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「え…?死んだの??」
どくどくと口から泡を吐き出したまま何処を向いているか分からない目は焦点があっていない。あまりの強烈な死に顔に腰が抜け駆けた。
ワンナイト人狼でもそうだけど、現実味のある死に顔はどことなく生気が少しだけ感じられた。まるでついさっき死んだような…。現に玲奈はそうだから。
「ねぇ、今めいさんに毒をどうとかって言ってませんでしたか?」
「そうか!じゃあ此奴が毒をってことか!」
栄太がそう言い、話を続けようとした時だった。
『えぇ〜?それが答えでいいのぉ?もしかしたら、その子は毒を盛られたのを見て、芽依ちゃんのコップとすり替えたつもりが、芽依ちゃんがそれを目撃してすり替え直したとも知らず変えたんじゃっていう考察も可能だよねぇ?』
また少女はケタケタと笑う。
「本当なの?めいちゃん」
加奈子ちゃんは眉間にシワを寄せる。
「実は…、夜中に誰かが瓶に入った毒を私のコップに…。」
「ほなら、すり替えるっていうのは無理なんとちゃうん?」
「でも、めいちゃんがそれを見た時間と玲奈ちゃんがそのコップをすり替えた時間が違った場合ならどうなの?」
確かに。私が犯人の犯行現場を目撃した後に毒の入ったコップをすり替え、すり替えたコップを目撃した玲奈さんが私のコップにすり替え直したのなら辻褄が合う。
「でも、そうしたら私に毒をすり替え直したのなら、何故玲奈さんのコップに毒が入っていたの?」
「え?」
「だっておかしいじゃない?よく考え直してみてよ。犯人がコップに毒を盛ったところを見ていたから私が玲奈さんと思われるコップとすり替えられたのよ。それを目撃した玲奈さんが自分のコップらしき物に確かに触り、私のコップにすり替え直したなら、死ぬのは私のはずでしょ?」
「そうやけどなぁ、結局死んだんは玲奈やしな…」
と考えると、この2人のどちらかが私のコップにすり替え直したコップを玲奈さんに戻し、眠ったと考えるのが伊達だろう。
(ではどちらが玲奈さんに、毒の盛られた私のコップをまたすり替え直したのか。そう言えば黒い手紙と、言われていたわね。指定された毒を私に混入させろと書かれたであろう手紙を犯人に配布したと。2人の部屋を調べれば出てくるものだけれど、昨日居たステージには戻れないのであろう。こんな事で悩むくらいならば、取りに行くのが普通なのだが。)
と思い、前のステージの扉のドアノブを捻ると……え、開いた?
部屋に入り2人の部屋を手探りで探す。と言うのも部屋の照明は消されていた。照明の電源はこちらで操作できないのか、スイッチは見当たらなかった。
(……あった!この部屋は…加奈子ちゃんか?)
特に部屋にこれといった、目立った点は見つからなかった。栄太の部屋も同様に、何も見当たらなかった。
(という事は、犯人は持ってるって事か。)
私は部屋に戻ると2人は眉間にシワを寄せる。
「なんかあったんか?」
「いえ、何も。手紙は見つかりませんでした。」
「…手紙?」
「言ってたでしょ?最初にAliceが。黒い手紙を第1ゲームで配布していたと、それがあればと思い戻ったのですが、無かったです。」
そう言うと2人は更にシワを寄せる。
「つまり、貴方達のどちらかに手紙を持った人が居るのよ。そして、手紙を持った人が犯人よ。」
8話に続く