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qn視点
3日後には、死ぬ。
たった一言が、自分の胸にストンと落ちた。それと同時に、頭が真っ白になっていく感覚を覚えた。
「…それ、って…、どう、いう…?」
dz「そのままの意味。…最近知ったんだけどね。」
俯き、暗い表情を浮かべるdzさんは、小さな声でポツリと語りだした。
人体結晶化が始まってから、約2週間経つと、完全に宝石に覆われ、死に至るらしい。そうならないためには、告白し、両思いにならないといけなくて…。
そんなの、聞いていない。と言うと、dzさんは苦しそうに微笑んだ。
「…そっか、…死ぬんですね、俺…、」
dz「っ、…そんなこと、…言わないで、」
「……告白、…しないと、生きられないんですね、」
部屋の中に、重苦しい空気が流れる。先程までの明るい雰囲気はどこへやら。
もちろん、俺はorに告白する気はない。全くと言えるほど、ない。理由は、ずっと言っている通り、orを困らせたくないから。…それに、『死んでしまう』なんて言葉で同情を買いたくないし、同情で恋人同士になるのは、なんとなく嫌な感じがする。
dz「…ねぇ、…qn、……。」
「なんですか?」
dz「…qn…、告白、…しない、?」
dzさんは、前にどこかで聞いたことがあるような台詞を、前よりもずっと苦しそうに言った。そんなdzさんに、なんとなく心が締め付けられる感覚を覚える。
dz「……。…死んで欲しくないよ、…」
「…dzさん、」
dz「…お願い、告白して、。qnに死んで欲しくない、…生きて、僕より長生きしてほしい、」
dzさんの声が震える。絞り出すように、苦しそうに、悲しそうに、俺に訴えかけてくる。それでも、それでも。
「…ごめん、なさい。」
dz「…っ、」
「…どうしても、orを困らせたくないんです。」
dz「困る、わけッ、!!」
「困りますよ。…ただの、友達にそんなこと言われたら。」
自分で言って、悲しくなってしまった。ずっと、自分の心の隅にある悩み。どうして俺は男なんだろう、と何度考えたことか。
「…俺はただ、…みんなに幸せになって欲しいんです。俺が原因で困ることがあるなら、…。俺は喜んで死にますよ。」
dz「ッ…ーー!!ッばか!」
「……っ、!」
dzさんが目に涙を溜めたまま、俺の胸ぐらを掴んで叫んだ。その声は怒りなのか、悲しみなのか、悔しさなのか。または、そのどれもなのか。
dzさんが声を荒らげるなんてことは、今までなかったので、流石に驚き、固まってしまった。
dz「…そんな、…悲しいこと、言うな…っ、!」
「…でも、」
dz「でもじゃない、!…じゃあ、僕は…qnが死んだら困る…。悲しいし、寂しいよ。…それは、みんなも一緒。orもね。」
綺麗な涙を流しながら、俺に訴えかけてくるdzさん。いいな、その涙。そんなにゆっくり落ちるんだ。そんな、頬を伝うような涙はどうやって流すの?ずるいな。俺も、その涙がいい。
「……。…考えてみます。」
それだけ言うと、dzさんは曖昧に笑って玄関へ向かった。
静かになった、1人の部屋。ふかふかで座り心地のいい車椅子に座って、考える。
やっぱり、だめだ。告白なんて、できない。
その結論が出るのは早かった。もう夜も更けてしまったので、寝室へ向かう。ほんとにいい車椅子だ。走り心地がいい。快適すぎる。
「…両思い…ね。…無理に決まってるし。」
呆れた笑いを零し、ベッドで寝ようと立ち上がろうとする。
「っわ、!!……いてぇ、」
上手く膝が伸びず、そのまま床に倒れてしまう。なんとか横を向くことができたので、そのまま一旦休む。
どうやら結晶化はどんどん進んでいるらしい。思うように足が動かせない。
「…ぁはは、…。……。…なにやってんだ、俺、」
笑うことしかできない。『死ぬ』という言葉がまた頭を過ぎる。もう、他人事のように考えられない。どうしても、本当に起こる未来と、運命だと、頭が訴えてくる。
「…好き、だなんて、言えるわけが無い。…なんで、俺…好きになったんだ、?なんで、涙石病なんかに、なっちゃったんだ、!」
瞳から溢れるのは、涙ではなく、宝石。dzさんのような無色透明ではなく、orの綺麗なブルートパーズ。dzさんのように静かに流れず、地面に落ちる時、硬い音が響く。
辛い。思考がマイナスになるのを抑えられない。どうしても、辛い。悲しい。悔しい。
「…俺だって、死にたく…ない、ですよ…、」
ただの独り言が、ただの泣き言が静かな寝室に溶ける。だれも、助けることはできない。自分でどうにかするしかない。でも、それができない。もう、どうしようもない。
?「qn、…?」
床に倒れている俺の耳に、よく知った声が届いた。
コメント
3件

やばい切ないけど最後の気になりすぎるのが勝つ 今回も面白かったです
うわあ…重い、めちゃくちゃ重いよこれ…😢 qnが「喜んで死にますよ」って言ったとき、心臓ぎゅってなった。dzさんが泣きながら怒るのも、全部本心で苦しい。 最後の「俺だって死にたくない」で、もうダメだ…ってなったところにorの声。続きが気になりすぎる…!