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いのちはひとつしかないから。

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いのちはひとつしかないから。

1 - あなたの笑顔が見たいから

♥

31

2025年01月11日

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※一次創作

※6000字を超えています .  時間に余裕がある際に読むことをおすすめします .

※正しい日本語を使えていない部分あると思います . ご容赦ください .

※誤字脱字注意








  • 紹介


主人公

名前 : 相模 琴 ( Sagami Koto

年齢 : 21

役職 : 南家当主


配偶者

名前 : 相模 一 ( Sagami Hajime

旧姓 : 緋月 一 ( Hizuki Hajime

年齢 : 24

役職 : 琴の専属護衛


秘書

名前 : 梅

年齢 : 21

役職 : 琴の秘書



名前 : 水面 羅白 ( Minamo Rahaku

年齢 : 50

役職 : 西家当主


名前 : 日和 ( Hiyori

年齢 : 15

役職 : 相模家侍女


  • 背景


国について



刻 ( とき という国は、

北家 、 東家 、 南家 、 西家 の四家によって統治されている。

相模家は、南家。

南家は、西家との仲が悪く、先日変わった当主のこともあり、余計に関係が凍えている。


  • 人物関係


琴と一は、夫婦である。

一が琴に嫁いだため、地位的には琴の方が上。

互いにあまり深くは関わらないが、互いを信頼しあっている。

















琴 視点


最近、更に西家との関係が悪くなっている。

元の当主はまだ話がわかるやつだったが、娘が消えた悲しみで自害した。

そして、現当主は、わたくしを幼な子だといい、舐めているのは承知の上だが、一向に文を返してくれない。それは話が変わってくる。

先日は、山に化け物が出た件もあり、南家は騒然としており、こちらの件など後回し。


琴「私がもっとしっかりしていたら良かったのだがな、」


この現状の解決策を考案することができない自分に腹が立つ。


日和「当主様、そろそろお休みになられてはいかがですか?もう何時間も机と睨めっこをされてらっしゃいます。」


彼女は日和。最近私の侍女になった子だ。

懸命に働いてくれているし、信頼している。しかし、時折呆けた様子で壁をジッと見つめるときがあるため、休憩が必要かもしれない。


琴「私は大丈夫です。それより日和、先程山への調査に行かれた護衛の方々が帰ってこられていましたが、何か言っていたしたか?」


日和はハッとして私を見る。


日和「そうでした!後ほど当主様へご報告に向かうとおっしゃられていたのでした!すっかり頭から抜けていました…」


やはりこの子は抜けている。


琴「大丈夫ですよ。こういうところも日和の良さですから。しかし、このようなミスを減らしていけると私としては、仕事がしやすいです。」

日和「…..善処致します…」


「まぁ、そのゆるさが日和の良さですよ」と付け加えて私は言う。







何日かたったある日、私の専属護衛である一が慌てた様子で現れた。


一「当主様。お急ぎの用事となります。よくお聞きください。」

一「西家の者が南家領土に攻め入り、西家近くの村が襲われております。」

琴「 …!」

一「山の調査をしていた、残りの護衛らを向かわせました。」

一「私は、あなたの専属護衛であるため、この場にいる方が最適かと思われます。しかし、私が現場に向かうか、ここに待機するかはあなたに任せたいのです。」


…本当なら向かわせるべきではない。

私の身を守ってくれる者に、この人以外の適任はいない。しかし、今の軽装備の護衛たちに、西家の者を倒せるはずがない。無駄死にだ。


琴「…現場へ向かってください。私はここで待機します。」

琴「護衛については、こちらでなんとかいたします。」

一「…承知いたしました。」

一「なにかあったら、必ず私をお呼びください。あなたの元へ、一番に駆けつけます。」

琴「はい。どうかお気をつけて。」


一は一礼して部屋から出て行った。


琴「日和、屋敷にいる侍女をみな接待室へ待機させておきなさい。」

琴「万が一なにかあったときのために、彼女たちの命は取らせてはいけません。」

琴「そして、女房と秘書を私の部屋へお呼びください。」

日和「御意。」



どうしたものか。

私のせいで、南家が攻められている。もっと私がしっかりしておけば、もっと早く解決案を提案できれば、もっと私に知識があれば。


…過去のことを恨んでもしょうがありませんね。

今はこの現状について、どうするか考えなければ。

最悪敵が攻めてきても、私や秘書、女房は剣術を習っていたこともあって、自身の身は守れる。

しかし、侍女たちはどうするか。彼女たちは学ぶ場を与えられないため、剣術などしらない。

そして、私は彼女たちの身までは守れない。


琴「どうしましょうか…」




しばらくして戸が開く


女房「失礼致します。」

秘書「…!当主様、目の下のクマが酷うこざいます。少しお休みになられては…」

琴「私は大丈夫ですよ。ご心配なさらず、」

琴「急に呼んでしまいすみません。少し相談したいことがあるのですが、良いでしょうか?」

女房「もちろんでございます。」

秘書「私たちで応えられるものであれば、いくらでも構いません。」


琴「…もし、万が一です。今向かっている護衛たちが敗れ、敵が相模家に攻めてきた場合。私たちは自身の身は守れます。しかし、侍女たちはどうでしょう。彼女たちは弱い。逃げ惑うことしかできません。」

