テラーノベル
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「 貴方へ。 」
「 眠気と闘いながら、少女は長い眠りから目覚めた。 」
「 目覚めた少女は語る、ここはどこだろうと 」
執筆の手を止め、シーラは目を細める。
それは永久に近い物語で、何度もループしていた。
シーラは一息吐こうと、湯を沸かす。
最近のお気に入りは、スティックのカフェオレ。
今日は特別な日。
シーラは少し浮かれていたのだろう。
足取りは軽く、歌を口ずさんでいた。
花屋で花束を買い、道端で白詰草を摘む。
彼女の好きな花、彼女の好きな色。
シーラはご機嫌だった。
しかし、上機嫌は一気に不機嫌になる。
「ビ○ネッタが…ない…?」
彼女の好きなアイスケーキであるビ○ネッタが、生産終了していたのだ。
安くて美味しいケーキは、特別な日のお気に入りだったのに。
シーラは不機嫌ながらも別のアイスで我慢することにした。
さて、舞台は整った。
シーラは花を花瓶に飾り、アイスを頬張る。
今日は特別な日。
今日は、大切な日。
パチッ
眠気と闘いながら少女は目覚めた。
シーラを《《演じる少女》》は思い出した。
今日は本当に特別な日だと。
様々な資料を整理して、彼女は設定まみれの部屋から抜け出す。
別室の透明カプセルには、多くの管を繋がれた少女が眠っている。
顔立ちはどことなく、演者の少女に似ていた。
白髪を揺らす演者の少女は、カプセル越しに語りかける。
「 誕生日おめでとう、 『A-⚫︎…g-⚫︎……¿⚫︎*t』」
その声は、聞こえなかった。
眠気と闘いながら、少女は長い眠りから目覚めた。
そして語る。ここは何処だろうと。
そして、自分に向けてこう告げるのだ。
「誕生日おめでとう。『 』達。」
誕生日おめでとう、画面の前の『記入者』。
コメント
75件
詩的でいいね~
(っ’ヮ’c)ワア……???
この第4話、冒頭の「眠気と闘いながら少女は目覚める」というフレーズが、頭の中でループしてる感覚が気持ちよかったです。シーラがビ○ネッタの生産終了で不機嫌になるシーン、すごく人間味があって好き。そこから一転、カプセル越しの誕生日祝いと“聞こえなかった”声——演じる側と演じられる側の境界が揺らぐ構造、ゾクゾクしました。最後の「記入者」への呼びかけも含めて、この世界がどう成り立っているのか、続きが気になります。
seala @ 活動休止
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seala @ 活動休止
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