この作品はいかがでしたか?
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あれ…?
ここはどこだ…?真っ暗闇で何もわからない
体の感覚があまりないからぷかぷか浮いているような感じだ
兄ちゃんは大丈夫かな。俺が庇ったから無事なはずだけど…
そういえば、前世と同じ死に方だったな
鶴蝶今頃大暴れしていそうだな
というか俺はずっとこのまま一人で暗闇にいるのだろうか
そんなことを考えていたその時…
「イザナ!」
「ニィ!」
「イザナ!」
そんな声が聞こえた
暗闇が一瞬で消え、気がついたら佐野家の家の目の前に立っていた
後ろを向くとシンイチロー、マイキー、エマが立っていた
「は?なんで…お前らが…」
声が震えた
「イザナ。ごめんな」
シンイチローが謝った
俺はその言葉の意味がわからなかった
「ごめん。お前をずっと苦しめてしまった」
「…ぇ…せぇうるせぇ!!!」
「「「?!」」」
「なんで謝んだよ?!お前らは何も悪くねぇのに!俺が全部悪いのに!!もしここが天国なら俺がいるはずねェ!!憎いだろ!恨んでいるだろ!!俺を殴れよ!!殴って殺せよ!!」
パシン
エマが俺の頬を叩いた
「ニィ。ウチは悲しかった。ママもニィもいつか会えると思っていても結局会えなかった。ニィは血が繋がらなくって苦しかったんでしょ。でも、もっと苦しくしてどうしたかったの?ウチはウチ自身も許せない…ニィは一人で辛い思いしていたのにウチはケンちゃんやみんなと楽しんでいた。ごめんなさい」
「俺は…」
「イザナ。俺はイザナとやり合って苦しかった。俺にはオマエがいてオマエには俺がいる。だから、少しでもオマエを救いたかった。でもオマエは俺の前から消えた」
「ごめん。イザナ。ずっと秘密にしていて、俺は想いさえ通じていれば家族になれると思ってた。でも俺はオマエに俺の想いを一方的に押し付けていた。苦しい想いをしたオマエに寄り添えもできないまま死んじまった」
エマの次にマイキー、シンイチローがそう告げた
「ごめん…ごめん。ごめんっみんな…」
気がつくと俺は泣いていた
それから約1時間たって、俺たちはやっと和解できた
「そういえば…イザナオマエ死んでないぜ」
シンイチローが衝撃発言した
「え?」
「死んでないけど死ぬギリギリ手前だぞオマエ」
マイキーがジト目で見てきた
「オマエ、今は叔父さんいるんだろ?今頃大変だと思うぞ?」
「まじで?」
「さて、そろそろお別れだな。」
シンイチローがそういった途端俺の体が透け始めた
「幸せになれよ!イザナ!!」
「少なくとも80年はこっち来なくていいからな!!」
「ニィ!大好き!!叔父さんの零さんによろしく伝えといてね!!」
「あぁ!!じゃあな!シンイチロー!マイキー!エマ!!」
そして俺の意識はなくなった
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ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…
生きていることを知らせる音が響く
「…?」
まず視界に入ったのは病院の真っ白な天井
体があまり動かせない
頭を少し横にずらして出入口の扉を見たとき
ガラッ
「イザナ…?」
「に…ちゃん?」
声はかすれて小さな声しか出なかったが安室の耳はそれをしっかり捉えた
「イザナっ!!!!」
安室が走り出し、抱きつく
「兄ちゃん。あれからどれぐらい経った?」
「2ヶ月だ!2ヶ月も眠っていたんだぞ!!これ以上、心配させないでくれ…!」
そういった安室の目には酷いクマがあり、顔色が悪い
騒ぎに気づいた看護師が俺を見て驚き「せ、先生!!」と医師を呼びに走って去っていった
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あの後、様々な検査をしたがどれも異常なし
強いて言うなら体力が落ちたことだけだった。リハビリしなきゃ
ちなみにあの状態で生存したのは奇跡らしく、医師たちは驚いていた
俺にはドヤ顔をしているシンイチローとマイキーとエマが頭に浮かんだ
意識が戻ったことを知って兄ちゃんの同期と少年探偵団が病室に来てどんちゃん騒ぎし、看護師さんに怒られていた
コメント
1件
よかったε-(´∀`;)ホッ