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これは前作『キンプリの恋愛事情』の続編ストーリーです。
まだ読んでない方続編から読んでみてください。
廉side
「みんなで遊園地行きたい」
大学三年生になって一ヶ月がたつある日の昼休み、海人が言い出した。
たしかにもうすぐゴールデンウィーク。どっかに遊びに行くなら気温的にもちょうど良いよね。
「え、みんなでってことは…トリプルデートってこと!?」そう言う岸さん。
「そうだよ、ゴールデンウィークのどっかで行きたいんだぁ」
「俺、最終日以外仕事。」
残念なことに俺はゴールデンウィークなど関係なく仕事がある職種だからみんなより尚忙しい。
「準主役取れたんだっけ??凄いじゃん!絶対見るわ!」そう紫耀が言ってくれる。
そうそう、久しぶりにメインキャラを演じることが出来たんだ。しかもオーディション!久しぶりなのに良く受かったなぁ。「んじゃあ、ゴールデンウィークの最終日、KP駅で!」
そして、ゴールデンウィーク最終日。
岸さんと一緒にKP駅に行くともう他のみんなが待っていた。
「あ、一番のバカップルが来た。」
「バカップルってなんや!バカップルって!」
「だって、手繋いでいと死ぬのかってってぐらい常に手繋いでるじゃん。」
俺らはそんなにしないと、紫耀が少し冷ややかな目で俺らを見る。
「いや、これは廉がやってきてることだから!」と自分はやってない主張をする岸さん。
すいません、手を繋ぐのは俺の方から無意識でやってます。ちなみに辞める気はさらさらありません。
「まあまあ、早く行かないと電車来ちゃうよ。」
ジンの一言で俺たちは切符売り場に向かう。切符を買って改札を通る。遠出するのはクリスマス以来。
俺らがホームに着いたところで電車が来た。俺たちはそれに乗り、終点まで席に座っておしゃべりをしていた。
改札を出て歩くこと約十分。KP市唯一の遊園地『L&《らんど》』に着いた。
いっつも思うんだけどホントに洒落た名前やな。まあ、俺とジンが好きな洋服のブランドだって『Re:Sense』やもんな。
まあ、気にしない方がいいってやつやろうなー。
遊園地のチケットは言い出しっぺの海人が手配済。俺らは行く前に海人にお金を払っていたからそのまま入場できた。
中に入るとまずこの遊園地の看板キャラである『ミスターくん』が出迎えてくれる。
「ねー可愛い〜紫耀、写真撮って〜」海人が早速ミスターくんに飛びつく。
紫耀は自分のスマホを取り出し、「はいチーズ」と海人とミスターくんの写真を撮る。
「どこから行くー?」とジンがマップを見ながら話す。
「俺、ジェットコースター乗りたい!」
岸さんのご要望により、初っ端からジェットコースターになった。岸さんが選んだのは回転があるタイプ。
まあ、いけるんだけど……朝から白ごはん三杯も食べなきゃよかった。
まあ、ご飯食べてから三時間経ってるからもう消化されてるでしょう!
……結局、吐きはしなかったけど、酔いました。
優太side
「廉、大丈夫そう??」
ベンチで休憩しながらみんなが戻ってくるのを待つ。
みんなはもう一個のジェットコースターに乗りに行ってしまった。
「うう……あれえぐいって……」
俺は廉の頭を撫でる。
「あんなに朝ご飯食べるから……」
「だってぇ…白ごはん美味しいんだもん……」
そう言って反省して小さくなる廉。
「しょうがないなぁ。」そう言って俺はしょげている廉にキスした。
「どう?気分良くなった?」
少しだけ顔色が戻った廉は「……まあ……」とぽつりと言うと、俺にキスし返してきた。
「今の仕返しな。」
そう言って廉はニヤッと笑う。
そのカッコいい顔に俺はやられた。
「あー!ジン、あそこで二人がいちゃいちゃしてるー!!」
「おい、具合悪いんじゃないのかー!!」
自販機で買ったのかお茶を二本手にしてやってきたのはジンと玄樹。
「ちゃうちゃう、ちゃんと具合悪いです。」
廉はベンチに全体重を預けて言う。ちょっとだけ顔色が良くなった気がするけどまだ無理そう。するとそこに紫耀と海人が何やら話をしながら来た。
「廉、まだ具合悪いのー?」と紫耀が廉の頭を撫でる。
「うぅ…ホントごめん」
「もうちょっとしたら良くなるんじゃない?お昼まではあんまり激しいものは乗らないようにしようよ。」
海人の意見にみんなが満場一致で賛成した。
数分後。
「どう?動けそう?」
顔色も良くなってきた廉に尋ねると廉は急に俺に抱きついた。
「んー。激しいもの乗らなければ多分大丈夫!心配かけてごめんなぁ、岸さんっ!」
俺は廉の背中をさする。
「みんなもごめんっ」と廉が謝る。
「いいよ、いいよ。良くなってよかった。」
紫耀が優しく答える。さすがモテ男。
廉が俺から離れて立ち上がる。病み上がりなのでまだ少しふらついている。俺も立ち上がる。
「廉、また具合悪くなるかもだから手、繋ご。」
俺は廉に手を差し伸べて言う。廉は嬉しそうに笑って俺と手を繋いだ。普通の手繋ぎじゃなくて恋人繋ぎ。
「バカップル……」
紫耀がぼそっと言ったけど、廉はスルーして「早く行こ〜」と嬉しそうに言った。
なんとなく一番近かったゴーカートに少し並んでから乗るとお昼ご飯の時間になってしまった。
お昼ご飯を食べに食堂に向かう。
「俺、定食頼んじゃおっかな。」メニューを見ながら廉が言った。
さっきまでぐったりしていたのが嘘のように元気だった。
「食べれるの?そんなに!」さっき具合悪くなったばっかりでしょ!?
