あの後、封魔が病院まで送ってくれた。感謝しかない。
病室に戻ってきた。封魔が帰った後、静かだった。
まるで世界から音が消えた様な、自分から音が亡くなった様な。そんな、感じだった。
ベットに座る。近くの壁には窓がある。その窓から見える星は…綺麗だった。
横になったのはいいけど、寝れない。でもな…寝ないとまた寝不足かって封魔達に言われるわ。
“今”はこれ以上心配かけたくないし、ちゃんと寝るか。
「おやすみ、」
誰もいない病室に、俺はそう言った。
「ん………朝、か」
朝日が窓から差し込む。夜も好きだが、早朝も好きかな。
そういえば、今日退院出来るんだっけ。嬉しいのか、悲しいのか。
確か早めに封魔達が来るって言ってたな。これも嬉しいのか分からない。
これで病院ともおさらば!とはいかないらしい。まだ治りきってないから、定期的に行くらしい。
うん!最悪だぜ!ヾ(๑╹◡╹)ノ”
そんな事を思っていると、封魔達と医者が来た。
なんか色々話をしてた。封魔達はめっちゃ真剣に聞いていたけど、全く話が入ってこなかった。
俺が聞きたくないだけかもな。これから消えるのに、そんな話聞きたくないだけなのか?
話が終わると、いつもの服に着替えて病院を出た。 取り敢えず入院生活おさらば!
これは素直に嬉しい。だって暇だし外出れないし徹夜出来ないし……最悪な期間だった。
帰り道、封魔や母さんは色々話してた。ガーレと月桜は楽しそうに聞いたり、ツッコんでた。
俺に結構話振ってきた。めちゃくちゃ適当に返したけどな。ま、いいでしょ。
久々に家に帰ってきた。懐かしい雰囲気が漂ってくる。
リビングに行くと、キッチンにいた一人のメイド、レーレイが駆け寄ってきた。
「あ!お帰りなさいませ!封悪様!!」
「あぁ、ただいま」
可愛らしい笑顔でそう、言ってくれた。少し癒されたかも。
俺は数週間ぶりの自室に戻った。何も変わってなくて、少し安心した。
部屋の扉を閉めて、机の引き出しを開けた。中には、小型の刃物類と絆創膏、包帯が入っている。
バレてなくて良かった。そう思いながら引き出しを閉めた。バレたら、どうすればいいか………
って、考えてちゃダメだ。俺はPCを起動させ、裏サイトを開いた。なんか場所増えてんな。
ともかく、場所も決まったし後は準備と時間だな。遺書だのなんだの用意しないとな。
後、時間か。いつ頃かって言うのも重要だ。昨日みたいに誰かに遭遇する可能性があるしな。
みんな時間とかどうしてんだろ。見てみるか……………………ふーん、やっぱ深夜多いな。
深夜って周りが見えにくいし、誰かがいる確率も低い方だ。昨日の事は……知らねぇよ。
ま、参考にはなったかな。
俺はPCをシャットダウンして、部屋を出た。
「……………無事に、消える事が出来ます様に」
封悪の消滅まで 後 6週間
コメント
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後6週間か…… 徹夜はほどほどにね〜