琴「…しかし見殺しにするなどもっての外。どうして守ろうかと、そう考えているのです。」

秘書「…そうですね…私が、守れるのならお守りしたいですが、、」


やはり難しいか、無理なら私が引き受けると口をひらこうとした時


女房「それなら私がお守りいたしましょう。」


そう女房は言った。


琴「しかし、お前は自分のことをしっかり守れるのですか…、?」

女房「当主様、私は日々努力しているのです。前の私とは思わない方が良いですよ。」

女房「しばらく休暇をいただいたとき、護衛の皆様に秘密で稽古をつけてもらっていたのです。」

女房「ですから、、私は侍女たちの身を守ることくらい、造作もないのです。」


秘書「それは休暇ではない。」

琴「…秘密で稽古をつけてもらっていたのは引っかかりますが、侍女を守れるのであれば、文句はつけられませんね。」

琴「どうかよろしくお願いいたします。 」

女房「はい、では、私は侍女の待っている接待室で待機をいたします。」


失礼致します、そう一礼して出て行った。

彼女は私の知らない間に強くなっていたようだ。


琴「…梅。ごめんなさい。」

梅「なぜ謝られるのですか。何も謝ることはありません。」

琴「お前の大好きな南家の街が、よそ者によって、壊れています。」

琴「お前の大好きな南家の民が、怯えて逃げ惑っているのです。」

琴「こんな風になってしまったのは全て私の責任であり、私が背負うべきことです。」

梅「それは…っ、」

琴「…ひと段落したら、一軒一軒謝りに行かなければなりませんね。そのときはついてきてくださりますか?」

梅「ついていきます。もちろんでございます。」

梅「…しかし、これは当主様一人の責任ではございません。」

梅「あなた様が一人で抱え込む必要はないのです。これは私があなた様ののお役に立たなかった、私の責任でもあるのです。」

梅「だから、これ以上自分自身を卑下しないでくださいませ。どうかお願いです。」


深々とお礼をし、梅はそういった。


私は本当に素敵な秘書を持ったものだ。


琴「梅、ありがとうございます。」

琴「今回は、あなたの言葉に甘えてしまいます。」


トントンと、戸を叩く音が聞こえる。


琴「何用ですか。」

日和「日和でございます。少々お話ししたいことがあって、お伺いいたしました。」

琴「入って良いですよ。」


変に緊張した様子で、日和は部屋に入ってくる。


琴「それで、話したいこととは?」

日和「えっと、あの…」


梅の方を時折みながら、戸惑った様子で下を見ている。


琴「…日和。すみませんが梅を退出させることは難しいので、後ろを向いて、耳を塞がせた状態であったら話せますか?」

日和「…はい。 」

琴「わかりました。では梅。」

梅「御意。」


梅が後ろを向き、手で耳を塞ぐ。


日和「ありがとうございます。」

琴「いえ。改めて、お話ししたいこととは?」


日和「あの、当主様は、前西家当主の姫が消失したことについてはご存知ですか?」

琴「もちろん。侍女と街へ出掛けていたところ、急に姿を消した、と聞いております。」

日和「はい、私もそう聞いています。」

琴「それがどうかしたのですか?」

日和「…本当は、消失したのではなく、意図して逃げた可能性があると思っているのです。」

