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オレは見た。

窓ガラスに反射した自分の姿を。

酷く醜かった。

醜い

醜い

醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い


なんで



なんでなんだ。


オレ、こんな姿じゃ


また

ショーなんて出来るはず無い


自信がないんだ


オレにはこの身体でショーをやっていく事。




そして____



生きていくことに。



__________

草薙寧々side

「っ…!!司…!!!」

私は勢いよく病室のドアを開けた。

「寧々ちゃん…っ!!」

「寧々…!」

えむと類が私の名前を呼ぶ

私は目には、自分の足に顔を埋めている天馬さんが居た。

「あ…天馬…さん?」

開けようと思っていなかった口が、いつのまにかそう尋ねていた

「…さっきね、咲希ちゃん、何があったか話してくれたんだ。そしたら思い出しちゃったのか泣いちゃって…。今は寝ちゃってるけど咲希ちゃんは無事だよ…」

「……そっか。………!司…司は!?」

ほっとしたのもつかの間、私は咄嗟に口を開いた

「司くんならこっちに。」

類の小さな声が病室に響く。私は類の向く方向へと歩き出した。



「…え…?つか…さ?」

頭にはぐるぐる巻かれた包帯、右腕には三角巾。口には酸素マスク

初めて見る光景に私は唖然とした。

「……司くん、大型トラックに跳ねられたらしいんだ。両足も…今のところでは今後、前のようには歩けたりはしないと言っていたよ。」

「う…そ、?」

何も考えられない。

頭が真っ白になり、ただその場に立ち尽くす事しか出来なかった。


「……続けるのかい?」

「え…?」

「ショー…続けるのかい?」

「は…!?何言って…!!続けるに決まってるじゃん…!!!」

「……司くんはナシでかい?」

その言葉の意味が理解出来なかった。

司抜きで?ホントに馬鹿なんじゃないの、って心底思った。

「……司が居ないと、ワンダーランズ×ショウタイ厶、成り立たないじゃん…!ねぇ…?えむ、類…」

「…寧々ちゃん」

「司くんは歩けない…。二度と。それで…それで寧々は司くんがまた、ステージに立てると思うのかい!?残念ながら、僕はそう思わないよ…」

私はえむの曖昧な返事と類の呆れた返事に涙が滲んだ。涙をこぼすのを我慢しようとすればするほど喉奥が痛くなるのが身体全体に染み渡った。

「…なんで、類…。それでいいの…!?まだ希望はあるはず…!!簡単に諦めないでよ…!!!」

「僕もそう信じたいよ。だけれど…もう、受け止めるしかないんだ…。」

「…っ!!類の馬鹿…!!なんで分かってくれないの!?せっかく出来た仲間なんじゃないの…!?本当に…本当にそれでいい訳!?」

私は大声を上げ言った。

涙がポロポロとこぼれ落ちてくるのが頬に伝う感覚で分かった。

「君こそ、なんで分かってくれないんだい…?司くんを無理させてまでショーに出させたいのかい?僕はそうする方がよっぽど嫌だよ。」

「うぅっ…辞めて…やめてよ、類くん、寧々ちゃん…」

類がそう言った後えむが声を上げて泣き出した。

ああ、私


何やってるんだろう。

司…なんで、


なんで



ねぇ



戻ってきてよ。









「…ぁ」

声がした


小さな

今にも消えてなくなりそうな微かな声



司だ。


そう思った瞬間私は咄嗟に司の名前も呼んだ。


類も考えていたことは同じだったみたい。



天馬さんが起きて司にこう言った

“ごめん。”


私は何故天馬さんが謝るのか良く分からなかった。


泣く天馬さんを見て司はまた小さな声で慰める。

えむにも同じように。


その時、私はえむを泣かしてまで何やっていたんだろうと我に返った。


類とはまたしっかり話をしよう。


類が司に心配の声を掛ける。



「声は…まだ、出にくいが、…目と体が、」





あぁ


そうか。


そうだよね。

当たり前だよ。だってあんた

腕も足も動かないじゃん。

ホント何やってんの。

そう言ってやりたかった。


でも


私は泣いていた。


分からなかった。


なんで。泣いているのかも。




私が泣くうちに司はまた、目を閉じた。




少し時間が過ぎた後、私たちは司の病室を後にした。


その帰り道えむと別れた後

隣を歩く類の手が震えていた。

怖いんだろうな。

司がもし、

もう目を覚まさなかったら。


類は泣いていた。

私は何も言わなかった。

その夜


雲ひとつない綺麗な空に、満月が光輝いていた。

それは私の心中の隅っこにある少しな希望のようだった。


いつ司が起きるのか分からない。


だけど

その時を信じて待つしかない。


その想いが類にもきっと届いている。



その2つの事を____





私は信じている。

_________________

司side



はぁ…(笑)


オレ



こんな姿で



生きてて良いのだろうか。

そう考えれば考えるほど吐き気がしてくる。








神様はオレをこの世界から消してはくれなかった。


だから


それなら






自ら


自分からこの世界と離れて行けば良いんだ。


名案だ



こんな汚れた世界に


汚いオレ



このままこの世界から離れずに居ても

ただただ、苦労して生きて、ショーにも出れず、



アイツらや咲希にも


迷惑がかかるだろう


醜いオレを見てアイツらはどう思った?


あー


考えてたって意味ないか(笑)



だって






今夜オレは_______









この世とさよならするから。





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