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◇◇早川希輔◇◇
一ノ瀬菊
初めて見た時の行動から、今この俺のオフィスで話す内容まで
【危うい女】
だと感じる。
しかし、それがどこからくる危うさなのか、全く読めない。
俺の名刺を見て飛びついた女はこれまでにいたが、その雰囲気は全くない。
一ノ瀬菊の目は俺を見ていない。
名刺の肩書きも見ていない。
不動産売却だけを見据えているのだ。
だが、免許証を見れば、まだ1年目の新入社員の年齢だ。
何かがおかしい……何かがある。
ホテルで記入していた住所が本当に存在するのかどうか、すぐに調べた。
それは、東京では考えられないほどの敷地に建てられた邸宅で、周囲は閑静な住宅。
うちが手に入れたら、いくつもの利用法が考えられる好立地だ。
だから、俺が購入に向けて動くのは問題ないのだが…
「父親は亡くなったと言ったな。母親は?」
「もっと前に死んだ…短命家族だね」
なんだ、その引き攣った自嘲は…?
「きょうだいは?」
「いない」
だから大邸宅が菊一人の名義か。
「親戚は?」
名義はいいが、頼ったり相談する相手がいるだろう。
「……」
「はっ?睨むところか?親戚がどこにいるのか知らないが、この家を俺に売っていいのか?相談した風でもないだろ」
コメント
6件

親戚はと聞かれて睨む菊ちゃんが切ない…

皆金の亡者で菊ちゃんを大事に思う親戚が居ないのは辛い🥲親戚と思いたくない人が親戚だからね
危うい女、何かがおかしい そう思うよね希輔さん。 そ、ただ売却したいだけ。希輔さんの肩書きや容姿には全く興味なしです。 質問してる内容も当たり前?普通であるけど、菊ちゃんにとっては… なんて答えたんだろう?ワクワク そして希輔さんはこの未知なる一ノ瀬菊にどんどん嵌っていくのか…