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背景、〇〇先生 様
あれから10年の月日が経ちました。
あの頃はなんでこんなに簡単なことをあんなにも難しく考えていたのか、今思うと馬鹿馬鹿しくなります。
あの頃の自分が今の私を見たら、こんなの私じゃないと嘆くでしょう。
でも今も昔も変わらず私は私のままです。
今日も京王線は多くの人が揺られ、それぞれの日常を運んで行きます。
私もついに、その中の1人となってしまいました。
少し、寂しい気持ちもあるけれど、大人になるということはきっとこういう事だったんだなと思います。
あの夏、私は世界が終わる夢を見ました。
そして、それを心底願っていたけれど、あのまま先生と一緒に夏のアイスのように溶けて消えてしまわなくて良かったと今は思います。
ねえ、先生。
先生の未来も過去も今となってはどうでもいいけれど、どうか、お身体にはお気をつけてお過ごしください。
先生の見ている世界が、少しでも素晴らしい世界でありますように。
先生、ありがとう。
知恵より
