テラーノベル
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注意事項
〇政治的・戦争賛美の意図はございません。
〇全体的にコメディーです。
〇ちょっとキャラ崩壊してます。
〇謎テンションによる謎が入り混じってます。
〇ホワイトデーとは、作者にとって非常に縁遠いものなんです。
〇22日ぶりですが、ご安心ください。生きてます。死にかけてましたが、生きてます!
〇1周年につきましては、今度お話させていただきます。
以上の事を御理解の上、本作品をお楽しみ下さい。
「なんで、こうなったんですか……?」
日本の手元にあるのは、初めのたった一本の物からは想像できない“何か”。
事の始まりは、たった数時間前。
たまたま廊下の隅で拾ったたった一本のネコジャラシだった。
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ーーネコジャラシVsロシアーー
廊下を少し歩くと、ロシアが何やら日本の方へ近づいてきた。
「日本!そのネコジャラシをくれ。外に猫が…!」
普段の無表情なロシアからは想像がつかないが、目がこれまでにない程に輝いている。
こう見えても、ロシアは無類の猫好きであった。
「は、はぁ。こんなものでよければ」
気の抜けた声を出しながら、日本はロシアへネコジャラシを手渡した。
その時、日本の両手にずっしりとした“何か”が乗せられた。
「代わりに、それやるよ」
それだけ言って、ロシアはそそくさと、少し浮足立ってどこかへと消えた。
「何故、マトリョーシカ……?」
そんな事を呟きながら、中からカチカチと不気味な音の聞こえる、頭一つ分程の大きさのマトリョーシカを抱え、日本は歩き出した。
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ーーマトリョーシカVsアメリカーー
ロシアから貰ったマトリョーシカを抱えながら、「重い」、「怖い」、「何これ」なんて事を呟いていると、何やら元気な声が聞こえてくる。
「Hey,Japan!その不気味な音がするのはなんだい?!」
アメリカだった。
「えぇっと……、たぶん……、マトリョーシカ(?)です」
日本がそんなあやふやな回答をすると、アメリカはそれを笑い飛ばした。
「マトリョーシカだって?!なんのジョークだよ!それじゃ、中に時限爆弾でも入ってるようにしか見えないだろ!」
豪快に笑うアメリカが、サングラス越しに日本の抱えているマトリョーシカをマジマジと見つめると、半ば強引にそれを奪い取った。
「こんな危ないモンは俺が預かるぜ!代わりに、これやるよ!」
そう言ってアメリカは元気にどこかへと向かった。
「なぜ、ハワイアンピザ……?」
そんな事を呟きながら、妙に大きなハワイアンピザの乗った皿を抱え、日本は歩き出した。
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ーーハワイアンピザVsイタリアーー
アメリカに押し付けられたハワイアンピザを抱えながら、「重い」、「匂う」、「なんで?」なんて事を呟いていると、何やらズンズンと歩く足音が聞こえてくる。
「ヴェェ!!日本?!それ、ハワイアン?!」
猛烈な勢いで駆け寄ってきたイタリアは、日本の抱えるピザを見て怪訝そうな表情を浮かべて絶叫した。
「えぇっと、アメリカさんに頂いたもので……」
イタリアの絶叫に日本は気圧されながらも、なんとか受け答えをする。
「アメリカは悪魔に取り憑かれたんね?!もう、信じらんないんね!!嘆かわしい、なんて嘆かわしいんね!!」
嘆き叫びながら、イタリアは日本の手からハワイアンピザを皿ごと奪い取った。
「こんな不浄なものはioが処分しとくんね。代わりに、これあげるんね!」
そう言って、イタリアは日本にラップに包まれているのに匂いの強いそれを渡して去っていった。
「なぜ、ゴルゴンゾーラ……?」
そんな事を引きつった表情で呟きながら、ラップに包まれたゴルゴンゾーラを抱え、日本は歩き出した。
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ーーゴルゴンゾーラVsイギリスーー
イタリアに持たされたゴルゴンゾーラを抱えながら、「臭い」、「激臭」、「嗅覚が麻痺してきたかも…」なんて事を呟いていると、いかにも紳士(笑)の声が聞こえてきた。
「日本さん…?なんですかそれは?随分と、独特な好みのようで……」
鼻をつまみ、眉間にこれでもかと言うほどシワを寄せているのは、イギリスだった。
「あ、イギリスさん。これは、イタリアさんに持たされたゴルゴンゾーラです…」