琴「…意図して…?それが本当なら、なぜそのようなことを彼女はしたのでしょうか?」

日和「…きっと、疲れたんだと思います。日々のお稽古や、両親からの重圧に負けてしまったのではないか、とそう思っています。」

琴「…なるほど、一理あるかもしれませんね。」

琴「しかし、なぜ急にこのような話を?」

日和「当主様はもう気がついていらっしゃるのでしょう?」


日和「私が、西家第一が姫。水面 揺ということを。」


水面 揺 ( Minamo Yuragi 前西家当主の娘、西家長女である。


琴「…恐らく、でしたがね。」

琴「…私が貴方と会っていなかったら気がついていなかったでしょうけれど。」

揺「私がなぜ逃げ出したか、理由は知りたくありませんか?」

琴「貴方が先程言っていた、疲れたから、ではないのですか?」

揺「…まぁ、3割程度は。」


揺は私の方へ近寄りながら話す。


揺「残りの7割はね」


揺「”貴方の暗殺を頼まれたからなんです。”」


彼女はそういって、梅の腹をかんざしで刺そうとした。先に邪魔者を消そうと思ったのだろう。

しかし、私は彼女を庇い、日和に刺された。

梅は危機を察知し、すぐ後ろを向いた。


梅「当主様…っ 」


梅は一瞬刻が止まったように、固まったが、すぐに状況を理解し、日和を縛った。

そして、私の方へ向かい、 目に涙を溜めた状態で、あふれでてくる血を抑えている。



梅「当主様、当主様。気をしっかり保たれてください!!」

梅「…私が私が…当主様を…」

梅「…当主様…?ダメです!目を開けてください、当主様!!」


薄れていく意識の中、彼女の声と、後悔の音が聞こえた。


私はこうなることを最初から予知していた。しかし、私が入室を拒んでいたら、侍女達が殺され、私は自害してしまっていたでしょう。だからこの結果を選んだのですが、彼女を泣かせてしまった。私は死んでしまうのだろうか、しかし、彼女の手の中で死ねるのならば本望です。


そんなことを思って、私は意識を手放した。




一side



なんとか西家の軍を倒したところで、顔を真白くした女房が、私の元へ来て、こう言った。


女房「琴様が梅を庇って刺されました。意識がありません、すぐに私と一緒に向かってください。」


彼女はいたって冷静だったようだが、私は冷静ではいられなかった。

彼女は自分の命よりも、他人の命を優先する人間だと、私は一番知っている。


全速力で屋敷に戻ると、床に伏している琴と、懸命に看病している梅。縄に縛られ、侍女に監視されている日和がいた。


一「琴…!!」

一「…っ…頼む…死なないでくれっ、私を1人にしないでくれっ、!!」


目の前が涙で溢れ、琴の顔が良く見えない。

いや、今は見たくない。彼女が死んでしまうかもしれないということを、私は考えたくなかったから。



少しして、私は冷静さを取り戻してきた。

女房が私に話しかける


女房「旦那様、当主様が起きるまで、ずっとここで見守っておられますか?」


そんなの選択の余地などないだろう。


一「当たり前です」


…なぜ私は怒っているのだろう。

彼女が自分を犠牲にしたから?

女房に当然のことを聞かれたから?

侍女が彼女を刺したから?

