g「もう11時か」
時計と机に積まれている大量の資料を交互に見て深くため息をつく
今日も徹夜だろうか
そういえば今日で何日徹夜をしたか、と指を折り曲げて数える
g「8か…」
アイツがいた時はこんなに徹夜しなかったのに、と隣の空いた席を見て後悔する
効率よく仕事をこなす”アイツ”
サボっていると叱ってくれる”アイツ”
休憩だ、と甘いものをくれる”アイツ”
いつも一緒にいた”アイツ”
そんなアイツはどこに行ってしまったのだろう
視界がぼやけて細かい文字が見にくい、頭痛がする
自分の体がだいぶ限界だということが分かる
勝手に目が閉じていく
眠ってはダメだと頭のどこかで思ってはいるが目は開いてくれない
まあいいか、とそのまま眠りにつく
目を覚ます
体が軽い、頭痛も消えた
外が明るい
時計を見るともう朝の10時
しまったと勢いよく起き上がり机に向かおうとする
t「おはよう」
聞き覚えのある声がした
いるはずのないアイツの声が聞こえた
やはりまだ疲れているな、と思いふと視線をずらすと
そこには資料を片付けているアイツがいた
なぜここにいるのか、
なぜあの時出て行ってしまったのか
聞きたいことは沢山ある
それでも、それよりも、
g「おかえり、トントン」
t「ただいま」
帰ってきてくれてありがとう
コメント
2件
泣いた。めっちゃ泣いた。目からアラル海...いや、ユーラシア大陸出てきた。゚(゚´ω`゚)゚。何この感動ストーリー...天才かよ。いや、天才か。