今ここで引きちぎったって良いのに。
だけど、何故かそれには抵抗があって。不思議な話だ。良くも分からない昔の記憶に左右されているなんて。…..この”証”のせいで何度も酷い目にあったというのに。
🎈「ん、……」
ずっと走っていたせいからか、次第に眠くなる。真夜中なのもあり、辺りは真っ暗。余計、睡眠を促してくるような空間だ。
身寄りもなければ、元の場所に戻る気もない。なら、このまま此処で一夜を明かすのも一つの手段なのかもしれない。
🎈「 (今のところ、人が来る様子は…ない) 」
安心….とまではいかないが、少しは休めそうだ。流石に休息を取らないと、逃げることも難しくなる。
少しだけ、少し….だけ、。
恐怖をぎゅっと堪えて、目を瞑る。大丈夫、きっと誰も来るはずない、…..から。
きっと、….きっと。
天井から差す月明かりは、真っ暗だった空間に灯りをともしていく。その灯りは、どことなく幻想的で夢のようで。まるで、僕だけを照らしてくれているみたいに。…..希望をくれている、みたい、…..に
__ポキっ、ッ
🎈「……………は、」
眠ろうと目を閉じた時だった。微かに聞こえた小枝が折れる音。見逃すわけがない、スルー出来るわけがない。
なら何故、小枝が折れる音が…..した?
🎈「………..ひゅっ、」
だれか…..いる、?
まさかもう、ここにいるとバレたのだろうか。旗また、既に気づいていたのか。、
🎈「 (にげッ、なきゃっ、ッッ) 」
だけど、何処に?、
周囲を見渡せば、月が差し込む光があるだけで辺りはまだ暗い。この遊具から抜け出しても、逃げる方向には必ず”奴”がいる。公園の出口は1つしかない。そこから抜け出すのなんて、
不可能に等しい。
🎈「 (やだ、…..いや、だ、、よ) 」
もうここに来た時点で詰んでいたのかもしれない。どうして、気づかなかった。どうして、そこまで気が配れなかった。何度悔やんでも状況が変わるはずがない。
…..“奴”は徐々に距離を縮めている、確実に。
🎈「 (なにか打開策はッッ、逃げる方法はッッ) 」
そんな考えも相手からしてみれば、
🎈「__んッッ”っ、!?!?」
無駄に過ぎないから。
暗闇から手が伸びてきて、ハンカチで口を塞がれる。ハンカチの匂いを吸えば、一発で眠ってしまうんだろう。
🎈「 (…..っ、ねむってたまるかッッ) 」
やっと、掴みかけた自由をこんな形で奪われたくない。消されたくない。絶望してたまるか、諦めてたまるものか、
僕は思いっきり、ハンカチ越しに指を噛んだ。
?「………..い”ッッ”っ、」
案の定奴はハンカチを持つ手を緩めた。そこから、するりと抜け出し、逃げるように飛び出した。
?「………..チッッ」
後ろなんか振り返らずに、ただ一心に。
外は少し肌寒かった。時々吹く風が頬をかすめる。このまま逃げれば、僕は__
__バンッ”っ、
🎈「………..へ、」
じゅう、せい…..、?
あまりの恐怖に後ろにいる奴の姿を確認できない。今、こいつは僕に向かって銃を発砲した、のか…、?
寒気と恐怖で足が震え出す。一瞬にして、死を理解する。
🎈「 (選択を、…..まちが、えた、、?) 」
歯はガタガタとなり、立っているのでやっとだった。当然の事ながら、銃声をこんな間近で聞いた事なんてない。
…..この人は只者では無い。
?「動くな、餓鬼。動いたら次は足に当てるからな。」
発砲したであろう男は、無機質な声でそう吐き捨てた。その声には心なんて何一つとしてない。…..きっと人を平気で殺せるんだろう。そんな雰囲気がする。
?「…….はぁ、手間かけさせやがって。」
恐怖とともに、大きな手によって身体が飲み込まれていく。もう抵抗する術もなかった。口元を塞がれ、思いっきり息を吸えば、次第に意識が遠のいていく。
“また”、逃げれなかった。
体の力が次第に抜け、まぶたも重くなる。起きたら、きっとまた同じ景色が広がっている。
暗い夜の中、僕はただ眠ることしか出来なかった。
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マフィアパロ × オメガバース
🌟🎈、🔞有
神代類🎈(16)
番がいないΩ。内向的で控えめ。
過去に色々なことがあり、αが苦手。
聴覚が物凄く発達している。
天馬司🌟(20)
冷徹なα。感情をあまり表に出さない。
マフィア組織の幹部であり、人が苦手。
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コメント
11件
最高すぎます イベラン頑張ってください!
マフィアパロは最高すぎる...!、
オメガバとマフィアパロ合体させるの最高すぎる…! めっちゃ面白そう 続きを楽しみにしてます! イベラン頑張ってください