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ハグの日(再喝)

成人済みの付き合ってる司ほな 同棲中

キス(若干喘ぎ)や夜の匂わせがあります

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「…穂波、もう一度言ってくれないか。」

「えぇっ?!」

仕事を終えて帰宅し、玄関のドアをくぐったところで、穂波からとある提案をされてひっくり返りそうになってしまった。その提案と言うのが…

「で、ですからその……今日はハグの日らしいので、は、ハグをしませんか……って言ったんですけど……」

ハグをしないか、というもの。

「もう一回」

「…ハグをしませんか…?」

「ハグじゃなくて?」

「えっ?ハグじゃなくて……?ぎ、ぎゅー……?しませんか…?」

「ん゛ん……」

「も、もう!なんなんですか!」

オレの恋人が可愛い。とてつもなく、可愛い。

ハグの日とやらに乗っかってハグを提案してくるのも勿論だが、愛しい彼女に「ぎゅーしませんか」と言われるのも中々ぐっとくるというものだ。何回も恥ずかしいことを言わせられて少しぷくと頬を膨らますのも非常に愛らしい。しばらく腕を組んだまま悶えていると、沈黙に耐えかねた穂波がおずおずと口を開く。

「ご、ごめんなさい、突然……お夕飯にしましょうか!」

「なッ?!ぎゅーしないのか?!」

「え?は、反応がなかったので、したくないのかな、と思って……」

いやいや、そんなわけはない。寧ろめちゃくちゃしたい。

「すまん、不安にさせてしまったか?」

「そ、そういう、わけじゃ…!」

「じゃあ、ぎゅー、するか?」

「…!」

落ち込んだような表情が一転して明るくなり、頬を紅く染める。

「…します。」

提案したのは自分だと言うのに、いざとなると恥ずかしそうに、躊躇いながらオレに抱きつく。

(可愛い………)

穂波からただよう優しい香りで、自身の疲れもすっと癒されていく。幸せに満たされたこの時間は、なんとも心地よいものだった。一分ほどそうして抱き合っていると、穂波が

「も、もう大丈夫ですから…っ!」

と、軽くオレを突き放した。

「もう大丈夫なのか?まだまだしていたいくらいだが…… 」

「だ、だめです!これ以上は……」

「……これ以上は?」

首を傾げて穂波に続きを問うと、穂波は分かりやすく慌てて、誤魔化すようにこう言った。

「あ、えっと、その、お、お夕飯が冷めちゃいますから!!!」

「……ほう……」

「司さー……んんっ?!」

そんな穂波の言葉を遮って、強引に唇を奪う。すかさず自身の舌を、穂波の口の中に滑り込ませた。

「……っふぁ、んん……っ♡」

「………なあ、穂波。これ以上は……と言うのは、その先を期待してしまうから、か?」

「ふぇ?!ち、ちが……っ…!」

図星とでも言うようにまた赤くなる穂波の顔を見て、にやりと笑う。

「最近はお互い忙しくて時間がなかったし、もしかして寂しかったのか?……はは、夜が楽しみだな、穂波?」

「……っ……!つ、司さんのばかぁっ!」

夕飯が冷めてしまう、だとか言っておきながら、ぱたぱたと洗面所に逃げ込んでしまった穂波を見て、また笑いが漏れる。本当に、穂波は可愛らしい。

オレにいじめられて顔を赤くしてしまうところとか。

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