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「第四幕 最終章」 誓いの鐘
北塔の階段は果てしなく続いていた。
上るたびに鐘のある階の光が近づき、そのたびにカイラスの足音も迫ってくる。
「逃げ場はないぞ!」
銀の鎧が月光を反射し、塔の壁に光の筋を走らせる。
あなたは星槍を握りしめ、最後の踊り場で振り返った。
刹那、カイラスの剣と星槍がぶつかり、火花が散る。
力の差は歴然――だが、あなたは退かなかった。
ラシードが背後から加勢し、リュミエールが兄の剣を受け止める。
「なぜだ、リュミエール……お前は家を裏切ったはずだ!」
「違う! 私はこの島を救いたいだけ!」
カイラスの瞳が揺れた瞬間、あなたは星欠片を鐘の台座へはめ込む。
ゴォォン――
深い響きが塔全体を包み、銀月の加護が霧のように消えていった。
カイラスの剣が重くなり、膝がわずかに折れる。
ラシードが剣を振り上げるが――リュミエールがその腕を掴んだ。
「待って。兄は……もう戦えない」
沈黙の中、カイラスが膝をつく。
「……俺は、父の言葉に縛られていた。守るべきは島ではなく権力だと信じ込まされて……」
リュミエールの瞳が潤む。
「もういいの。戻ってきて、兄さん」
カイラスは剣を地に置き、深く頭を垂れた。
「……俺も戦わせてくれ。月殿を、倒すために」
その瞬間、ラシードも頷いた。
「仲間が増えるなら、大歓迎だ」
塔の窓から差し込む月光が、四人を優しく包み込む。
鐘は静かに揺れ、夜明けが近づいていた――。