コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
俺はごく普通の座敷わらし。いや、普通というのは可笑しいのかもしれない…
俺は座敷わらし。座敷または蔵に住む神と言われているすげー妖怪。座敷わらしを見た方には幸福が訪れ、家自体も繁栄すると言われている。
でも、俺は他の座敷わらしとはちょっと違うんだ。
「俺だって凄いんだ……」
女の子が一般的?そんな現実壊してやる。
「えいえいおー!」
いつも通り張り切っていると、何かしら嫌な雰囲気が流れたんだ。
ガタッと音がしたと思えば、急に足元から手が伸びてきた
うわっ、!? _
なんだなんだと焦っていると、またもや空気が一気に変わった。苔臭い?なんとも、全く整備されていない土地のようだった。
「何だよ、ここ……」
俺は立ち上がって辺りを見渡してみたが、ここがどこだか全く分からなかった。
(うぅ……)
不安と恐怖で涙目だった俺は、耐えきれず座り込んでしまった。
帰りたい。誰でも良いから助けて欲しいと、願って俺はずっと下を向いていた。
妖怪なのに弱虫と散々言われてきた。妖怪相手でも、俺はビビっていた。
俺は、妖怪なんかになりたくなかった。
「そこ、どうしたのか」
馬の足音と同時に、若い男の人の声が聞こえた。
俺の姿は普通の人には見えないはずと、混乱していたが、人がいて少し俺は安心してしまった
「待っててくれないか。わたくしに少し時間をおくれ」
その人は、馬に合図をだし俺に近寄ってきた。
白い着物のようなものを来て、頭には変なものを被っていた
コックさんが被っているようなものだった。髭はなくツルツルな顎をしていた。
(昔の人…?)
俺は少し昔の人を見たことがある。あまり人には関心がなかったけど、この人が昔の人だとは思えなかった
今時の、現実味のある人だったからだ
「失礼、わたくしは、伊能新之丞と申します。どうかお見知り置きを」
「ところで、そこは美しい年若い女房はお好きかい?」
……この人は論外だ。新手のナンパをしてくるクズだ
こういうのは、今の時代では引かれるタイプの男性
「あぁ、晴れならずといふことなき…こちらをご覧になさってお坊っちゃんよ」
「……」
俺がずっと黙っていると、ソイツは何か閃いたように二回手を叩いた
「ソナタ、弓をひやうと放ってみませぬか。」