9話 神隠しもどき( 後 )
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?「 お前、的場一門の人間か?」
私( 誠司を知っている?でも何故?)
私「 的場一門?なにそれ 」
?『 主、この子供から祓い屋達の匂いがします 』
?『 この感じは…. 恐らく的場一門でしょう 』
私「 ! 」
?「 ほぉ、それは何とも幸運だ 」
グイッ
私「 痛 ッ 」
?「 何故嘘をついた?我々に知られては困ることでもあるのか ニヤッ 」
私「 ….貴方が神隠しもどきの元凶ですか?」
?「 フン、とうとう的場一門にまで依頼が言ったか 」
私「 ? 」
?「 如何にも、我々が神隠しもどきの実行犯だ 」
私「 我々? まさか式に命令して…. 」
?「 人間1人では不便なことが多いからな 」
?「 それに式なら主に仕えて当然なまでだ 」
私「 子供を誘拐するなんて犯罪ですよ 」
?「 誘拐だと?しっかり返しているではないか 」
私「 ….本気で言っています?」
?「 勿論 」
?「 その女を連れて行け 」
?『 かしこまりました 』
私「 は、離して ッ 」
その時、私は男の式に何かを嗅がされた
私「 ….ッ / ドサッ 」
私( 体が動かない….?)
?「 痺れ薬の一種だ。子供向けではないが 」
?「 少し移動してもらうよ 」
?『 寝ている子供はどうしますか?』
?「 外に出しておけ 」
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名取「 伊吹、伊吹 ~ ?」
的場「 やはり見つかりませんか 」
的場「 周一さん、紙人形は?」
名取「 いや、まだ反応は…. 」
七瀬「 おや?」
・
・
・
七瀬「 おい、大丈夫か?」
晴人「 ….もう目、開けていいの?」
七瀬「 ? 」
晴人「 あれ、お姉ちゃんは?」
名取「 お姉ちゃん?」
晴人「 うん、いぶきって言ってた 」
名取「 ! ….そのお姉ちゃんは? 」
晴人「 なんかおじさんとお話してた 」
晴人「 どこに行ったんだろう…. 」
的場「 七瀬さん、この子供を頼みます 」
七瀬「 2人で平気かい?」
的場「 平気だよね?周一さん 」
名取「 あぁ 」
的場「 それに雲行き怪しいですし ….母親を見つけ次第、どこか宿を探して下さい 」
七瀬「 了解した 」
的場「 行こう 」
名取「 …. 」
カサッ
名取「 ! ….紙人形が反応した、こっちだ 」
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?「 暫くは体が動かないだろう、ゆっくり眠っていなさい 」
私「 何故、こんな事をするんですか?」
?「 ….君は的場一門の人間かい?」
私「 いえ 」
私「 今日は誰かの付き人として来ました 」
?「 誰か、ねぇ 」
?「 一緒にいたのは的場一門の御曹司、的場誠司くんと秘書の七瀬さんか 」
?「 あのメガネのガキは、どこかで顔を見た事がある気がする 」
私「 ….貴方は祓い屋ですよね 」
私「 何故、こんな事をするんですか?」
?「 しつこいね、君も 」
?「 はぁ ….この遊園地に妖を封じた場所があるんだ 」
?「 その場所はどうも私ほどの妖力では入れない結界があってね 」
?「 入るには強力な妖力を持った人間か妖が必要なんだ 」
私「 ….祓い屋を呼ぶ為に、わざわざ神隠しもどきを起こしたと?」
?「 あぁ 」
私「 そんな事の為に一般人を巻き込んで、?」
私「 誰かに頼めば良かったじゃないですか 」
?「 落ちぶれた家門を誰が相手をする!」
?「 俺はもう廃業寸前の身だ 」
?「 見返りを求めない祓い屋などいる訳がない 」
私「 …. 」
見返りを求めない祓い屋
その言葉を聞くと、何故か 周一さんの姿が浮かんだ
私「 なら、私が力を貸します 」
?「 子供ができる事ではない 」
私「 最初から諦めているから誰も手を貸してくれないのでしょう 」
私「 私の妖力では足りませんか?」
?「 …. 」
?『 主、祓い屋2人がこちらに向かっています 』
?『 ご判断を 』
?「 ….場所を移動する、ガキを運べ 」
?『かしこまりました 』
私「 …. 」
・
・
・
私( ….あれ )
私( この辺り、何だか変な感じがする )
私「 そういえば 」
私「 周一さんと誠司が来る前に何か仕掛けをしていたとか…. 」
?「 何?」
名取「 伊吹 ッ!」
私「 周一さん、誠司 」
的場「 伊吹、彼らが神隠しもどきの元凶ですか?」
私「 え、まぁ 」
名取「 ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯…. 」
私「 周一さん?」
名取「 御前に動くは風にあらず 封じよ、そは彼らと非なるもの 」
?『 ぐぁ ッ 』
私「 あ ッ / ドサッ 」
私「 痛 ぁ、」
?「 チッ !! / 逃走 」
的場「 追うよ、周一さん 伊吹 」
私「 あ、私は置いてってください 」
私「 痺れ薬でまだ動けないので 」
名取「 置いて行けるかよ / グイッ 」
私「 わ ッ 」
私は周一さんに半ば強引な、いわゆる “ お姫様抱っこ ” をされた
私「 す、すみません 」
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名取「 はぁ ッ、はぁ ッ 」
私「 何かが近づいてきてますね 」
名取「 あぁ、嫌な感じがする 」
私「 この遊園地のどこかに妖が封じてあると言っていました 」
的場「 へぇ、それは興味深いね 」
名取「 お前はな ッ!」
私「 ! ….いた ッ 」
・
・
・
?「 クソ、やはり入れないか 」
名取「 おい、もう観念しろ 」
?「 うるさい!ガキに何が分かる 」
?「 妖力が弱くなることがどれ程惨めか…. 」
名取「 …. 」
的場「 分かりませんね、全く 」
