テラーノベル
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その日は、珍しくオフで集まっていた。
ローレン、不破湊、イブラヒム。
《ローレン、それ面白すぎだろ》
『でしょ? ここな、こうすると――』
[ちょ、近くね?]
『いいだろ別に』
ふわっちと肩を寄せ、イブラヒムと笑い合うローレン。
それを少し離れた場所から、葛葉は無言で見ていた。
「……」
普段なら気にしない。
仲がいいのも知ってる。
でも。
ローレンがふわっちの腕を軽く叩いて笑った瞬間。
葛葉の中で、何かが切れた。
「ローレン」
低い声。
『……ん? くっさん?』
「ちょっと来い」
『え、なに』
「いいから」
有無を言わせず、ローレンの腕を掴んで連れていく。
『ちょ、くっさん』
人気のない廊下。
『なに? どうした』
「……お前さ」
葛葉は一度、言葉を探すように黙った。
「ふわっちとイブラヒムと、距離近すぎ」
『は?』
「ベタベタしすぎなんだよ」
『いや、普通だろ。あいつらだぞ?』
「普通じゃねぇ」
『なんで?』
「……俺の前でやるな」
ローレンは目を見開いた。
『……嫉妬?』
「悪いかよ」
『くっさんが?』
「そうだよ」
『……』
「俺、怒らねぇ方だけど」
『うん』
「これはムカついた」
沈黙。
『……別に、そういう意味じゃ』
「分かってる」
『じゃあ』
「分かってても、嫌なもんは嫌」
ローレンは視線を逸らした。
『……束縛?』
「違う」
『じゃあなに』
「……独占欲」
ローレンが固まる。
『……重』
「悪いな」
『……くっさんらしくない』
「ローレン相手だからだよ」
しばらく、何も言わないローレン。
『……ごめん』
「……は?」
『そこまで嫌なら、やめる』
「……即答かよ」
『くっさんが怒るの、初めて見た』
「……」
『それくらい、俺のこと見てたってことでしょ』
葛葉は顔を背けた。
「……調子乗んな」
『でも』
ローレンは一歩近づく。
『俺は、くっさんだけでいい』
「……」
『ふわっちもイブも仲間だけど』
『一緒にいたいのは、くっさん』
葛葉は溜息をついた。
「……ずるい言い方」
『事実』
「……もう怒ってねぇ」
『早』
「最初から長引かせる気ねぇし」
『……仲直り?』
「……あぁ」
ローレンは小さく笑った。
『じゃあ、戻る?』
「……いや」
『なに』
「少し、ここいて」
『……はいはい』
二人並んで壁にもたれる。
遠くから声が聞こえる。
《ローレンー?どこ行ったんだよー!》
[また葛葉に連れてかれてんじゃね?]
ローレンが小さく笑う。
『……バレてる』
「うるせ」
『でもさ』
「ん」
『怒るくっさん、ちょっと可愛かった』
「は?じゃあもう 二度と怒らねぇ」
『嘘だ』
「……ローレン限定だからな」
『……それは、嬉しい』
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