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~🖤~
阿部ちゃんの不倫現場を見てしまった俺は、誰にも思いを打ち明けられず、心がだんだん壊れていった。自分でも分かるくらいに、闇に取り憑かれていった。
自分は愛されていないとわかっているのに、阿部ちゃんを想う愛は潰えはせず、膨張していく一方だった。ついに俺は、
🖤「あいつを殺したい」
🖤「俺も死にたい…」
🖤「でもそれだけじゃ足りない」
🖤「そっか、阿部ちゃんと一緒に死ねばいいんだ」
🖤「来世で一緒になれば、俺も阿部ちゃんも幸せになれる」
🖤「みんな俺が殺してあげればいいんだ!」
そう思うようになった。俺はもうそこからのことは、何も覚えていない。
~💚~
気がついたら、薄暗い部屋にいた。
💚「あれ、ここ、どこ…?って、何だこれ!?」
俺は椅子に拘束されていて、全く身動きが取れない。頭が痛くて、脳が殴られているみたい。
🖤「あ、起きたんだ。おはよ」
その時扉が開いて、ひどく窶れた様子の目黒が姿を表した。
俺に微笑みかけているのか、口角が上がっている。ただその瞳は笑っていなく、爛々と輝いて血走っていた。
その姿は死神を思わせて、俺の背筋は凍った。
💚「っめめ!、がこれやったの!?やめて!」
🖤「やだ」
💚「っなんで…こんなこと…!」
🖤「なんでって、わかってるんでしょ?」
まさか、バレたのか?俺の複雑な関係が。
🖤「ほら、みてよ」
そう言って目黒が見せてきたのはスマホの画面だった。そこに映っているのは、俺と康二が愛しあっているところ。つい一昨日の事だ。
俺の顔からさっと血の気が引いた。その反応を楽しむかのように目黒は、ゆっくりと言葉を発した。
🖤「この前阿部ちゃんの部屋にさ、隠しカメラ置いてみたんだよ。そしたらね、こんなの映ってた」
そう言って目黒は懐から何かを取り出した。その手に握られていたのは、鋭い刃のナイフ。
💚「ごめんなさい!も、もうやらないから、ずっと蓮のことだけ見てるって約束するからっ」
🖤「あー。こう言う時だけ名前で呼ぶんだ」
💚「…っ!ごめん、ごめんなさっ、蓮…」
🖤「じゃあ、俺も名前で呼ぶね」
恐怖で怯えて啜り泣く俺の首に、蓮はナイフを突き付け、耳元で囁いた。
🖤「ねえ、亮平。俺のこと弄んで楽しかった?俺と康二くんの、どっちが気持ち良かった?」
💚「やめて…もうやだ…グスッ、蓮、やめて…」
🖤「どっちがいいか聞いてんじゃん…!」
蓮の怒りが爆発し、俺の左腕が宙を舞った。体を内側から引き裂かれる痛みに絶叫し、一瞬意識を失った。霞んだ視界は鮮血が飛び散って真っ赤になる。
💚「う”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
蓮は返り血と怒りで赤くなった顔で恨みを吐いた。
🖤「なんでっ、っはぁ、あんな奴が。どうして嘘ついたの。俺のこと、愛してるって言ったじゃん…」
💚「ううぅっ…、ぐぁぁっ」
🖤「ねえ、亮平、聞いてる?聞いてるの?言ってよ、愛してるって、亮平」
💚「っぐあ”ぁ、あぁい、して…る。…っくぅ」
俺がやっとの思いでそう言うと、蓮の顔が今度は悦びと興奮で赤く染まった。
🖤「ほんと!!じゃあ来世で一緒になろう♡」
と言って、悶える俺の横で蓮は嬉しそうにスマホを取り出した。誰かと通話しているようだ。
電話を切ったのか、首を傾げて蓮が俺に歪な笑顔で手短に言った。
🖤「もうすぐ康二くんがここに来る」
💚「っ!!康二を、どうする気!?はあっ、はぁ…。俺と来世で、一緒にっ、なりたいんでしょ?なら、殺すのは、俺だけでいいじゃん…」
🖤「亮平はわかってないなぁ…。あいつがどれだけのことを俺にしたのか、思い知らせてあげないとだよね?」
もう、駄目かもしれない。俺は後悔と自責の念に押し潰されそうになった。
次回に続きます。