コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
.
次の日、迷惑にならなそうな時間帯に(名前)の家へと向かった。
「倫太郎くん、ごめんね。なんか今日も体調悪いらしくて」
「そうなんですね」
まだ、あと三日ここにいれる。
一日でも、一時間でもいいから話せたらいいな。
そう思いながら、またコンビニでチューペットを買って帰った。
その次の日、俺はまた(名前)の家のインターホンを押した。
「…ごめんね、今日も体調悪いらしくて。あの子部屋に篭りっきりで」
「大丈夫です。何度もすみません」
帰り道、俺はまたコンビニでチューペットを買った。
あと二日ある。大丈夫。
次の日、俺はまた(名前)の家のインターホンを押す。
「倫太郎くんー、本当にごめんねー!今日も体調悪いって言ってて。もうすぐ兵庫に帰っちゃうよね…」
「いや、あと一日あるんで。明日の昼には帰るんですけど…明日も来ていいですか」
「もちろんよ!少しだけでも顔合わせなさいって(名前)にも言っとくわね!」
「ありがとうございます」
俺はまた帰りのコンビニでチューペットを買った。
ゴミ箱にチューペットのゴミが溜まっていくばかりで、ひたすら(名前)と話せない日が続いた。
次の日も、(名前)の家のインターホンを押した。
(名前)のお母さんはバツが悪そうな表情をしながら口を開いた。
「ごめんなさい、倫太郎くん…(名前)に倫太郎今日が最後だから少しだけでも会えばって言ったんだけど、どこか行っちゃって」
「そう、なんですね。
…友達と遊びに行ったとかですか?」
「どうなんだろう。それが何も言わずに出ちゃったから」
「ありがとうございます。探してみます」
「ごめんね。またお正月とか帰省した時、来てね」
どこか行った。
その”どこか”の選択肢は、俺の中では一つしかなくて、そこに向かってみることにした。
.