コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
“ヴィオラ”という名前を捨てたのは8歳の時だ。
貿易商の父が、アゼべ国に武器を密輸した罪で裁かれ、死罪となった。
その翌年には心労で倒れた母が他界し、一人になった私は疎遠になっていた母の従兄弟の家へと引き取られ、ヴィオラという名前とともに“重罪人の娘”という身分を捨てた。
まだ幼かった私には、そうすることでしか自分の身を守ることが出来なかったから、その日から私は“エレノア”として生きている。
でもアッシュは、捨てたはずの私の本当の名前を知っていた。
どこで?いつ?なぜ?
簡潔に端的に聴きたくなるところをグッと堪えて、アッシュが逃げてしまわないように、静かに、そしてゆっくりと口にする。
「私たち、どこかで会ったことありますか?」
振り向いたアッシュのその目は、じっと私を捉えていて、しばらくの間、視********
*********
*********************
*****
****************************
****************
**************************
***************************