黒いフードをかぶった弓使いの女性が、フィンたちの前に立つ。弓を構えた姿勢は、冷徹でありながらも、どこか優雅で美しい。
「あなたの力では、ヴァルドラに勝てないわ。」彼女が静かに言うと、フィンが不信感を隠せずに反応する。
「おい、いきなり厳しいこと言うなよ! 助けに来たんなら、なんとかしてくれ!」
女性はその言葉に微動だにせず、視線をヴァルドラに向けた。
「私の名はアリシア。影の狩人だ。魔王ヴァルドラを討つために来た。」
フィンは驚きながらも問いかける。
「狩人って…魔王を討つために、どうして今まで来なかったんだ?」
アリシアは弓を下ろし、淡々と答える。
「あなたの覚醒を待っていたからだ。この力が目覚めるのを…。」
ローザリンドが困惑しながら言う。
「でも、フィンの力は完全に暴走してるわよ! もう遅すぎるんじゃないの?」
アリシアは頷きながら、すぐに冷静な表情に戻る。
「暴走を抑える方法はある。だが、それには時間がかかる。」
ドーベンが静かに首をかしげながらつぶやく。
「それが本当なら、ヴァルドラがこんなに手強い理由がわかるかもしれませんね…。」
その時、ヴァルドラが不気味に笑う。
「フフフ… 新しい血を使おうというのか。だが、無駄だ。貴様らの命は私のものだ。」
ヴァルドラの手が高く上がり、暗黒のエネルギーが広場を包み込む。
「さあ、覚悟しろ。貴様の力がいくら目覚めようと、私には敵わん!」
フィンが顔をしかめ、力を振り絞る。
「やらせるかよ…! こんな奴に負けるわけにはいかない!」
アリシアが一歩前に出る。
「フィン、下がって。今は私の番だ。」
その言葉とともに、アリシアは矢を一気に放つ。鋭い弓矢はヴァルドラの体を貫くかと思われたが、彼はただ微笑んだ。
「甘い…」
ヴァルドラが手を一振りすると、アリシアの矢が爆発的なエネルギーに変わり、弾け飛ぶ。
「お前の力など、私には通じん!」
しかし、その爆発の中で、アリシアは再び矢を引き絞り、さらに強力な弓矢を放つ。
「…この程度か?」
ヴァルドラは今度こそ本気で攻撃しようとするが、突然、フィンの体から強烈な光が放たれ、ヴァルドラの攻撃を封じ込める。
「なに!? この力は…!」
フィンの胸に浮かぶ王族の紋章がさらに強く輝き、彼は叫ぶ。
「今だ! みんな、全力で行け!」
ローザリンドがその声に応えて槍を投げ、ドーベンがD47を起動させて強力なエネルギー弾を発射する。
アリシアが冷静に言う。
「さあ、これで決めるわ。」
フィンの力が完全に覚醒し、彼の剣が振り下ろされる。巨大な光の刃がヴァルドラに迫り、彼の防御を打ち破っていく。
「ふふ…やっと、貴様の力が形になったか。」
しかし、その一撃を放った後、フィンの体に激しい痛みが走る。彼の目がかすみ、膝が震え始める。
「うっ…! どうして、こんなに…痛い…!」
ローザリンドが叫びながら駆け寄る。
「フィン、耐えて! 今はまだ終わらない!」
ドーベンが冷静に判断を下す。
「王族の力には、必ず大きな代償がつきまとう。今のあなたは、力を使いすぎている。」
アリシアがその言葉に応じて、フィンの肩に手を置く。
「この力、使いこなすには時間が必要よ。でも今は、魔王を倒すしかない。」
ヴァルドラが笑みを浮かべて言う。
「それで私を倒せると思っているのか? 貴様らの力など、私には到底及ばない!」
その言葉に、フィンは顔を上げ、力なく微笑む。
「…わかってる。でも、俺たちは絶対に諦めない。死んでも…。」
フィンの目に、決意が宿る。
フィンが剣を構え、ヴァルドラに向かって突進する。彼の力は次第に制御を失っていくが、それでも止まることなく進み続ける。
アリシアが弓を引き絞り、ローザリンドが槍を前に構える。ドーベンがD47を起動させ、全力で支援をする。
「私たちが守るんだ! フィン、行け!」ローザリンドが声を上げる。
フィンがヴァルドラに接近すると、その瞬間、彼の目から無数の光の線が放たれ、広場に巨大な爆発を引き起こす。
その爆発の中から、フィンが全力で振り下ろす一撃がヴァルドラに迫る。
画面に次回の文字が浮かぶ。
「次回:王族の力、最終決戦!」
フィンの声が聞こえる。
「これが…王族の力か…。」
ローザリンドが冷静に言う。
「負けないわよ、みんなで一緒に。」
ドーベンが冷徹に続ける。
「そして、次の戦いが始まる。」
To Be Continued…
とはならず…
次回っ番外編っお楽しみにっ!!!!!!!
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