テラーノベル
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俺の拠点は風通しの良い築40年のボロアパート。
俺の拠点には元親父が居座っている。
俺は ….. ?
11月中旬 、 午前9時 。俺は潮風が当たる防波堤の上に居た。
潮風を間近で嗅ぐと毎回決まって塩辛く、鼻の奥が少しむず痒ゆくなる。
俺は意外とこの感覚が好き 。
まぁ、誰にも言わないけど …. 。
ポケットに両手を突っ込み、冬の寒さを少しでも和らげようとする。
着ているダウンジャケットは申し訳程度に綿が詰まっているだけで、全然本来の機能を発揮していない。
ぐぅ〜〜〜
突然、誰もいない防波堤に間抜けな音が響いた。
俺は肩がビクッと跳ねた。
周りを見渡して人がいない事を確認する。
「あ〜腹減った …. 」
そんな事を呟くと防波堤に寝転び、空を見上げた。
少し曇っているせいか、太陽はまだ顔を出していない。
空気は乾燥しており、息を吐けば白い息が口から零れる。
そのままボーッとしていたが、また腹が鳴ると勢い良く上半身を起こした。
「”クエスト”達成しに行くかぁ〜 … 」
防波堤から飛び降りて、俺は歩き出した。
歩き始めると、次第に潮風は薄れていった。
変わりに雑草の青々とした匂いが鼻につく。
この匂いはあまり好きじゃない 。
何でって言われると困るけど、好きじゃない 。
防波堤から歩いて約15分。俺の目と鼻の先にコンビニが現れた。
いや、元々そこにあるコンビニなんだけど 。
俺は唾を飲み込み、コンビニに入った。
若そうな男の人が1人いるだけ。ダルそうな声で
いらっしゃいませ〜
とだけ言って俯く。どうやらスマホを触っているようだ。
その事に気付くと少し心に余裕が生まれた。
なるべく自然におにぎりの棚に寄ると誰も見ていない事を確認してから、鮭おにぎりをポケットに突っ込んだ。
この瞬間はいつまで経っても変に胸がドキドキする。
その足で、トイレに行くと3分ぐらい居座ってトイレに寄っただけを装う。
こうすれば良いと”アイツ”は言ってた。
3分が経つと、トイレから出てそのままコンビニを出た。
後ろめたさに居心地悪く感じた俺は宛もなく走り出す。
しばらく走ると公園についた。この時間はジジババがちらほら居るだけで、若い人は全然居ない。
俺が公園に来ると、なんで子供が?って顔をしてくるヤツもいるが、俺はお構い無しにベンチに腰を掛けた。
背もたれにもたれるとポケットからおにぎりを取り出す。
”クエスト”で得たおにぎりがこれで何個目かもう分からない。
おにぎりの包みを剥がして、かぶりつく。
適度に塩が効いていて、美味い。
夢中で食べていた。
#極道
鷹槻れん

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世羅 鈴🎨🎤
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月銀澪
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繭ネ
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コメント
1件
第1話読みました〜!「クエスト」って呼んでるのがもう切ない…。寒い防波堤、綿の入ってないダウン、元親父が居座るボロアパート。日常の描写が静かで丁寧なのに、コンビニでおにぎりを盗む瞬間のドキドキが生々しくて胸がぎゅってなった。塩の効いた鮭おにぎりを夢中で食べるシーン、美味いって思えるのがせめてもの救いだな…。続き気になります!