第61話 「ずっと、一緒に」
促された通り、夏実と京輔は桜木家を出た。
二人で並んで、駅に向かう道を歩いていく。
「……お父さん、大丈夫かな」
京輔がふと、少し心配そうに言った。
毅然とした態度で父親と相対していた京輔。
あれだけ極端な考え方を持つ父にも、こんな風に気遣うことができる。
(この人は、やっぱりすごいなぁ……)
そう思いながら、夏実は頷いた。
「大丈夫だよ。たぶん……今、心の整理をしてるんだと思う」
言いながら夏実が足を止めると、京輔もつられて立ち止まる。
「ありがとう、京輔。今日はうちに来てくれて……お父さんと、色々話してくれて」
「……うん。またこうやって会えて、よかった」
「ごめんね……京輔のおかげで、また会えたし……お父さんに黙って従う自分を、ほんの少しだけ……変えることが、できたと思う」
父親に縛られていた夏実は、ただ従うしかできなかった。***************************
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