「んん〜!いい風〜!」
「涼しいですね」
『敦さん、任務です』
「え?敦?」
『太宰さんのオペレーターが云っておりまして』
「ありゃりゃ……まぁいいか……」
「……それで、任務は?」
『私達、” bun “ から逃げ出した者を、』
『捕らえてください』
「……へぇ……」
「面白そうじゃないか」
「オペレーターさん!私もやっていいかい?」
『……宜しいですよ』
「やった〜!」
「それで、その逃げた奴というのは?」
『この方です』
「あ!初代機械体だ!」
「初代……なんですね」
表示された機械体は、
橙色の髪をした、若めの少年だった。
「特殊ですね。橙色なんて」
「名前は?」
『T235・1016です』
「谷崎潤一郎くんか!」
「た、谷崎?」
「私達と同じ様に名前付けた!」
「あ、はは…………」
『では、谷崎潤一郎さんを捕らえてください』
「ノリいいなぁ〜……」
ー 廃病院 ー
「何此処、こわぁ〜……」
「一寸……入りたくないですね……」
「谷崎くん、よくこんな所に住むなぁ〜……」
『生命反応、多数』
「え?」
「……人間か」
「まだ、生きてたんですか……?」
「んまぁ〜、多少は生きてるでしょ」
「オペレーターさん、数は?」
『確認、数、谷崎さん含まず、七人』
「六人……か……」
「多いな」
「……誰か来たな」
「闘うの?面倒くさ〜」
「戦闘は僕にお任せ下さい!」
「機械生命体だったら解体し放題だねぇ〜!」
「あまり暴れすぎないようにして下さいね」
「夜叉、闘うかもしれない。出て来て」
「にいさまぁ〜♡」
「ちょっ、一寸……闘うかもだから……」
「異能を持った人間がいるな」
「面倒臭いですね」
「夜叉白雪!!」
「おっと……」
「随分なご挨拶じゃないか」
「僕達は闘うつもりはありません」
「話し合いましょう」
「……分かった」
「まずは自己紹介をしよう。私は福沢諭吉だ」
「僕は江戸川乱歩」
「与謝野晶子。アンタら、機械何だよなァ?」
「そうですけど……」
「じゃあ解体し放題じゃないか!」
「ちょ……この人スキップして……」
「僕は宮沢賢治です!」
「……泉鏡花」
「国木田独歩だ」
「谷崎ナオミですわ!」
「谷崎潤一郎」
「あれ?谷崎潤一郎?」
「太宰さんが作ったやつじゃ……」
「え?僕の名前だよ?」
「あれ……」
「……嗚呼……」
何かを察した様に、谷崎さんは首を傾けた。
「僕、一回bunに捕まった、」
人間なんだよね。
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