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〜前書き〜

こんにちは、雪夜です。 今回は第一作目です。 多分一つ一つ長めになるので時間がある時に読んでください。 今作は文豪ストレイドッグス、中太で書いていこうと思いますので、よろしくお願いします。 テーマは体調不良で進めていくので地雷や吐く表現などが苦手な方はバックしてください。

それでは、本編どうぞ

〜本編〜

「はっ、、、ハックションッ!!!」

「うわぁ!一寸太宰さん!此方に飛ばさないで下さいよ!」

「う〜、、、鼻水出てきちゃった、、、敦君ティッシュ取ってくれないかい?」

「も〜、、、仕方ないですね、、、はい、どうぞ」

「有難う」

珍しく朝早くに出勤した太宰さんが僕の隣で盛大に嚔をした。お陰で資料や書類に唾が飛んで少し湿ってしまった。

「うーん、、、これじゃあ全部書けないですね、、、乾くまで少し待つかぁ、、、」

「ズルッ、、、鼻水止まんない、、、」

「太宰さん!?机の上ティッシュだらけじゃないですか!」

「いやぁ、、、一度鼻をかんだら止まらなくなってしまってねぇ、、、」

「大丈夫ですか、、、?」

あれ、、、?よく見たら太宰さんの顔、、、少し赤いような気がする、、、

「国木田さん、体温計って何処にありますか?」

「ん?体温計なら与謝野女医が持ってると思う」

「有難う御座います。太宰さん、一寸待ってて下さいね」

「ん〜、、、?」

僕は与謝野さんの所に行き、体温計を貰ってきた。太宰さんは不思議そうに受け取って体温を測る。その間もずっと鼻をかんだり、少し咳き込んだりしていた。本当に体調が悪そうだ。

「、、、ん、終わったよ」

太宰さんはそう云って体温計を僕に渡した。そして、体温を見てみたら案の定熱があり、しかも結構高めだ。

「、、、太宰が体調不良なんて珍しいな」

「ですね、、、今日は帰った方がいいんじゃ、、、」

「否、その必要は無いよ。今日一日くらい頑張れるさ」

強がっているのか、何時もよりふにゃりとした笑顔を作ってそう云う。隣にいた国木田さんは呆れたように溜息をつき、太宰さんに帰るよう云い続けた。だが、太宰さんは断固拒否。何時も仕事を厭そうにやっているのにこういう時だけ頑固なようだ。

「、、、太宰さん、体調悪い時は休まないと駄目ですよ?」

「厭だ、私は絶対帰らな_________」

「、、、っ!太宰さん!」

立ち上がって反論して来たと思ったら足の力が入っていなかったのか、倒れそうになる。慌てて支えようと手を伸ばしたら、、、

「、、、っと!」

「あ、、、!」

「はぁ、、、本当に莫迦だな手前は。さっさと帰りゃ良かったのによ、、、」

中也さんが間に入って支えてくれた。其の儘僕達に挨拶もせず、太宰さんを抱えてぶつぶつ文句を云いながら探偵社を出て行ってしまった。


、、、あれ、、、?何時の間にか寝てしまったのかな、、、?早く仕事を終わらせて、、、帰らないと、、、

「、、、ん、起きたか。はよ」

「、、、え、、、?」

目を開けると、目の前に中也の顔が映り、私は思わず飛び起きそうになった。

「中也、、、!?何で、、、!」

「手前が体調悪い癖に無理して倒れそうだったから抱えて帰ってきたんだよ。ほら、粥作ったから食えんなら食え」

「あ、、、」

目の前に差し出された粥を呆然と見る。それから辺りを見渡すと布団の横には袋が置いてあり、中には解熱剤や水、果物等が入っていた。

「此れ、、、全部中也が、、、?」

「あ?俺以外に誰が居んだよ」

当たり前のように云う。私は何を思っているのか、心の底から安心感が込み上げてきて、同時に嬉しくて涙腺が刺激された。

「、、、有難う、、、」

悟られないよう、私は俯いて感謝の言葉を呟いた。普段なら絶対云わない。中也も驚いた顔をしていたけど小さく笑って部屋から出て行ってしまった。

「、、、食べよ」

折角作ってくれたんだ、食べないと流石に申し訳ない。少しづつ粥を口に入れていく。予め冷ましてくれていたようで、熱すぎず、冷たすぎず、丁度いい温度で心まで暖かくなる感覚がする。

_________気が付くと私は眠っていた


「、、、ん、、、うっ、、、」

気持ち悪い、、、吐き気で目が覚めた私は起き上がろうとしたが力が入らない。

「ん”ぐっ、、、ぅえ”っ、、、」

耐えられず吐いてしまった。汚い。苦しい。止まらない。吐く度に扁桃腺が刺激されて吐き気が止まらない。吐けるもの、もう何も無いのに。

「けほっ、、、んっ、、、お”ぇっ、、、」

誰か、、、助けて、、、

「、、、太宰?!」

「はぁ、、、はぁ、、、ちゅ、、、や、、、ん”くっ」

私の嗚咽が響いていたのか、慌てた様子で部屋に入ってきた中也は私に駆け寄り、背中をそっと摩ってくれた。

「うっ、、、ごめっ、、、布団、、、汚しっ、、、」

「気にすんな。無理して我慢しなかっただけ偉いぞ、太宰」

「、、、ん、、、っ」

「、、、御免な、、、一人にして、、、」

優しい声。安心したのか、私の目からポロポロと涙が零れる。格好悪い、、、

「、、、はぁ、、、はぁ、、、んっ、、、も、、、へーき、、、」

「収まったか?取り敢えず洗濯するから着替えねぇとな。立てるか?」

「うん、、、多分立てる、、、」

ふらふらと覚束無い足で支えてもらいながらゆっくり立つ。衣服は中也が着脱をしてくれた。ぼーっとする頭で、私は何度も”手伝うよ”と云ったけれど、拒否。私は、、、中也と一緒に居たいだけだったのに、、、素直に云えなくて、心が痛い。


「太宰、終わったから布団戻、、、ん? 」

「すぅ、、、すぅ、、、」

「、、、おやすみ、太宰。早く良くなれよ」

〜次回へ続く〜

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