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赤谷蓮は今まで消していた嫌な記憶を完全に思い出した。
あれは小学生の頃だった。
俺はみんなにいじめられていた。
運動も勉強もあまり得意ではなかった赤谷蓮はいつからかずっとひとりぼっちだった。
どれほどいじめてきた奴らを殺したいと思っただろうか。
周りは僕の気持ちを知らずにどんどんエスカレートしていった。
俺も徐々に耐えられなくなってくるが先生や他の友達等は助けてはくれなかった。
みんな見て見ぬふりをした。
そしてある日、仲の良い友達2人と遊んでいた時のこと、またいじめをする嫌な友達が入ってきて、他の2人までいじめるようになった。
赤谷蓮は自分の弱さに苛立った。
友達や仲間みんなを守れるにはどうしたいいのか。
「おまえらさえいなければ…」
いじめのグループに小さな声で呟いた。
「俺達に逆らうのか??おまえら抑えろ!」
いじめのグループが大勢で赤谷蓮を抑える。
そしていじめのリーダーが赤谷蓮を殴る。
「ぐぅ…」
そしてついに赤谷蓮の中で何かの糸が切れた。
「おまえら!全員死ねっっ!」
イライラが限界を達し、赤谷蓮が大声で叫ぶ。
次の瞬間、いじめのグループと近くにいた赤谷蓮の友達、全員が体内から爆発した。
赤谷蓮は目の前の光景が信じきれず、そのまま気絶してしまった。
その後は、その力が信じきれず、人間ではない生き物に試してみることにした。
飛んでいる鳥や小さい虫など、様々な生き物を殺した。だが、その力を使いすぎてしまうといつも気絶し倒れてしまう。
赤谷蓮はある日から、命の重みを感じなくなっていった。
いじめの原因もあり、学校を転校になり、いじめもなくなっていった。
だかいつかまたキレて誰かを殺してしまうかわからないこの能力は、封印するべきだと考え、赤谷蓮は中学生になると同時に、自分の記憶を消し、能力を封印した。
そしてあれから4年がたち、高校2年生になった今、この夢の世界で覚醒した。
夢から目覚めると、目の前に幻影が映し出される。今まで死んだはずのクラスメイト達が赤谷蓮の周りを睨んでいた。
「な、なにが…」
以前より明らかに力が強くなっている。
「お前ら…全員消えろ!」
睨み返すと幻影は全て消えた。
するととてつもない頭痛を感じる。
赤谷蓮は起き上がり、鏡で自分の顔を見てみる。
「思いだした…」
封印した記憶を思い出してしまった。
そして今までずっと使わなかった能力は溢れ出すかのように増幅している。
「この力があれば…みんなを守れるんじゃ…」
すると家のチャイムがいきなりなった。
誰だろうと思い、家の扉を開けるとなんと今泉花だった。
「おはよー!蓮!」
赤谷蓮は今泉花のことが好きだったのでいきなり家にきたからびっくりだ。
「お、おはよう今泉さん。どうしたのこんな朝から」
今泉花は朝から他のみんなの家を回っているらしい。
どうやら今日だれが夢を見たのか探しているらしい。
「あぁ、今日は俺だったよ…」
どんな感じだったか聞かれたが赤谷蓮は自分の力のことは隠した。
「ふーん。なるほどね」
今泉花は何やら考えごとをしている。
「あ!そういえば聞いた?この夢の原因って木下真里ちゃんのせいらしいよ?」
だが、赤谷蓮は昨日の木下真里の涙を思い出すと、とてもそうとは思えなかった。
だが何が本当なのか赤谷蓮にもわからない。
「んー本当に木下真里なのかな…」
だが、木下真里は黒岩竜一のことをよく見ていたのを思い出していた。
それは多分他のみんなも知ってるはず。
どうにかして何か真相を掴めないだろうか…
「なぁ、今泉花は誰が犯人だと思う?」
今泉花は腕を組み考える。
「あと生きてるのは…」
赤谷蓮、真月和人、杉原大斗、上島弘平
木下真里、橘美香、山口七海、笠原すず、今泉花
そして、黒岩竜一の10人だった。
「さぁー、私もみんなのこと調べたりはしてるんだけど…」
どれだけ考えてもわからないものはわからなかった。
「あぁー、どうしたらいいんだ…」
赤谷蓮は考えることをやめ、そのあと2人でカフェへ行くことにした。
「そういえば警察の情報なんだけど黒岩竜一らしい人物が見つかったらしいよ」
今泉花がコーヒーを啜りながら話しだした。
「え?どこで!?」
赤谷蓮は思わず口のものを吹き出しそうになる。
