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エイリアンエイリアン/ナユタン星人
です!
「うわぁ、真っ暗!」
委員会の仕事で帰りが遅くなってしまった…
早く帰らなきゃ、もっと暗くなっちゃう…!
わたしは、街灯に照らされた道を歩いていく。
(街灯あるだけマシか…)
それでも、薄暗くて怖い…
こんな時に雨降って来たら最悪だなぁ…
……デジャヴ!
最悪〜!!
私は早足で歩く。
ビショビショ…もう手遅れ…
「ねぇ」
ビクッ!
ゆ、幽霊!?
わたしは恐る恐る、後ろに振り返る。
「あの、良かったら傘…」
と言って、傘を差し出す高身長男子。
少し長い前髪から覗いた瞳が赤く見えたのは、気のせいだろうか?
でも、そんなことより、何だか胸がウズウズする。
「ありがとうございます」
傘を受け取ると彼は走り去っていった。
なんだろう、この感じ。この感情。
ココロが何だか、震えるの。
……もしかして…これって。
「恋なのかも」
─翌日
「こ、ここのクラスかな…」
わたしは、想月 結心(そうげつ ゆな)。
ナユタン高校に通う1年生。
今、3年生の教室の前で1人、お弁当を片手におどおどしている。
先日の恩を返すべく、早起きして作ったお弁当を渡すために同級生に聞き込みをし、ここにやって来たのだ。
勇気を出せ、結心よ…!
赤い目で背の高い人知ってる?って聞いたら、すぐ来れちゃったな。
わたしの目は間違ってなかったみたい。
低学年でも名前を知ってるってことは、相当な有名人だったのかな?
…考えてても仕方ないんだけど〜っ
「あれ」
!?
この声…
「もしかして君…」
この顔…
「昨日の子かな?」
この瞳…!
「あっ…は、はい!」
わぁ…見れば見るほど綺麗だ…
「えと…昨日のお礼がしたくて…」
「お礼だなんて、大丈夫だよ」
謙虚だ…っ…
「いえ、受け取ってください!」
そう言って頭を下げ、お弁当を差し出す。
「えっ!…あ、あ…ありがとう」
戸惑いながらも先輩は受け取ってくれた。
目が泳いでる。
もしかして、お礼にお弁当とか変かな?
たしかにほぼ他人だよな…
名前だって…
「あっ、わたし、想月 結心って言います」
「俺は篠関 未空(しのせき みそら)。よろしくね」
「は、はい!」
篠関先輩…か
…あれ、わたし、借りた傘どうしたっけ
「あ、ああああっ!!」
「ビクッど、どうしたの?」
びっくりさせちゃった。スミマセン…
「借りた傘…傘置きに置いてきちゃって…」
「だ、大丈夫だよ。傘くらいさ」
優しい…!!
「あ、後でちゃんと返します!」
「はは、じゃあ、また後でだね」
…!また…後で…!!
「はい!」
……目、キラッキラ…
綺麗な赤で…まるでガラス玉みたい。
「……?」
「あっ…あの、先輩の目、綺麗ですね」
「え」
……急に気持ち悪いか…?
どう…しよ…?
「ありがと。でもそんなに…いい物じゃないよ」
「…?そうなんですか?」
先輩は瞳を隠すように目を細める。
こんなに、綺麗なのに。
「…ほら、そろそろチャイム鳴るよ」
「あ、それでは、また後で」
わたしは先輩に背を向け、歩き出す。
いやー、顔が熱い。
絶対赤いだろうなー。
これが恋?うわあ、青春じゃん。
…なんだろう、この胸騒ぎ。
ドキドキが止まらない。
おかしくなりそう。
なんだ、なんだろう、なんていうんだ?
この感じ。
恋なんて興味なかったのに。
わたし…わたし…っ
わたしは…
「うわっ、エイリアン何してんだよ〜」
…エイリアン…
そう、そうか、エイリアンだ。
人間を洗脳するように、先輩がわたしを好きになってくれるように…
わたしはエイリアン。
あなたの心を惑わせたい─