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彼が私を見ながら、さっきのお姉の黒人さんに、耳元で何かささやいている
途端に黒人さんが私をじっと見つめる、私は蛇に睨まれたカエルのように汗が吹き出し、緊張してその場で凍り付いた
そして次にはなんと黒字にゴールドで「YUZU」と書かれたのぼりを持った人達が大勢現れた
ウエイトルームは今や、試合が始まる前の熱気と興奮で、大勢の人が叫んでいた
「yu・zu!! ・yu・zu!!・yu・zu!!」
戦い前に士気をあげるかのように、大勢の人が彼の名前を叫び出した
彼は素晴らしい金と黒の装飾のガウンを着せ、首に大きな鎖を巻きつけられた
まるで王者のようだ、完全に私の知っている柚彦君ではない
「出るぞ!でるぞ! 」
「さぁ!行くぞ!」
「あと5分で試合開始だ!」
大勢の人が入場ゲートに向かう、雪崩のように行進して行くなか、最後に柚彦君が私の所に来た
一斉にみんなの注目を集める、ウェイトルームの誰もが私と柚彦君を見ている
「ごめんね!鈴ちゃんをあのまま家に帰したら、あの男が心配だったから、ちょっとの間ここで待ってて、一緒に帰ろう 」
「yu・zu!! ・yu・zu!!・yu・zu!!」
「yu・zu!! ・yu・zu!!・yu・zu!!」
なんと会場から観客の「yu・zu」コールが響いてここまで聞こえてくる
「ゆず・・・ひこく・・・ん会場の・・・歓声が・・・・・・・ゆずって・・・・」
「yu・zu!! ・yu・zu!!・yu・zu!!」
「yu・zu!! ・yu・zu!!・yu・zu!!」
柚彦君がにっこり笑った、相変わらず私の大好きな笑顔を向けてくれている
「うん・・・・呼んでるから、行ってくるね 」
二人はしばらく見つめ合った、明るい所で見る彼の裸は、あまりにも力強く恐ろしかった
威嚇的な体だった、どこかで読んだことがあるような、古代スパルタの兵士の様だった、盛り上がった胸の筋肉の谷間には、汗が流れている
どこかで誰かが怒鳴る
「二分前だぞ!!ユズ!出ろ!」
「柚彦君・・・・あなたって・・・」
彼が真剣な目つきで言った
「ずっと黙っててごめんね・・・実は僕、プロの格闘家なんだ・・・」