今泉花はスマホを取り出しマップを開く。
「ここだよ」
その場所は赤谷蓮達が住んでいる地域から遥か遠く、新幹線で約4時間もかかるとある大森林のど真ん中に廃墟となっている屋敷がある。
「きっとこの館に黒岩竜一や、夢の謎がある気がするの!!今から行ってみない!?」
今泉花は子供のように机に乗りだす。
周りの目が気になり、恥ずかしくなる。
「あぁ…いまからとかだるいな」
赤谷蓮は渋々と今泉花に着いて行き、目的地のとある屋敷へ向かうことになった。
4時間後…
長い道のりを歩き、やっとの思いで目的地へと着いた。
「ここは…屋敷というより館だな…」
天気は雲で少し薄暗く、館の雰囲気はまるで本物のお化け屋敷のようだ。
今泉花が先頭を歩き、玄関の扉を開けてみる。
「お邪魔しまーす。って誰もいないよね」
2人は中へ入る。
赤谷蓮は周りを見渡すと、ここは明らかに夢の中で見た館と一緒だった。
「そんな…もしかしたらここに本当になにかあるのかも…」
玄関ホールへ入ると、左右2つに階段があり、
正面には2つの扉がある。
「全く一緒だ…夢の中の光景と…」
今泉花が玄関ホールから正面左の扉を開けようとするといきなり底が抜ける。
「きゃっ!!」
今泉花は暗闇の地下深くへ落ちる。
「今泉さんっ!!」
手を伸ばすがあと一歩のところで届かなかった。
「今泉さーーーーん!!」
大声で叫ぶが全く声が返ってこない。
すると別館の方から足音が聞こえてくる。
「カタッカタッカタッカタッ」
なぜこんな廃墟に人がいるのか怖くなり、赤谷蓮は一旦階段の影に隠れる。
「ガチャ」
扉が開き、中から黒いローブを被った謎の男が出てきた。するとその男は赤谷蓮の隠れている方を見ると急に喋り出した。
「そこにいるのはわかっている。勝手にこの恐怖の館へ侵入するとは…ここで死んでもらわなくてはな」
黒いローブを被った謎の男は腰から長い剣を抜き、赤谷蓮の隠れている階段の影に一気に迫った。
だがしかし、赤谷蓮は勘付かれる前に違う部屋へと移動していた。
「2階か…」
黒いローブの謎の男は寝室方面の方へ向かう。
そして図書室まで逃げてきた赤谷蓮は、図書室が行き止まりだったことを思い出す。
「くそっ…どこかに抜け道はないのか…」
すると一面だけ剥がれかけ崩れそうになってるところを見つける。
赤谷蓮は壊れそうな壁を蹴ると
壁は簡単に壊れ、長く暗い道が続いていた。
後ろの方から黒いローブの謎の男の足音が聞こえてきた。
赤谷蓮は暗い抜け道の中へ入り、ずっと進んでいくと、和室のような部屋にでる。
ここはおそらく別館の階段を左に登った奥の部屋だろう。
左を見ると古びた仏壇が置いてある。
部屋から出ようと、右の扉を開けるが何故か閉まっている。
よく見ると鍵穴がある。
「なんで内側に鍵穴があるんだ!」
押しても引いても開かない。
すると後ろから黒いローブの謎の男が姿を現した。
「少年よ。ここまでだ。お前達のクラスメイトは全員死ぬ。」
刃を向け、目をギラつかせる。
「真実に辿り着けないまま、死ね!」
赤谷蓮の間合いに入り、体を一刀両断した。
赤谷蓮は体を真っ二つに切断される。
一瞬のことで、痛みを感じる前に意識が薄れていく
「やばいやばいやばい!もどれ!もどれ!!」
夢の中で時間が何度も戻り復活した時のように
意識が薄れていくなか、何度も何度も心の中で戻れと唱えた。
そして、赤谷蓮の能力、時間逆行は成功した。
時は今泉花とカフェを飲んでいた時間まで遡る。
「どうしたの?いきなりボーってして」
今泉花が固まった赤谷蓮の顔を覗き込む。
思ってた以上に顔が近くにあったので驚いた。
「い、いや!?なんでもないよ!ちょっと考え事してて…」
少し動揺している赤谷蓮を見て、今泉花は疑問に思った。
すると前回と同様、今泉花は黒岩竜一の話をしだした。
「そういえば警察の情報なんだけど!黒岩竜一らしい人物がみつかっ…」
最後に喋り終わる前に赤谷蓮は席を立ち、残りの飲み物を一気飲みした。
「ごめん!その話はまたこんど!用事思い出したから帰るわ!」
赤谷蓮は2人の飲み物代を支払い、家へ帰ることにした。
今泉花は空を見上げ、残りのコーヒーを飲み干した。
「…….」
家へ帰ってきた赤谷蓮は能力を使いすぎてしまったせいで、疲れ果てすぐに眠りについた。