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赤也蓮は超能力者ですか!?
赤谷蓮の初めての夢が始まる。
目を開け、天井を見てみると知らない天井だ。
周りを確認すると、自分の部屋ではないが、
荷物や道具は自分の物だった。
部屋を出ると、自分の部屋以外に5つも扉がある。
「これが言ってた最初のリスポーンの部屋か…」
話によると、左が黒岩竜一の部屋だって聞いていたので、扉を開けると、まったく知らない部屋だった。
「だれの部屋だ…ここは…」
机の上には紙切れに名前が書いてある。
「羽賀…りょう…あいつも、夢にきていたのか…」
羽賀りょうの名前を見た瞬間、一瞬嫌な予感がした。
前回の夢で一気に皆んなが死んでしまったこと…
赤谷蓮は他の部屋を探るが、黒岩竜一の部屋はなかった。
「そういえばニュースで拉致されたって言ってたな…」
リスポーンの部屋の通路から出る。
次は左右に別れているが、左が行き止まりの図書室で右が寝室と聞いているので寝室に向かう。
寝室は特に何もなさそうなので、次の扉を開ける。
長い廊下が続き次の扉を開けると、赤谷蓮の目の前に幻影が映し出される。
「これが、言ってたやつか…」
田中みゆの死だ。
階段を降りると藍沢叶の幻影が次にでてくる。
どれもあまりにグロくてショッキングだ。
別館の玄関ホールへ行くと、白井拓馬と羽賀りょうの幻影が出てくる。
「な…なんだこれ…」
白井拓馬の撃った銃弾が羽賀りょうの頭を貫き、羽賀りょうの腕は白井拓馬の胸を貫いていた。
「いったい…なにが…」
赤谷蓮は驚愕した。目の前の光景が信じられない。
赤谷蓮は他の部屋を探索するが、特に変わったところはないのだが、この家、身に覚えがあった。
「この家…似てる…あの子の家に…」
そんなはずはないと思い、一旦忘れる。
ホームオフィスのような部屋で鍵を見つける。
その鍵で別館玄関ホールの正面の扉を開けた。
長い廊下が続く。
「この先の情報は誰も知らない…」
扉が見えてきたので、ゆっくり扉を開ける。
すると、つぎの部屋は、全てが真っ白のとてつもなく広い部屋だ。あまりに白く、まるで今までとは違う別の空間にいるみたいだ。
「な、なんなんだ…ここ…」
奥の方を見てみると、赤い扉がある。
「あの赤い扉を開ければ脱出できるんだな!」
赤谷蓮は喜び、赤い扉へ向かおうとすると、いきなり、空から2体の怪物が舞い降りてきた。
「ググォォォォォォォオオオオオ」
「グギャギャギャギャギャギャ」
一体の怪物は物凄い筋肉質な体で、両手にはドリルが付いている。
もう一体の方もとても筋肉質な体だが、
両手は空間そのものが捻れているような感じになっている。
2体とも目玉は一つだけで、とても大きい。
話で聞いていた怪物とはまるで違う。
どういう理屈なのかよくわからないが、ここは一旦引いた方が良さそうだ。
赤谷蓮は急いで別館の玄関ホールへ戻ろうと扉へ走って戻るが、次の瞬間、いつの間にそこにいたのか、腕が空間捻れの怪物は扉の前に立ち塞がっていた。
「えっ」
あまりにも一瞬だった。瞬きをしたその一瞬に移動していた。
空間捻れの怪物は思いっきり、赤谷蓮に殴りかかってきてまともにくらってしまった。
だが、痛みは感じなかった。
「なんだ…これ…」
自分の体を見てみると、まるで捻れているかのように体がぐちゃぐちゃになっていた。
目を覚めると赤谷蓮はこの一瞬で気を失っていた。
「ど…どういうことだ…」
頭が痛い。体がだるい。何もしたくない。この鬱になったかのような感情が一気に赤谷蓮を襲う。
「うっ…」
思わず吐きそうになる。
もう一体のドリルの怪物は赤谷蓮めがけてドリルを突き刺そうとしてきた。
「キュィィィィィィィィン」
赤谷蓮は流石にこれを喰らうと死ぬと思い、怪物のドリルを間一髪で避ける。
「ぐぅう…」
飛び込んだ先に、更に空間捻れの怪物が殴りかかる。
赤谷蓮はまたまともにくらってしまう。
気がつくと全身が一気に寒気を感じる。
