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目を覚ますと真っ白な天井が見えた。
自分の状況を確認するため当たりを見渡すと、白いカーテン白いベッドここは病院だろうか?
すると突然カーテンが開き優しそうな顔の男が入ってきた。
その人は俺を見るなり、「気がついた?その、手の事なんだけど…痛くない?」と申し訳なさそうに俺の手を見てきた。
手?と思い、視線を落とすと左手は手首から上がなく、あの化け物が夢ではなく現実のものだと思い知らされた。
「痛く…ないです」そう答えるとその人は よかった と一言言って近くにあった椅子に座り、
「改めまして、ここCrazy raccoonの本部長 リテイルローのおじさんです。気軽におじじって呼んでね」と自己紹介をしだした。
自分でおじさんって言うの?と思いながらも俺も自身の自己紹介をした。
そこで、近くにCptが居ない事に気付き、慌てておじじに連れはどこかと聞くと、「彼に外傷は無かったから別室で休んで貰ってるよ」と説明してくれた。
Cptの安否を確認し終えて安心していると、おじじが今の日本の現状について話し始めた。
今日本は突然変異 OverHEAT現象に陥っている。
まだ詳しい事はわからないけど、突然出てきた黒いモヤは瘴気って言って、あれに触れると自我が無くなってしまう。
自我が無くなる段階は二段階あって、少し触れただけでは完全に堕ちることはなく、その時点で浄化されると自我を取り戻す。
ただ、第二段階、Mondoも見たよね?モンスターのような雄叫びをあげて黒い人間になったら最後、絶命するしか方法はない。
OverHEATになると、普通の人間の何倍の力に咬合力を伴う。
奴等は獲物に噛み付いて捕食するんだ。
だから、Mondoの手首も一瞬で吹き飛ばされた。
現状を聞いて じゃあ日本は終わるの? と聞くと
おじじは いや と一息おいて、
瘴気が発生して程なくしてからOverHEATに対抗出来る力を発現した人間が生まれたんだ。
発現者は色んなところにいるから各地域に支部・・・所謂アカデミーのようなものを立ち上げた。
発現された者はOverHEATを執行する者“執行者”としてCRに加入してもらってる。
MondoとCptは今は保護という形を取っているけど、適正はあるみたいだから、行く行くは執行者としてCRに加入してもらいたいと思ってるんだ。
ただ、精神的にも肉体的にもまだダメージが残っているだろうから、回復するまでここに居てもらっていいからね?
Mondoはリハビリも必要だろうし、あとで医療班の子呼んでくるからその子とこれからの事相談してね。
と言い、ここまでで何か質問あるかな? と聞かれたが、全てがぶっ飛んだ話過ぎるため 今のところ特には と伝えた。
質問が無いと分かったおじじは「じゃあ」、行くね。 あ、そうだ忘れてた、このデバイス渡しとくよ、本来は執行者しか使わないんだけど、連絡手段必要だからね。Cptにも渡してるからメッセージアプリで彼に連絡とれるよ!」そう言いながらスマホの様な見た目のデバイスを渡され受け取った。
おじじは忙しそうに俺の病室を出て行き入れ違いで金髪に前髪に黄色のメッシュが入った女性?が入ってきた。
彼女は俺の側まで来ると、「Mondo、だっけ?よろしくね、私はMainy」と自己紹介をしてきた。
彼女の手には俺のカルテらしき物があり、そこから色々健康状態などについて質問された。
片目が見えないのは元々か?や、左手の可動範囲はどのくらいかなど
淡々とした質問にこちらも淡々と答えた。
Mainyはリハビリのメニューや施設の案内をし、何かあったら呼ぶようにと先程貰ったデバイスに自身のアドレスを入力し、部屋から出ていった。
久しぶりに色んな人と話したと思いながらベッドに横になりながら、Cptへ連絡をとった。
送信してすぐに既読がつき、すぐに謝罪の言葉が送られてきた。
どうやらあいつは俺の左手は自分の責任で無くなったと思ってるみたいだった。
“気にするな” と一言送り、CRについてやおじじの話をし、情報交換をした。だいぶCptの緊張もほぐれて来たのか、いつも通りの調子に戻りつつあった。
“Mondo、Mainyさん見た?可愛いよね”とメッセが来て俺は返信に困った。親友が道を踏み外すかも知れない、これは教えるべきか?と思った。が、面白そうなので俺はそのメッセージを既読無視して眠りについた。
Mainyは多分男だ。
【Mondo side 完】