引きつった表情を隠せずに苦笑いを浮かべる日本に、イギリスは特大のため息をついた。
「イタリアの奴め…。日本さん、そんなモノを持っていては貴方までとんでもない匂いになりそうですから、これは私が突き返しておきましょう」
イギリスはそう言うと、ハンカチで鼻を覆いながら、まるで劇物でも触るかのように指先だけでゴルゴンゾーラを取り上げた。
「代わりと言ってはなんですが、これを差し上げましょう」
そう言って、イギリスは『何か』を日本にそっと手渡して立ち去っていった。
「なぜ、イギリスさんお手製のイギリス料理……?」
そんな事を引きつった表情で呟きながら、鍋に入った紫色のイギリス料理を抱え、日本は歩き出した。
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ーーイギリス料理Vsドイツーー
イギリスに渡された紫色のイギリス料理を抱えながら、「紫色」、「何これ」、「嗅覚が完全に機能しなく…」なんて事を呟いていると、いかにも慣れ親しんだ声が聞こえてきた。
「日本。待て、早まるんじゃない。命は大事だぞ」
ほんの少し焦った声を出していたのはドイツだった。
「あぁ、ドイツさん。大丈夫ですよ、ただのイギリス料理です」
もうすでに目が虚ろになってしまった日本に、ドイツは心配しているようだった。
「いや、『ただの』で済まされるものではないだろ。これは俺がイタリア(サボリ魔)に説教ついでに食べさせるから、お前は触るな」
ドイツはそう言うと、わざわざゴム手袋をはめて、マスクをつけ、日本の手からグツグツという音を鳴らす料理(?)を没収した。
「日本、これをやるから、意識をしっかり保て」
そう言ってドイツは日本に、古い紙の良い匂いのするそれを持たせてイタリアを探しに行った。
「なぜ、グリム童話ハードカバー全集……?」
そんな事を虚無に近い表情で呟きながら、腰と腕が砕けそうなグリム童話ハードカバー全集を抱え、日本は歩き出した。
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ーーグリム童話全集Vsフランスーー
ドイツに貰ったグリム童話全集(ハードカバー)を抱えながら、「重い」、「重すぎる」、「なんで重いの?」なんて事を呟いていると、軽快な足音が聞こえてきた。
「ノン、日本!そんな青い顔して、何持ってるの?」
華やかで自信たっぷりなフランスの声だ。
「あぁ、これは、ドイツさんから頂いたグリム童話です」
最早腕の感覚など消え失せ、膝が笑っている日本に、フランスは肩をすくめた。
「そんなの、君には重すぎるだろ?大切なのは重い知識なんかじゃないって、ドイツはいつになれば気づくかね?」
そう言ってフランスは、日本の両手から軽やかに馬鹿ほど重いグリム童話を奪い取った。
「これは、jeが最高の夜のために使おうと思っていたけど、日本にあげるよ」
日本の手にポイとそれを渡すと、フランスはウィンク一つ残して去っていった。
「いや、なんで高級入浴剤……?」
ふんわりと薔薇の香りのする、軽いそれを持って、日本はやっと会議室に足を踏み入れた。
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ーー入浴剤Vs国際連合ーー
フランスに半ば押し付けられた箱入り入浴剤を抱えながら、「もう驚きません」なんて事を呟いていると、案の定、会議室で資料をまとめていた国連に声をかけられた。
「日本さん?その手に持っているものは……。いや、と言うより、大丈夫ですか?」
日本の抱えている入浴剤やらなんやらと、色々と国連も聞きたい事とツッコミたい事が渋滞しているようだが、あまりにも日本の顔色が悪いもので、心配が勝ってしまったらしい。
「国連さん……、私は大丈夫ですよ!」
乾ききった笑顔を浮かべる日本の肩を国連はそっと掴み、首を横に振った。
「大丈夫じゃないじゃないですか。会議までは時間がありますし、せめて。せめて!仮眠室でお休みください!一応、これはお預かりします」
国連はそう言うと、日本の抱えていた高級入浴剤をそっと受け取って、日本を仮眠室へ押し込んだ。
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ーー安眠Vsーー
先程まで箱入り高級入浴剤を抱えていた日本の手には、暖かな布団がある。
「なんで、こうなったんですか……?」
初めは、たった一本のネコジャラシ。
だと言うのに、今手元にあるのは布団。おかげで日本は安眠直前だ。
「日本ー!!」
そんな声で、日本の睡魔はどこかへと消え去っていった。
日本の安眠は、まだまだ先らしい。
【完結】