「いける!いける!俺、今ごはん食べたいねんっ!!」
そうして廉は券売機にお金を入れてハンバーグ定食のボタンをポチッと押す。
うーん。俺は何にしよう。……蕎麦でいいや。好物だし。えーっと、七百円だから……っと。
「岸さんは蕎麦なん!?お腹空かん!?大丈夫!?」
さっき具合悪くなったのにも関わらずハンバーグ定食頼んだ君の方が怖いです。
「えー。だって…えー」と廉は店員さんに札を渡す。
俺らもそれに続く。席を取って待っているとお昼時だというのに早く呼ばれた。
「みんなそんなに食べへんのね。もぐもぐ。」
廉がハンバーグを美味しそうに食べる。それを俺らがガン見する。
廉は首を傾げた。「さっき具合悪くなったんじゃないの……」
不思議…と玄樹がつぶやく。
「やっぱ岸くんパワーかぁ。」とご飯を食べる紫耀。
海人は苦笑いをし、オムライスを食べ始める。
俺も蕎麦を食べることにした。五分で食べ終え、大好物である白米を美味しそうに食べている廉に言った。
「体調大丈夫そうだね。次、何乗りたい??」
すると廉は少し悩んでから「観覧車かな」と答えた。
「だってさ。みんなはどうする??」ジンがみんなに聞くと、紫耀と海人はもう一回ジェットコースター行ってから行く、とのことでここで一回別行動になった。
……ということで今俺と廉とジン、玄樹の四人は観覧車の入り口の方にいる。
「二・二でいこうやー」と廉からの提案で俺たちは二・二に分かれる。
もちろん俺は廉とペア。廉はいちゃいちゃできる〜と嬉しそう。
二人で観覧車のボックスに入る。スタッフさんがドアを閉める。その数分後に目の前に座っていた廉が俺の隣に来た。
「え、バランス悪くなるよ?」
「バランスも何も関係ないやろ。俺は岸さんの隣にいたいねん。」
そう言って廉は俺にキスしてきた。そしてニヤッと笑い、言った。
「ちゃんと言おうと思ってん。クリスマスの日、岸さんが言ってくれたことの答え。」
廉side
(本編第九話後半)
ベンチで休んでいる時。
岸さんは将来、俺と結婚したいって言ってくれた。
めっちゃ驚いたけど、それと同じくらい嬉しかった。
でも、俺は将来、俳優として活動していこうと思っていた。だから変な奴って思われるんじゃないかと思って『ちょっと考えさせて。仕事との兼ね合いもあるし……』と言っていいたんだ。
そしてマネージャーさんに全てを話して色々相談した。マネージャーさんも、バレることによって株が下がるかはわからない。でも、それをいけないとしている法律はない。だから気にしなくていいんじゃないかと言ってくれた。
俺は……岸さんとずっと一緒にいたい。
だから……
(戻って今)
「OKだよ。岸さん。だから……」
そして俺はショルダーの中を漁り、この日のために買った、婚約指輪が入った指輪ケースを取り出し蓋を開ける。ダイヤモンドが輝くそれを岸さんに差し出す。丁度、観覧車の頂上に着く。俺は言った。
「俺と、結婚してください。」
岸さんは驚いた顔をして「えっ…ホントに……??」と動揺する。
「だからいいって言ってるじゃん。」
俺は我慢出来なくて岸さんにキスした。
ますます動揺する岸さん。
「え、いや、だって……無理だって言われると思って……」
「言い出しっぺが何ゆーとるねん。」
嫌なの?と俺は聞く。そんなに動揺すること無いのにさ。
「嫌じゃない……俺も…廉とずっと一緒にいたい……」
なんや。一緒にいたいんやん。
「でも、しばらく…いや、大学卒業するまではみんなに内緒な。絶対、いじられるから。」
「わかってるよ!!いじられるからなっ!」
「あ、コメント泥棒〜」
「うるせっ!!」
俺と岸さんは何故か面白くなって大笑いした。
勇太side
玄樹とおしゃべりをしているとあっという間に戻ってきてしまった。
降りると出口にはもう岸くんと廉がいた。まあ、先に乗ったから当たり前か。
そしてやけに二人の間に近づきずらいオーラを感じる。
絶対なんかやったな。この二人。
…まーいーや。
「次、どこいく?」
俺はみんなに聞く。
玄樹は「二番目に乗ったジェットコースター乗りたい!あ、でも廉先輩が無理か……」としょげる。
「じゃあ、別行動にしよっか。俺たちちょっとゆっくりしてから行くから。」と廉は岸くんと手を繋いで行ってしまった。
玄樹とやっと二人っきり。
「ジン、行こっ!!」と玄樹に手を引かれ、俺はお目当てのジェットコースターに行った。
海人side
紫耀とジェットコースターに乗ってちょっと休憩しようとベンチに座っていた。
「疲れたぁ。こんなに遊ぶの久しぶりだよね〜。」
「わかるー!やっぱ年とったなぁ。昔ならこんなにすぐダウンしなかったのにー」
ジェットコースター行きたいって言ってよかった。紫耀と二人っきりになれた。
「あ。あれ……」目の前のアトラクションに姫花さんがいた。
多分新しい彼氏だろうか、男の人と一緒に並んでいる。
「やっぱもう作ってたんだー。こえーな、こういう人。」
「紫耀はフってよかったって思ってるの?」俺は気になって聞いてみた。紫耀は即答した。
「フって良かったとこしかないよ。束縛から逃れたし、それに……」
紫耀は俺の顔を見て言った。
「海人とこうやってずっと一緒にいられるからね。」
本当に俺の紫耀はカッコいい。
俺は少し間を置いて言った。
「大好き」
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