テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#だてこじ
午後11時過ぎ。
翔太はベッドに寝転びながらスマホを見つめていた。
「……別に。」
誰に聞かれたわけでもないのにそう呟く。
今日の仕事は早く終わった。
友達との予定もなかった。
だからいつもより少しだけ静かな夜だった。
——少しだけ、寂しい。
でもそんなこと認めたくない。
翔太はスマホを置いて目を閉じた。
その瞬間。
着信画面が光る。
涼太
その名前を見た瞬間、翔太は少しだけ口元を緩めた。
でもすぐに真顔になる。
「……なんだよ。」
そう言いながら電話に出た。
💙「もしもし。」
❤️「もしもし、翔太?」
💙「何。」
❤️「いや、声聞きたくなって。」
💙「は?」
即答だった。
涼太は電話の向こうで笑う。
❤️「冷たいなぁ。」
💙「暇なの?」
❤️「ちょっとね。」
💙「ふーん。」
会話はそこで止まる。
普通なら気まずい沈黙。
でも二人にとっては違った。
ただお互いの呼吸が聞こえるだけで安心する時間。
しばらくして涼太が言った。
❤️「翔太、今日元気なかった?」
💙「別に。」
❤️「そう?」
💙「そう。」
❤️「寂しかったとか?」
💙「はぁ!?」
思わず大きな声が出た。
💙「誰が。」
❤️「図星?」
💙「違う。」
❤️「ふふ。」
💙「笑うな。」
涼太はまた優しく笑った。
その声が少し悔しい。
なぜか全部見抜かれている気がするから。
❤️「でもさ。」
💙「ん?」
❤️「俺は寂しかった。」
翔太は黙る。
❤️「だから電話した。」
その言葉に胸が少しだけ温かくなる。
💙「……。」
❤️「翔太?」
💙「なに。」
❤️「今ちょっと機嫌直った?」
💙「知らない。」
❤️「直ったんだ。」
💙「うるさい。」
また笑う声。
本当にずるい。
翔太は小さく息を吐いた。
💙「……ありがと。」
❤️「ん?」
💙「電話。」
❤️「どういたしまして。」
優しい声だった。
翔太は目を閉じる。
さっきまで感じていた静けさが、もう嫌じゃなかった。
❤️「眠そうだね。」
💙「ちょっと。」
❤️「寝てもいいよ。」
💙「電話切るなよ。」
言った瞬間、翔太は固まった。
しまった。
素直すぎた。
数秒の沈黙。
❤️「ふふ。」
💙「笑うなって。」
❤️「大丈夫。」
涼太の声が柔らかくなる。
❤️「翔太が寝るまでいるから。」
その言葉を聞いた瞬間、翔太は安心したように目を閉じた。
💙「……じゃあ寝る。」
❤️「おやすみ、翔太。」
💙「おやすみ、涼太。」
電話は繋がったまま。
静かな夜の中で、翔太は少しだけ笑って眠りについた。
寂しさなんて、もうどこにもなかった。
コメント
1件
みぅです🖤 第1話めっちゃよかった…! 「寂しい」って認めたくない翔太と、それを察して電話してくる涼太の距離感が絶妙すぎる。 「電話切るなよ」ってポロッと出ちゃうところ、ガチで胸キュンした。普段ツンツンしてる分、ああいう素直な瞬間が刺さるんだよなあ。 お互いの呼吸だけで安心できる空気、すごく丁寧に描かれてて好きです。 続きが気になる…!