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れーん🌸
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rd side――――――――――
──翌日。
教室に入ると、いつも通りの声が飛び交っていた。
レウが大きな声で笑ってて、みどりがそれにツッコんでる。
コンタミは少し離れたところでスマホをいじってる。
何も変わらない朝の風景だった。
「おはよー、らっだぁ!」
「おー」
軽く手を上げて返す。
でも。無意識に一人を探していた。
「……きょーさんは?」
「まだ来てない」
みどりが答える。
「珍しくね?」
レウが言う。
「いつも一番早いのに」
「……だな」
(昨日の、あれ……)
“ちょっと寄るとこあるから”
その後、どうなったのか知らない。
連絡もしてない。
──その時。
教室のドアが開いた。
「おはよ」
いつも通りの声。
きょーさんだった。
「お、来た」
レウが笑う。
「遅刻ギリじゃね?」
「ちょっと寝坊」
軽く答えるきょーさん。
そのまま自分の席に座る。
何も変わらない。
……ように見えた。
(……いや)
よく見ると。
少しだけ目の下に隈がある気がした。
「大丈夫?」
「ん?」
「いや、その……」
また言葉に詰まってしまい結局──
「……なんでもない」
そう言ってしまった。
「なんだよそれ」
きょーさんは少し笑って、前を向く。
──また、逃げた。
自分で分かってるのに、止められない。
(……ちゃんと話を聞け)
昨日の手紙が頭をよぎる。
でも。
どう聞けばいいのか、分からない。
何を聞けばいいのかも、分からない。
結局そのまま時間だけが過ぎていってしまった。
──放課後。
「今日さ、どうする?」
レウが声を上げる。
「どっか寄ってく?」
「いいね」
コンタミが乗る。
みどりも「別にいいけど」と適当に返す。
いつも通りの流れ。
「きょーさんは?」
コンタミが聞く。
「……今日はいいや」
短い返事。
「また?」
レウが少し驚く。
「最近多いね?」
「まあ、ちょっとな」
曖昧に笑う。
「用事あるし」
「そっか」
深くは突っ込まれない。
そのまま話題は別に移っていく。
(……まただ)
胸の奥が強くざわつく。
“ちゃんと話を聞け”
“無理してるぞ”
手紙の言葉が、何度も浮かぶ。
でも。やっぱり踏み出せない。
「じゃ、俺先帰るわ」
きょーさんが立ち上がる。
「うん、またね」
レウが軽く返す。
そのまま何も止められずに。
背中が遠ざかっていく。
(……ダメだろ)
分かってるのに。
足が動かない。
結局、そのまま見送ってしまった。
──その夜
部屋に入った瞬間、もう分かっていた。
机の上に、封筒がある。
「……っ」
手に取る。
封を切る。
紙を開く。
そこに書かれていた言葉を見て、呼吸が止まる。
『そのままだと、あいつはいなくなる』
「……は?」
声が震える。
“いなくなる”
「……何言ってんだよ」
否定したいのに。
頭の中に浮かぶのは、今日のきょーさんの様子。
少しだけ疲れた顔。
曖昧な笑い。
何も言わないまま帰っていく背中。
「……っ」
紙を握る手に力が入った。
(俺、また何もしてない)
昨日も。
今日も。
気づいてたのに。
「……ふざけんなよ」
これはただの噂話じゃない。
もう、分かってる。
これは──
未来の俺の、後悔だ。
「……だったら」
顔を上げる。
「次は、間違えねえ」
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