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「うーん。好きになった子が、好きなタイプ……かな」
「うっわ、出た。チャラ男発言」
蓮の答えに、ナギが茶化すように言う。
いや、これ結構真面目に言ったんだけど……と思いながら、蓮は思わず苦笑いを浮かべた。
その答えが不満だったのか、美月と雪之丞が目を細め、ジト目で見つめてくる。
いや、なんで!?普通に答えただろ!? 二人からの視線に困惑しながら、蓮は助けを求めるように視線を彷徨わせた。
「はぁ、アホくさ。美月ってこのオッサンのこと好きなわけ?」
「えっ!?」
「へっ? え……っ、そうだったの?」
「ち、ちがっ! 違うわよっ! そんなんじゃ……っ」
盛大にため息を吐き、呆れた様子で呟いた東海の言葉に、美月が顔を真っ赤にして首を振る。
「そんなんじゃなくて! ただ、蓮さんモテそうだから男性の意見が聞いてみたかっただけで……」
「男なら他にもいっぱいいるじゃん。それに、自分の弟に聞けばよくね? イケメン中のイケメンじゃないか」
「ちょっ! 逢坂さんっ! 私に振らないで下さい!」
突然話を振られた弓弦が慌てて両手を振り、ブンブンと首を横に振る。
「あー、アレ? 恋愛は事務所NGとかそういうの?」
「違います! まぁ、CMのイメージとか色々とあるので一概には言えませんが……」
「ゆづには、聞けないもん……だって、ゆづは……」
「姉さんっ! ちょっと黙って!」
美月がポソリと零した言葉に、弓弦が慌てて口元を押さえた。
「めっずらし。天下の草薙弓弦が慌てるなんて……。何か訳ありっぽいね」
そんな二人の様子を見て、東海が面白そうに口角を上げる。
意地の悪いニヒルな笑みを浮かべている辺り、コイツもやっぱりいい性格をしていると思う。
そんなことを思っていると、ナギがクイっと袖を引っ張ってきた。
なんだ?と思い、蓮がそちらに顔を向けると、上目遣いのナギと目が合う。
そしてそのまま、唇に柔らかな感触が――。
「あっ!」
その瞬間、すぐ近くで雪之丞が小さく声をあげたのがわかった。
「な――っ!?」
いきなりの行為に驚き、固まっていると、ナギは自分の唇をペロリと舐め、くすっと笑う。
幸い、目の前にいる3人はこちらの様子に気付いていないようだが、確実に雪之丞には見られた。
その証拠に、掴まれている腕が痛い。
「へへ、奪っちゃった~☆」
「おいおい、こんな所で何をするんだ」
「……俺、さ……酔うと無性にキスしたくなるんだよね……」
「はっ? え……っ、ちょっ!」
するりと頬を撫でられ、ピリピリと皮膚が粟立つ。だが、そんな蓮の反応を楽しむかのように、ナギはゆっくりと口元に弧を描いた。
こいつ、キス魔だったのか! ただでさえエロいのに、キス魔だなんて……ッ。
しかも、酔っているせいか、いつもより色気が倍増している気がして、思わずごくりと喉が鳴る。
「ねぇ、こっそり抜け出さない?」
耳元に唇を寄せ、蠱惑的な甘い声が囁いてくる。
耳にかかる吐息にぞくりと背筋が震えた。
いや、どう考えても無理だろ。ナギとは反対側の腕は雪之丞にしがみ付かれているし、いくらさっきのキスが気付かれなかったとはいえ、ここで抜け出したら速攻でバレるに決まっている。
「いや……さすがにそれは……っ」
「……」
「ちぇ、やっぱり駄目かぁ」
不満そうな声を上げ、あっさりと引き下がるナギに、ほっと胸を撫で下ろす。
危なかった……。もう少しでほだされるところだった。
この手の誘惑には乗るまいと心に決めていたはずなのに、危うくまた過ちを犯す寸前だった。
というか、バレたくないんじゃなかったのか!? いや、こいつらの前ならバレてもいいと思っているのか?
酔った勢いって事にすれば、何でも誤魔化せると思ったら大間違いだ。
そもそも、雪之丞がすぐ隣にいるのに堂々と誘うなんて、何を考えているんだ!?
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