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翌日の昼休憩。
春翔が雪乃の教室に来た。
「よぉ」
教室がざわつく。
「え、あれ先輩だよね」
「しかもあれ草凪先輩じゃない?」
「あ、そういえば苗字一緒じゃん」
「え!お兄さんなの!?」
…こいつ人に目立つなとか言っといて。
雪乃が春翔を睨む。
そんなことは気にも止めず春翔は雪乃を呼ぶ。
「ほら、行くぞ」
「…どこに?」
「いいから来い」
渋々立ち上がり春翔について教室を出る。
「友達できたか?」
「…必要なの?」
「…お前なぁ」
一歩後ろを歩く雪乃を見て春翔が呆れる。
大丈夫かこいつ。
しばらく廊下を歩いていると、前から二人組が近づいてきた。
「おっす草凪」
「おー鬱シャオ」
声をかけてきたのは鬱先生とシャオロンだった。
「何しとるんや…って」
鬱先生が春翔の後ろにいた雪乃を見て言葉を失う。
「な、く、草凪お前…嘘やろ…」
「なんだよ」
「いつの間にそんな可愛い彼女作っとったんやお前!」
春翔に詰め寄る鬱先生。
「お前は本当に脳内お花畑だな」
「おい言われとるぞ大先生」
呆れる春翔とシャオロン。
「いやいや許されへんぞお前、こんなレベル高…いや、こんな可愛い子いつの間に捕まえたんや!」
「なんか俺怒られてるか?」
「みたいやなぁ」
その光景をシャオロンが笑って見ている。
「安心しろ。お前ほどじゃないから」
「そうそう。大先生に敵う奴なんておらへんから大丈夫やで」
「いやそりゃ俺の方がモテるよ?草凪なんかより彼女なんて沢山おるけどさぁ、そういうことじゃないねん。普段キャーキャー言われとる癖に彼女全然作らんかったイキリ男がある日突然こんなレベル高い子連れ歩いて見せびらかしとるんが問題なんや!」
「おめーの発言のが問題だわ。あとイキリ男てなんだぶん殴るぞ」
「大先生www落ち着いてwww」
雪乃は春翔の後ろから鬱先生をじっと見つめる。
バチッと目があう。
「え、なんか凄い見られてる…?もしかして俺に興味がおありですかお嬢さん」
「春翔、合図を出してくれたらいつでもやれるけど」
「え、何、どういう意味」
「やめとけ」
雪乃のほのかな殺気に春翔が制止をかける。
春翔の敵かと思ったが違うらしい。
「お前らの相手してる暇ねぇから行くわ。じゃあなシャオロン」
「じゃあね〜」
「え、俺は?」
春翔が二人の隣を通り過ぎる。
雪乃は二人に目もくれず春翔の後をついていく。
「…人見知りなんかな」
シャオロンが呟く。
「まぁいずれ彼女も俺の魅力に気付く日が訪れることやろう」
「その前に今おる彼女たちに呆れられんことやな」
そんな会話をしながら二人もその場を去った。