テラーノベル
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目の前の背丈の高い人間は、まるで塵でも見るような目で
私のうざったい程美しく邪魔に育った純白の羽を乱暴に掴んだ。
地面の湿りが生暖かく、懐かしい。
汗が額を伝った。吐き気がした。
心底嬉しそうな生暖かい笑顔で私を
見送ったパパとママの顔が、目眩がするように
頭蓋の中でフラッシュバックした。ああ、懐かしい。
懐かしいったらありゃしない。手に掛かった手錠は、驚く程に硬く、
知らない誰かが胡散臭く握手をし、
他人に岩に彫らせたクソ岩のように硬く、
私の目眩をさらに悪化させる。
気づけば人間の足音が止まり、
擦り切れる天使の足裏の音も少し遅れて止まった。
天使につけられた口枷は、まるで尻尾の皮1枚で繋がれた奴隷のようだった。
だが、そんな事はない、
そんな天使の戯言が、本当に成ればどれほど良かったのだろうか。
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