『…スゥー、…ふ、…ぅ、…』
どんどんと体調は悪くなっていく一方だった。…しんぺいさんにどうしたらいいか…なんて、聞くと…しんぺいさんは、…物凄く悩んだ後僕にお医者様を紹介してくれた。
しんぺいさんに紹介されたお医者様の元へと行くとお医者に一言。
「…貴方が投与された薬は、病を促進させる交換があったようです。」
…しんぺいさんが、傷を塞ぐためにくれた薬は、病の進行を早める薬でもあったということらしい。
『…僕は、…どうなるんですか…、』
「…今後、貴方は…そうですね。100日経つ前に…きっと、植物状態になってしまうでしょう。」
『……そうですか。』
何も考えられなかった…自分から出た声は常に冷静で…凄く低くて怖かった。
その後の話は頭に入ってきて居ない。ただ新しい薬を渡されたことしか。
新しい薬を貰い、飲み込む。止まらない頭痛と震える手。それでも、日記を続けなければと日記を描き続ける。…まだ、まだぼくは死ねない。シャオちゃんに…、しゃおちゃんに言いたいことがあるから。
『……ふぅー、』
頭が痛い。ゆっくりと、日記を書く。
そういえば、先日しゃおちゃんに日記どうしたの?って聞かれた。
でも、…教えたくないから。
教えられないからさ、
『……、泣きたいなぁ。』
しゃおちゃんに、優しく話しかけられると…昔を思い出してしまってもう嫌だ。
もう、本当に何をしたらいいのか。自分が何者なのか…何も分からない。
ただ、そこにあるのはしゃおちゃんがすきという気持ちだけだった。…友達が死んで、…戻ってきて…、彼に僕の記憶は何も無かったけれど…彼は彼だから。もう、…それでええんや。
……、
ゆったりとした足でグルッペンの元へと歩く。
『……ぐるちゃん、』
「…なんだ?鬱。」
病気の事はグルちゃんにも言ってない。でもグルちゃんは、泣きそうな顔してた。…多分、…グルちゃんはもう気づいてる。…でも、それを答え合わせする気はさらさらない。
『……しゃおちゃんが、…しゃおちゃんがないんや、』
「…鬱。」
『……昔さ、本。読んでん』
『…ある男が沼に落ちた。沼に落ちた瞬間雷も落ちて、男は死んでしまった。…が、沼と雷。そのふたつが奇跡的な確率で化学反応をおこし、その男と全く同じ存在。DNA…全てがその男とおなじナニカが出来上がった。そのナニカは、沼に落ちた記憶はなく、自分が沼から出来たナニカである事も知らない。記憶もある。彼は、今まで通り普通の生活も出来る。』
『…このナニカを貴方は、同じ人間として受け入れられますか、…っていうね。』
『…これは、沼男っていうとある精神の本に書かれていた内容。』
『…記憶は無いけれど、今のしゃおちゃんはおなじようなものだと僕は考える。』
『…グルちゃん。……、もうしゃおちゃんは死んでるはずやねん。……あのシャオちゃんに…お前、何したんや。』
「…さぁな、………話は終わりだ。」
グルちゃんはそのまま去ろうとする。
『…グルちゃん。それは僕の為にならない』
1度足を止めたような気がしたが…、そのまま足を進めていってしまった。
『…チッ……、』
『…本当に僕は、どうしたらええん?』
問いかけても答えは帰ってこなかった。