?「 的場….ッ 」
的場「 でも、この中の妖は面白そうだ 」
的場「 入ってみない?周一さん 」
名取「 はぁ?依頼は神隠しもどきの調査だろ 」
名取「 依頼と関係ないことはやらない 」
的場「 依頼と関係ないからやるんですよ ニコッ 」
的場「 伊吹は?気になるよね?」
私「 え、と 」
名取「 ジーー 」
私( 周一さんの視線が痛い )
ポツ 、ポツ 、 ザァァァァ ( 雨 )
私「 雨….?」
的場「 これは、中に入って雨宿りをした方がいいみたい ニコッ 」
名取「 お前…. 」
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名取「 中に入れるのか?俺たち 」
的場「 多分大丈夫 」
そう言い、誠司は手を伸ばして 少しずつ結界の中へ入っていった
的場「 うん、これなら入れそうだ 」
的場「 おじさんも入ります?」
?「 結構だ 」
私「 ? 、でも中に入りたいから神隠しもどきを起こしたんですよね?」
?「 …. 」
私「 …. / ジーー 」
?「 あ”ァ、分かった 」
名取「 遊園地にこんな場所があったんだな 」
的場「 恐らく普通の人には外から見えた空洞すら見えないのかも 」
的場「 どうりで無名な場所だと思った 」
名取「 ….契約するのか?」
的場「 さぁ、相手によります 」
的場「 でもここの妖怪は大物そうだ 」
私「 ….周一さん、私 降ります 」
名取「 まだ動けないんだろ、このままでいい 」
私「 …. 」
私「 私、遊園地初めて来たんです 」
名取「 え?」
私「 小さい頃に母が亡くなって、父は行方知らずで ….おばあちゃんと二人暮しをしていました 」
私「 お金とか身体で無理をさせたくなかったから、行けなかったんです 」
私「 今日、皆で一緒に来れて良かった 」
名取「 ….俺もだよ、伊吹 」
的場「 伊吹、顔真っ赤 / クスッ 」
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私・的場・名取 「 ピクッ 」
全身が凍るような気配がした__。
的場「 この祠か 」
私「 あれ、でも ….開いてる?」
名取「 本当だ、封印が解けてる 」
?「 何….!? そんな筈は ッ 」
【 貴様らか、私の封印を解いたのは 】
名取「 ! 」
私「 狼、? 」
私( あれが、封印されていた妖…. )
的場「 もしかしたら入口の結界自体が封印だったのかもね 」
私「 私たちが入った事で封印が解けたってことですか?」
的場「 それ以外に考えられない 」
【 ….ん?なんだか懐かしい気配がするな 】
全員「 ? 」
?「 おい、封印を解いたのは私だ!礼として私と契約をしろ!」
名取「 何を言うんだ、お前 」
?「 こういうのは早い者勝ちだ!ヘッ 」
【 愚かな人間め、私に指図するか 】
【 封印を解いてくれた事に礼はするが、祓い屋と契約なんぞするか 】
私「 だそうですよ、誠司 」
的場「 まぁ今回は手ぶらですし、契約をするつもりはないよ 」
私「 そうですか クスッ 」
【 ….おい小娘、名はなんと言う?】
私「 え、私ですか….?」
【 お前と似た面影の男と縁があってな 】
私「 ! ….私は羽澄伊吹です 」
【 羽澄….、そうか道春の娘か 】
私「 父をご存知なのですか?」
【 あぁ、よく知っているさ 】
【 私は元、道春の式だったのだから 】
私「 え….?」
【 ふむ、これも “ 縁 ” か 】
【 小娘、いや 伊吹 】
【 私と契約してみないか?】
私「 ….私は祓い屋ではありません 」
私「 だから、式もいらないです 」
【 道春について知りたくないか?】
私「 ! ….それは ッ 」
【 不要だと感じたなら契約を切ればいい話だ 】
【 私はお前に興味がある 】
【 それに、道春の娘なら守ってやりたい 】
私「 …. 」
的場「 確かに、不要なら切ればいいだけだし 」
的場「 いいんじゃない?伊吹 」
私「 周一さんはどう思う….?」
名取「 俺?」
名取「 これは俺じゃなくて伊吹自身が決めるべきだと思う 」
名取「 契約は考えているほど甘いものじゃないからな / ジッ 」
的場「 そう睨まないでよ、周一さん 」
私「 ….そうですね 」
私「 狼さん、私と契約してくれますか? 」
【 勿論だ 】
【 この身に代えても守ると約束しよう 】
?「 おい、何故ガキと契約するんだ ッ 」
的場「 貴方もしつこいですね 」
的場「 外で警備員が待っています、大人しく外へ出ましょうか 」
?「 ….クソ ッ !!! 」
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警備員「 ご協力、感謝します 」
責任者「 本当にありがとうございました 」
的場「 仕事ですので ニコッ 」
責任者「 あ、的場様 」
的場「 ? 」
責任者「 実はこの雨でここらの交通機関が動けない状態になっていまして 」
責任者「 お礼には何ですが、明日の優待券を差し上げますので近くの宿にご一泊されてはいかがでしょうか….?」
全員「 …. 」
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無事 神隠しもどきの元凶を突き止めた 伊吹達
そして、封じられていた大妖は伊吹の父親、道春の元式だった__。
父の真意を知る為、伊吹は大妖と契約をする
そして、予想外の雨で帰れなくなった伊吹達に宿の宿泊を提案する社長 。
ハプニングが多い彼ら 、明日はどうなる__??
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コメント
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まさかのお父さんの、!!! 続き気になりまくりです!