…違う。私は私自身に怒っているのだ。


彼女を守ると宣言し、彼女の専属護衛になったのに、彼女を守れず、彼女の大事なものを彼女自身で守らせ、私は彼女の元を離れていた。


私は旦那失格だ。自分の愛する者ただ1人さえ守れずどうする。

彼女に誓ったではないか…。


彼女が起きたら、彼女にいっぱい謝らないと。そして、沢山叱ってもらって、でもなんだかんだで仲直りする。


私は高望みし過ぎだろうか…。

いや、彼女が私にいつも通りに接してくれることを願って何が悪い。

なぁ神様。私たちに、どうかよくしてはくれないだろうか。声を聞いては頂けないだろうか。

そう思いながら、彼女の手を握った。












突然戸が開く。

「当主様がお目覚めになられました‼︎」



一「琴…っ、琴、!」

琴「琴ですよ。」

一「生きてる、生きてる…!」

琴「はい、琴は生きております。」

琴「大変、ご心配をおかけしてしまいましたね。」

一「本当ですっ…私が、何日眠れずにいたとお思いですか、っ」

琴「一は泣き虫ですからね、3日とか? 」

一「…正解です。」

琴「あははっ、正解でしたか。」

琴「…怒っていますか?」

一「……」

琴「すみません、私わかっていたのに、最善の方法が自己犠牲しかなかったのです。」

一「…わかっていた…?日和があなたを狙っていることを…?」

琴「はい、 雰囲気でなんとなく」

一「ならば、っ、なぜ私に相談をしなかったのですか…!?」

琴「あなたは心配して、日和をすぐにでも排除しようとするでしょう。」

琴「一、あなたは思ったより血の気が多いですからね。」

一「いや、さすがに、しないとは思いますが……あまりにも愚策です。」

琴「…すみません。でも大丈夫ですよ。私はいまここに…」

一「大丈夫ではありません‼︎」

一「君は、自分の命を軽く見過ぎだ…! 」

一「前、私が襲われた時もそうでした。いっつも自分ばっか傷ついて…苦しんで…」

一「私は君を守らなければいけないのに、全く守れていない、君の命は一つしかないのに!」

一「…私は、君が心配だ!君が傷つく度に、あぁ、なんで守れなかったんだろうと、後悔する…」

琴「…すみません。」

一「私は別に、謝って欲しいわけでは……」

一「…いえ、私の言い方が悪かったです。すみません。」

琴「…私はあなたの笑顔が好きです。綺麗な目が輝いて見える。」

一「…?」

琴「私は、その笑顔を守りたかったんです。だから、私が傷ついておけば、あなたは何も知らずに笑顔でいてくれると思っていました。 」

琴「でも、どうやらそれは違ったようですね。」

琴「あなたは思っていたより私のことが好きで、それでいて守りたくて、そして、私が傷つくたびに、あなたは苦しんでいた。」

琴「互いに守り合いたかったんですね、私たち」

一「…そうですね。君は男気がありすぎる。 」

琴「男気のある嫁は嫌ですか?」

一「…好きです。」

琴「知っています。」

琴「だから、笑ってください。」

琴「これから、私は自己犠牲をできる限り減らしましょう。そして、何かあったらあなたに第一に相談します。」

琴「たくさん、頼らせてください。 」

一「…もちろんです。何事も誠心誠意受け止め、君の求める回答ができるように努めます。」

琴「はい、頑張ってください。」

一「…こうやってまた丸めこめられるんですね。」

琴「わたしはあなたより もお話が上手ですから」

一「…今私のこと卑下しましたか?」

琴「いえ全く。」

一「聞いていましたよ、私は‼︎」

琴「あはは、怒らないでくださいよ笑」

一「大体君は…────」

琴「───────?」

一「────!」





やっぱり君は笑った顔が世界で一番美しい。


あなたの笑顔が大好きです。





こんな平和な日が、続けば良いですね。





─── 終 ───














皆様あけましておめでとうございます .

お久しぶりです . 風鈴です .


ほんと 、 何ヶ月ぶりだろう .

久しぶりに小説を書いて 、 スランプを感じた今日この頃でございます .


そして、初めて( ? )の一次創作です !!

2話に分けようとも思ったんですが 、 読み切りにしたかったので 、 1話で納めました .

6000字ですって … !

書くのも大変でしたけど 、 読むのも大変ですよね .

最後まで読んでくださってありがとうございます .


これからも気ままに投稿していくので 、 読んでいただけたら嬉しいです .

リクエスト等ございましたら 、 コメント欄にて受け付けております .

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