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その人は高杉美子に向かって微笑みかけると、落ちついたものごしで美子に歩み寄ってきた
ああ・・・なんて素敵な人・・・・
彼は立ち並ぶ大理石の柱を通り過ぎ、リバティトラストの大聖堂に一緒に入ってくれた
エメラルド色のガラスからたっぷり日が入り、巨大な祭壇には石灰石の天井に、金の文字でこう書かれているのが見える
―私たちは羊が豊かに命をうけるためである―「ヨハネ・による福音」10章10節」
その上品な彼は、真っ黒いキラキラした瞳で私を見ると、片手を差し出してまっすぐ近づいてきた
「お久しぶりで、す高杉さん、お会いできて嬉しいですよ」
握り合った手に、空いた方の手を重ねて両手で握手してくれる
いかにも並々ならぬ親しみを込めてくれているようにも思えた
一気に心が温かくなり、純愛のような感情が湧き上がる
美子は自分を諫める、何を考えているの?ダメダメ!
いくら彼が離婚して今は独身だからと言って、このような聖職についている方に、こんなよこしまな感情を抱いているなんて思われたら恥ずかしいわ
それにしても・・・淡い色のスーツ・・・きっちり整えられた髪型天使のような頬笑み
ああ・・・彼ってとてもハンサムだわ
「接心(個人的相談)を受けいれてくれて、本当にありがとうございます・・・高橋統括地区長・・・ 」
俊哉はありったけの微笑みを美子に向けた