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⚠︎︎ sy×kz / 🐻❄️×🌸
⚠︎︎ 年齢操作⚪︎
⚠︎︎ 学パロ
kz「ねぇsyー、さーむーいー!」
sy「kz…歩きずらい…。何より、 周りの視線が痛いから離れてよー…」
光陰矢の如し。季節はすでに晩秋を迎え、朝の空気は刺すように冷たかった。数ヶ月前まで蝉の声が響いていた通学路も、今では木々の葉が乾いた音を立てて足もとに散っている。白い息が、二人の間で絡み合い、すぐに風へと消えていった。
二人は並んで歩いていた。……いや、正確に言えば、kzが一方的にsyに擦り寄っていた。
kz「だって、syの体温のほうが 絶対あったかいもん。」
sy「まぁ理屈は分かるけど、歩きにくいってば…。」
kz「ねぇ、ほんと寒い!sy、あっためてー!」
sy「……kz、マフラーは?」
kz「忘れちゃったんだよ…! いいじゃん、ちょっとくらいっ──、」
その瞬間、syはびくりと肩を揺らした。
sy「…ッ、ぅわっ!?冷たっ、…!? マフラーん中に手入れてこないで!」
kz「っへへ、反応かわい~、笑」
悪戯に笑うkzの指先は、まるで氷のように冷たい。けれど、それを払いのけながらも、syは完全に怒ることはできなかった。頬を紅潮させて笑うkzの顔は、寒風の中で不思議と眩しくて───。冬の光の粒を纏うように、きらきらと輝いて見えた。
sy「…ほんっと、子供みたいな ことたまにするよね。kzって。」
kz「はぁー?寒いだけだし。それに俺、先輩なんだけどー!」
sy「はいはい。」
いつものやりとりに、吐く息が混ざって白く舞う。「ちゃんと聞いてないでしょ」と咎めてくるkzにsyは苦笑しつつ、足を止めた。
風が二人の間を抜けて、落ち葉を巻き上げる。冬の匂いがほんのりと鼻先を掠めた。
ふと、syは自分の首に巻いていたマフラーを外した。深いワインレッドの毛糸がふわりとほどけ、空気に体温の名残を漂わせる。
sy「じっとして。」
kz「え、なに────」
言い終えるより早く、彼の指先がkzの首元をそっと撫でた。ふわり、とマフラーが巻かれる。柔らかな布が頬に触れた瞬間、kzの呼吸が止まる。…syの体温と匂いが、直接触れてくる。
時間が、少しだけ、遅く流れている気がした。風の音も、人の気配も遠のいて、耳の奥で鼓動だけが響く。syの指が首筋をかすめるたびに、そこから静かな熱が広がっていった。
sy「……はい、これで我慢しな。」
kz「……っ、」
kzはそれ以上、何も言えなくなった。さっきまで煩かった口が、まるで嘘みたいに静まり返る。マフラーの中には、確かにsyの温もりが息づいていて、それが喉元から胸の奥へ、静かに染み込んでいく。
そんな様子のkzを見てか、syは不思議そうに首を傾げた。
sy「……あれ?急に大人しいじゃん。 」
kz「……別に。寒くなくなっただけ。」
sy「そっか、なら良かった。」
syはそう言って、口元に淡い微笑みを浮かべた。
こちらの、kzの気持ちなんて、彼は何 も知らないのだろう。ゆっくりと歩き出すsyの背中をぼんやり見つめながら、kzはそっとマフラーの端を握りしめた。そこに残る彼の温もりと香りが、どうしようもなく心臓の奥を擽った。
吐息は白く溶け、風に解けていく。syのマフラーに包まれたまま、kzの胸の内は、冬の朝には似つかわしくないほど、あたたかい熱を、温もりを帯びていた。