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「ちょ、二列走行ダメだって!もう少し後ろに下がって……それに、ヘルメットしてないじゃん!あれほど言ったのに……ちょ、一旦止めて着」
「はぁ……もう、白果はうるさいなぁ…!そういうところが嫌いなんだよ!いちいち、ギャーギャー騒いで恥ずかしくないの?私はもうあんたとは帰らない。もう関わんない、大っ嫌い。」
あ…、置いてっちゃう─────
あの日から、白果は一人ぼっちになってしまった。
あれから二年経った。白果はすっかり高校生活を謳歌していた。数少ない友達と他愛もない会話をしていた白果はあの後の出来事が今でも忘れられなかった。
社会で生き残るためには、不真面目にずる賢く、ノリよく流されやすくなければならない。真面目は嫌われる。ノリが悪いとハブられて悪口を言われる。
きっと、皆なら大丈夫、なんて思っても全く心が落ち着かない。そんな精神状態の中で、不真面目なことにも付き合ってきた白果は自分を見失っていた。
そんな中、友達が出来た。
その子は、眩しいくらい明るく自分の意見を突き通す姿勢はクラスメイトの中心だった。
男女問わず分け隔てなく接し、逆に容赦も遠慮もないため本心で生きているように見えた。白果はその子と同じ委員会に所属して最初はボソボソと声をかける程度だった。だが今ではお弁当を一緒に食べる仲だ。そんな白果と仲良くしてくれている友達の名前は『霞』と言う。
「んで、その後どしたん?そいつ」
霞は箸を止めて真剣な眼差しを向けた。戸惑った白果は
「えぇ、うーん……その後、骨折したらしい…よ?」
と、霞に伝わりやすい言葉に変換した。本当は、交通事故で骨折したらしいが。あの時の白果は速攻連絡先をブロックして削除していたため詳しくは知らないのだ。
「きっしょ、白果のこと傷つけたから天罰が下ったんだろ。」
霞は根拠のない妄想を話した。ポカーンとしている白果のことには目もくれず霞の妄想は止まらない。
「こんな私でもヘルメットつけてるんだぞ?もしかして、貧乏で修理できないとか購入できないとか、あんのか?しかも、そいつ性格悪すぎるだろ。白果が気にかけてくれてるだけ有難く思っとけよ。はぁ……って!?」
ようやく独り言をぺらぺら話し続けていたことに気づいた霞は俯き、視線を逸らした。
「……白果は、何も間違ってないからな。だから、これからも白果らしく居てくれ。それだけで嬉しいからさ!」
霞は時々、白果をドキッとさせてくる。こくっと頷いた白果は霞の肩に頭を乗せてしばらくの間動かなかった。
後書き。
自転車並走にあまりにも腹が立ったから
自転車並走が前にいる時に思いついた物語です。
まだ、発散し切れないので次は絶対に事故らせます。絶対に。
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