「うぅ…」
体がだるすぎて起き上がることができない。
「だ…だめだ…このままじゃ…」
ドリルの怪物がとどめを刺そうと大きく振りかぶる。
赤谷蓮はポケットに手を入れると、白井拓馬の部屋から持ってきていた閃光手榴弾を真上に投げる。
閃光手榴弾の光が部屋全体を眩い光で照らす。
怪物達は急に目の前に光が照らし出され、苦しんでいる。
「グゥゥゥゥゥ….」
赤谷蓮はふらふらになりながらも赤い扉の方へ走る。
「今の俺には…この怪物達を止められない…」
あと少しで扉の前までくると、いきなり目の前の空間が歪みだした。
すると空間の中から長い腕が出てきた。
空間捻れの怪物が薄目でこっちを睨んで捕まえようとしていた。
赤谷蓮は避けきれずその腕に捕まってしまう。
あまりの強さにこのまま握り潰されそうだ。
「ぐぁぁぁぁああああああああ」
空間の中へ引きずり込まれ、気分が悪くなり吐いてしまう。
握る力も強くなっていき、このままでは握り殺されてしまう。
「痛い痛い痛い痛い痛い死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」
この歪んだ空間の中で意識が徐々に遠のいていく。怪物達は次こそ息の根を止めようと怒り狂っている。
「こんなはずじゃ…嫌だ嫌だ!まだこんなところで、諦めてたまるか!!」
空間捻れの世界から連れ出されるとドリルの怪物が赤谷蓮の体にドリルを貫通させた。
「キュィィィィイイイイイイン」
赤谷蓮の体から血が大量に噴き出し上下半分に切断され吹っ飛んだ。
「あぁ…俺はここまでなのか…」
白くて広いこの部屋は大量の血で赤く染まった。
床に叩きつけられぐちゃぐちゃになった体はもう動かすことができない。
血がどんどん体から溢れ出し床は一面に赤く染まっていった。
「あ…死んだ」
意識は完全に失い、赤谷蓮は死んだ。
どれほど時間が経ったのだろうか。
「ん…おれは…死んで…」
気がつくと、白い部屋の中心に立っていた。
だが、床は自分の血で赤く染まっている。
横を見ると、自分の死体が横たわっている。
「これは死後の世界?」
赤い扉の方へ歩こうと歩み出すと、上から2体の怪物が降ってきた。
次もドリルの怪物があっという間に赤谷蓮の胸を貫いた。
「ぐぁぁぁぁあああああああああああ」
痛みが一瞬に体全身をめぐり、また血が噴き出る。
そしてまた気を失い、命を落としてしまう。
「なんなんだ…俺は一体…」
気がつくと、また白い部屋の中心にいた。
目の前には今死んだばかりの自分の死体が横たわっている。
「これって…」
また怪物達が上から降りてきた。
「おれ…死なない…」
その後も何度も何度も殺されていった。
白い部屋は完全に真っ赤に染まり、床全体には自分の死体が50体ほど横たわっている。
赤谷蓮は10体目ほどから心が壊れた。
もう今の赤谷蓮には死ぬ恐怖など、一切感じなかった。
「………….」
赤谷蓮は怪物2体に対し、怒りを感じ、
心の中で葛藤する。
「あぁぁぁあ、しね!このクソ野郎どもが!!」
怪物を鋭い目つきで睨む。
すると、次の瞬間、怪物2体がいきなり体内から爆発した。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、え??」
一体何が起きたのか全く理解できない。
周りをまた見渡してみると、自分の死体は全て無くなっていた。
過去に起きた最悪の結末をなかったことにしたのだ。
赤谷蓮は嫌な記憶を思い出し、頭痛がする。
「これは…あの時といっしょだ…」
とりあえず赤い扉へ向かい、よろよろになりながらも歩く。
後ろから扉が開き、普通の怪物が追いかけてくる。
赤谷蓮はもう一度睨み叫んだ。
「くるんじゃねぇ!死ね!!」
そして普通の怪物も一瞬にして体内から爆発した。
連続で使ったせいか、立ちくらみする。
「もう…出よう…」
嫌な記憶をあまり思い出さないように、そっと心の奥に封印した。
そして今度こそ、赤谷蓮は赤い扉を開き、脱出することに成功した。