コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
・・・
「yu・zu!! ・yu・zu!!・yu・zu!!」
「yu・zu!! ・yu・zu!!・yu・zu!!」
絶え間ない観客の怒鳴り声で、私は少し頭痛がしていた
国立競技場を埋め尽くす観客席の真っただ中で、私はヤジや罵声に囲まれて、ただ茫然と突っ立っていた
観客はほとんどが男性で、手が付けられないほど興奮している
みんな拳を振り上げ「YUZU」と叫んでいる、どうやら柚彦君は、大変な人気の様だ
私の横で、先ほど柚彦君と仲良さげにしていた黒人の男性が、ボディーガードのように立っていた
どうしてこんな事になっているかというと、ほんの数分前・・・・
柚彦君が入り口ゲートに向かった後、黒人男性が私のそばに寄って来て言った
「ブラック・田中・サイモンよ 日系アフリカ人」
彼はいかにも黒人らしく右手を私に差し出した
「さ・・・櫻崎・・・鈴子ですに・・・日本人・・・です 」
クスッ「見ればわかるわよ」
一瞬でグローブみたいな手に自分の手が包まれた
「ユズからあなたはこういう所初めてだから、彼に代わって面倒を見てやってくれと頼まれたの」
「そ・・・そうですか・・・でも・・・おかまいなく・・・ 」
私はごくりと唾を飲み込んだ、とても背が高く、あまりにも体のサイズが違いすぎる彼に、怖気づいてしまう